システムトレード成績の見方(フォワード・バックテスト)
GogoJungleで公開されているフォワード実績は、FX会社の協力で提供いただいているデモ口座にて運用されているデモフォワードの実績となっております。
ただしくEAの成績を理解し、上手に運用していただくためにも、EAの特徴や成績の分析方法を必ずご理解の上お買い求めください。
■フォワード実績の見方
例として、GogoJungleでも人気の高い「Pips_Miner_EA」を見本にフォワード実績の見方を説明します。
名称 | 説明 |
---|---|
収益 | 期間中の合計損益 |
収益率(全期間) | 収益÷推奨証拠金 |
推奨証拠金 | (建玉に必要な証拠金)+(期間中最大ドローダウン×2)※1 |
プロフィットファクター | 総利益÷総損失 ※2 |
最大保有ポジション数 | 期間中の最大保有ポジション数 ※3 |
リスクリターン率 | 期間中損益の合計÷最大ドローダウン |
最大ドローダウン(%) | 期間中の最大含み損÷口座資金 ※4 |
平均利益 | 1回の取引における平均勝ち金額 |
最大利益 | 期間中の1回の取引における最大勝ち金額 |
平均損失 | 1回の取引における平均負け金額 |
最大損失 | 期間中の1回の取引における最大負け金額 |
口座残高 | 現在の口座残高 |
初期額 | 運用開始時の初期口座残高 |
含み収益 | 現在保有中の含み損益 |
通貨 | 運用口座の通貨 (円建てまたはドル建て) |
※1 推奨証拠金について
GogoJungleの推奨証拠金の計算は、最大DDが余剰資金の50%程度になることを想定して算出されています。
推奨証拠金額は保有ポジション数やロット数によって変わるため、フォワード運用のロットやポジション数を確認ください。
また、推奨証拠金はナンピンEA(複数ポジションを取るEA)、マーチンEA(1ポジション目よりも2ポジション目のほうが枚数を多くとるEA)は、運用期間が短い場合は推奨証拠金が少なく見えますが、運用期間が長くなり保有ポジション数や保有ロットが増えていくと推奨証拠金も増えていきます。
※2 プロフィットファクター(PF)について
一般的にはPFが2以上(利益:損失=2:1)あると優れていると言われています。1を割ると、取引を行うごとに損失が膨らんでいきます。
PFが高いほど安定した利益の獲得が見込めますが、高ければ良いというわけでもなく、高頻度取引を行うEAなどの場合はPFが1.2程度でも回数で利益を積み上げていくので、EAの取引頻度や勝率によってPFを参照するとよいでしょう。
また、プロフィットファクターが0(ー)の場合、勝率が100%であるか、まだ損切にあっていないナンピン系EAであることがあります。
※3 リスク・リターン率について
リスク・リターン率が高いほど、少ないリスクで大きな利益を得ることが出来ます。
リスク・リターン率が高くなるEAの特徴としては、ストップが小さい、ポジション数が少ないということがいえます。
目安としてはリスク・リターン率が1.0を下回ると「期間中の運用利益よりも最大ドローダウンのほうが大きい」ことになるので、大きなリスクを抱えながら運用することになります。
※4 最大ドローダウンについて
運用期間中の最大含み損のことをいい、SL(ストップロス)の大きいEAや同時保有ポジション数の多いEAほど最大ドローダウンも大きくなります。
単利運用でStop Loss(損切)のあるEAの場合は保有ポジション数×ストップロスPips×ロット数で最大ドローダウンが予測できますが、損切をしないナンピンマーチン系のEAはフォワード期間によって最大ドローダウンも変動することに注意してください。
■バックテストデータの見方と注意すべき点
バックテストデータは、商品ページ下部の「バックテスト」からhtmlファイルと画像ファイルをZipで落とすことが出来ます。
ここではMT4バックテストで注目すべき点について列挙していきます。
◆バックテスト期間について
バックテスト期間です。1年未満のものなど、極端にバックテスト期間が短いものは注意しましょう。長ければ良いというものではありませんが、最低5年以上期間があるのが望ましいでしょう。
◆モデリング品質と不整合チャートエラー
通常、1分足でバックテストを行う場合は、最高でもモデリング品質は「25%」が上限となり、それ以外の時間足においては「90%」が最高になります。
この%は「不整合チャートエラー」の数に関係し、バックテストで使用したヒストリカルデータにどれだけ抜けや漏れがあるかを指しています。
不整合チャートエラーが0であればモデリング品質は90%になるといってよいでしょう。
なお、「Dukascopy」など一部のFX会社では、不整合のない高品質なヒストリカルデータを提供しており、そのデータを使うことによりモデリング品質99%という高品質を出すことも可能です。
ただし、バックテストデータはあくまでも参考値であり、よほど不整合チャート数が大きくなければそこまで気にすることはないでしょう。
それよりは、バックテスト期間や最大DD、スプレッドのほうがパフォーマンスに直結します。
◆スプレッドについて
バックテストで行うスプレッドは、任意で設定することができます。一般的にUSDJPY、EURUSDであれば10(ポイント。10ポイント=1pips)以上あるとリアル稼働での環境に近い成績が期待できます。ここで注意すべきは、3-5ポイントなど、狭すぎるスプレッドでバックテストを行っているケースです。そのようなケースの場合、リアルフォワードではバックテストで期待したほど利益を得ることができないので、バックテストスプレッドが適切に設定されているものを選びましょう。
◆絶対ドローダウン、最大ドローダウン、相対ドローダウン
絶対ドローダウンは初期投資額からのドローダウンを示しており、開始する時期によって変わるので重要ではありません。
最大ドローダウンは期間中最大で出した損失額(と、その時の対口座残高に対する%)です。
相対ドローダウンは、最も口座資金が増えた時点から、最も口座資金が減った比率の最大下落率です。
例の図を見ると、例えば同じ3万円のドローダウン金額であっても、一方は相対ドローダウンが50%、もう一方は相対ドローダウンが23.07%となっています。この場合、最大ドローダウン金額は「3万円」となりますが、期間中の最大ドローダウンは「50%」ということになります。
◆単利運用では「最大ドローダウン額」を、複利運用では「相対ドローダウン%」を参考にする
単利運用においては、0.1ロットあたりの最大ドローダウン額を何%まで許容するのかを参照にして推奨証拠金を決めましょう。
一方、口座資金額に合わせて保有ロットを可変させる「複利運用」においては、「最大ドローダウン額(%)」は推奨証拠金を割り出すのに適していません。複利運用で口座資金が増え、運用ロットも増えていけば、ドローダウン額も増えていくからです。
複利運用の場合は「相対ドローダウンの%」を参照にすると良いでしょう。
また、複利運用における取引ロットの割り出し方法にもいくつかパターンがあります。
◆複利運用のパラメーターについて
EAが複利運用に対応しているか、また、それはどんな複利の方法なのかを知るには、パラメーターを見るとわかります。
■損失リスクからロットを逆算する複利タイプ「MM」「Risk%」
MM(Money Management)というパラメーターが設定されていることが多いです。これをTrue(ON)にすることで複利運用が可能になります。
また、MMには「Risk値」というものが用意されていることが多く、可変のものもあれば固定のものもあります。
Risk値は1回の取引における損失%を表し、口座残高から逆算してロットを割り出します。
たとえばSL(損切pips)50pipsのEAで、初期証拠金額が100万円の口座でRisk値を2%と設定したとします。
50pipsで2万円の損失額となるにはおおよそ0.4ロットで取引することになります。
複利運用においてはPR比(リスク・リターン率)1.5以上、2に近いほど複利効果の高さが見込めます。
■口座残高の◯%をポジション保有に割り当てるタイプ
もともと複利運用を目的に作られたEAに稀にあるタイプですが、口座資金の特定の%をポジション保有に使用するケースです。
このタイプで注意したいのは運用口座のレバレッジです。レバレッジ25倍の場合と、レバレッジ100倍の場合では保有するロットに4倍も差がでるため、損失額も4倍になります。
例えば口座残高の80%を証拠金保有に使用する複利EAで、ストップロス40pips、100万円の口座で、ドル円で運用する場合、
レバレッジ25倍の口座ではポジション保有に80万円を使用するため最大で1.8ロット(80÷44)保有します。(1ドル110円の場合)
1回あたりの最大損失は72,000円で余剰の資金は13万円となります。際どいところですが、常に余剰資金がありつつ最大の資金効率で運用していけることになります。
これがレバレッジ100倍の口座の場合、80万円分をポジション保有に割くとなると、80÷11=7.2ロットも保有してしまうことになります。
この場合の1回あたりの最大損失は28.8万円となり、100万円の口座は一度の負けで破綻してしまうことになります。
口座残高から保有ロットを決めるタイプにおいては、運用口座のレバレッジに十分注意してください。
また、複利運用においては1口座1EAで運用するのが鉄則です。