人工知能と相場とコンピューターと|第2回 デジタルコンピュータの登場[奥村尚]
奥村尚さんプロフィール
おくむら・ひさし。1987年工学部修士課程修了。テーマはAI(人工知能)。日興証券で数々の数理モデルを開発。スタンフォード大学教授ウィリアム・シャープ博士(1990年ノーベル経済学賞受賞)と投資モデル共同開発、東証株価のネット配信(世界初)。さらにイスラエルのモサド科学顧問とベンチャー企業を設立、AI技術を商用化し大手空港に導入するなど、金融とITの交点で実績多数。現在はアナリストレーティングをAI評価するモデル「MRA」、近将来のFXレートをAI推計する「FXeye」、リスクとリターンを表示するチャート分析「トワイライトゾーン」を提供。日本の金融リテラシーを高めるため、金融リテラシー塾を主催している。
趣味はオーディオと運動。エアロビック競技を15年前から始め、NACマスター部門シングル9連覇、2016年シニア2位、2014~2016年日本選手権千葉県代表、2017~2018年日本選手権 マスター3準優勝。スポーツ万能と発言するも実は「かなずち」であり、球技も苦手である。座右の銘は「どんな意思決定でも遅すぎることはない」。
ブログ:https://okumura-toushi.com/
19~20世紀にかけて通貨統合が進められた
時代は20世紀に入りますが、その前に19世紀の欧州の主要国家における領土、通貨統合への道のりをおさらいしておきます。
19世紀の欧州は、近代国家に必要な3要素(領土、法律、通貨)が整ってきた時代です。それまで欧州の主要国は一つの国家としてまとまっていませんでした。この時代になって、欧州のいわゆる列強国を中心に、領土としての国家統一に合わせて通貨統合の動きも始まりました。
英国は、18世紀後半(1760年代)の産業革命によって世界に先駆けて工業化を達成します。1707年には既にスコットランドとイングランドは合同し、グレートブリテン王国となっていましたが、19世紀初日である1801年1月1日、グレートブリテン王国はアイルランドを併合し、連合王国United Kingdom of Great Britain and Irelandが誕生しました。ユニオンジャックのカッコいい国旗は、このときにできたものです(画像①)。1837年から1901年のヴィクトリア女王の時代は、圧倒的な工業力と海軍力を背景に世界に君臨し、広大な植民地を持つに至ります(英国連邦)。
このころは、地中海ではジブラルタル、マルタ、キプロス、北米では米国、中南米ではフォークランド諸島、西インドではジャマイカ、アフリカではエジプトや南アフリカ、アジアではインドやその周辺まで勢力を拡大し、1840年にはアヘン戦争で中国の清王朝を屈服させ、香港を植民地に加えます。さらに自治領として豪州、カナダ、ニュージーランドまで支配していたのですから、それはもう強大国でした。
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