「FXはギャンブル!」の嘘と本当!徹底検証! プラスサムゲームorマイナスサムゲーム
お客様よりこんな質問を頂きました。
「FXはギャンブルとは違いますか?」
誰もが一度は思ったことがあるかもしれませんし、
単純な質問ではありますが、とても良い質問なので記事にします。
僕は、不動産投資もしますし、配当を狙った投資もしますし、
短期的な売買を繰り返す「投機的」な株式売買もします。
そして、ミスターすきゃるとしてFXもします。
また、たまに麻雀やパチンコもやります。
株式は投資だがFXはギャンブルなんて言う人もいますが、
この議論に出てきそうなキーワードを全て経験してきた人間として
徹底検証してみたいと思います。
結論を言えば、「FX=ギャンブル」ではない!と断言しておきます。
ただし、様々な考え方がある故、僕の言うことがすべてではありません。
非常に難しいテーマです。あくまで僕の考えなので予めご了承ください。
1、投資と投機の違いについてまず、「投資」と「投機」の違いについてお話しします。
「投機=ギャンブル」とおっしゃる方もいますが、
「投機」とは、短期的な売買で利ざやを抜くことです。
それによって得られた収入をキャピタルゲインと言います。
損失のことをキャピタルロスと言います。
この場合の短期とは、デイトレードやスキャルピングのことではありません。
一方、
「投資」とは、資産を長期間保有してはじめて発生する配当や利子によって稼ぐことです。
具体的に言えば、株式の配当などがそれにあたります。この収入のことをインカムゲインと呼びます。
つまり、投資価値が高いと判断して、金融商品として持ち続けて、それによって収入を得ます。
投機との違いはここです。
短期的な判断で、売買を繰り返すことは投資とは言いません。
これは投機です。
ただ、「トレーダー」のことを投資家とも呼びますし、トレーダーと言えば、一般的には短期的に売買を繰り返して、利ざやを抜く人々を指します。
もちろん、ある会社の成長を長い目で見守り、会社そのものに投資をして、それによって得られるインカムゲインを収入源にしている人も投資家です。
厳密に言えば「投資家」というのは、このようにインカムゲインを狙う人を指すのでしょう。
トレーダーと投資家のをあえて厳密に分けるとしたらこういった違いです。
ただし、「投資家」と「トレーダー」の違いにせよ、「投資」と「投機」の違いにせよ、
言葉の綾のようなものだと思います。
厳密な違いを言えばこういう話になるだけです。
本来の投資のあるべき姿は、(株式投資を例にすれば)投資対象となる会社の成長を望み、出資者のお金をもとに事業をした会社が成長し、出資者も儲かるというものかもしれません。つまり、インカムゲインを狙うということです。
ただし、キャピタルゲインを狙うトレーダーはその会社の成長なんてどうでもいいと思っているでしょう。
FXでも同じです。ドル円が上がろうが下がろうが、稼ぐことができればそれでいいと思っている人がほとんどのはずです。
この点で、投資と投機では「世間に持たれるイメージ」が違うかと思います。投機は「何も生まない」と思われているということです。
だからこそ、日本では「専業トレーダー」がしっかりとした仕事として認められていない所以な気がしております。
(多くの人は、投資と投機の違いは知らないと思いますが、皆がなんとなく持っているイメージを噛み砕くとこのような問題があるかと思います。)
2、株式とFXについて投資と投機については大まかには以上の通りです。
しかし、さらに「株式は投資だが、FXはギャンブル」だと言う人がいます。
僕自身は、株もFXも知っているのでどちらがどうというのは特に思いません。
ただし、決定的な違いがあります。
それは、「ゼロサムゲーム」か「プラスサムゲームorマイナスサムゲーム」かという違いです。
経済学の「ゲーム理論」という理論の考え方なのですが、
ゼロサムゲーム=参加者の利得の合計がゼロであること。
プラスサムゲーム=参加者の利得の合計がプラスであること。
マイナスサムゲーム=参加者の利得の合計がマイナスであること。
株式投資ですと、会社が成長することによって株価が上がればみんなが得します。
また、「投資」として見た株式投資の場合は「配当」があります。
その点で言えば、会社の成長に関わらず配当を得られます。
つまり、「出資者全員」が儲かる可能性があります。「プラスサムゲーム」と言えます。
その逆もあり得るので「マイナスサムゲーム」と化すこともあります。
一方、「FX」は、誰かが勝っているのならば必ず誰かが負けています。
つまり、「ゼロサムゲーム」です。(厳密には、手数料やスプレッドなどで若干マイナスサム)
これをかなり悪く言えば、「株式は全員幸せになれる可能性があるが、FXは幸せになる人がいる一方で、不幸になってる人がいる」となります。
この点に関して悪いイメージがあるかと思います。
ネットでもこの点について言及している人がいます。
例えば、
「カジノだって負けた人のマイナス分を勝者で奪い合っている!だからFXもギャンブルだ!」
といった意見です。
ただし、プラスサムだろうがマイナスサムだろうがゼロサムだろうが、
必ずしもプラスサムが一番優れているとも言えません。
3、「投機」は「運」によるもの?以上のことを踏まえた上で言えば、FXをギャンブルと見る人も多くいますし、
ゼロサムゲームだからこそイメージを悪く持つ人もいます。
「株は良くてFXは悪い」と思う人の多くは、「投機は何も生まない」と思っている人が多い為だと思います。
そして、投資と投機の違いなどを知らない人が多いので、「投機的な株式売買をしている人」に関しても「本来の意味での投資をしている人」に関しても混同しているのでしょう。
そうなると、今度は「投機=ギャンブルか?」という話になってきます。
正直申し上げれば、投機はギャンブルと見なされることもあります。
なぜならば、運の要素も絡むことがあるためです。
株だろうがFXだろうが運による利益や損失もあり得ます。
例えば、先日のスイスフランショックなんかも「運」によって人生を分けてしまった人もいることでしょう。
安易に「売り」を入れて、50円ほど動き、ロスカットが間に合わず、マイナスになってしまった方もいるわけです。
だからこそ、市場参加者が多く情報の得やすい通過ペアを選ぶべきというのが僕の持論なわけです。
そして、不確定要素があるため、テクニカル分析でいくら強い根拠を持って買ったところで、
リーマンショックのようなことが起これば下落します。
そういう意味で「運」の要素があることも否定はしません。
(事前に経済にアンテナを張っておけば、防げる可能性もあります。)
4、ならば「投機=ギャンブル」なのか?ここで、やっとこの議論の本質にたどり着きます。
結論から申し上げれば「ギャンブルではない!」と断言します。
先に述べてきたことを踏まえると、「投機=ギャンブル」のように思えてくる人も多いでしょう。
競馬や競艇でも、不確定要素も含めてしっかり分析して、より可能性の高いものに賭けるのであれば、
なんとなく売買している人に比べたら勝率も高いでしょう。
分析という意味では、投機的な株式売買やFXとなんら変わりありません。
しかし、決定的な違いがあります。
①ゲーム理論的違い
先に述べたように、FXは「ゼロサムゲーム」、株式は「プラスサムゲームorマイナスサムゲーム」ですが、
ギャンブルは「マイナスサムゲーム」一択です。つまり、主催者側が必ず儲かる仕組みです。
競馬ならば、JRA(日本中央競馬会)が必ず儲かりますし、カジノのならばカジノ主催者が必ず儲かります。
その理由は、「全員が出資した金額 > 当選金額」という構図があるためです。
つまり、参加者全体で見たら、利益より損失のほうが大きいわけです。
「期待値が投資額より少ない」とも言えます。(胴元である主催者を考慮しなければ、ゼロサムゲームになります)
②損失を限定できるか否か株やFXは、ロング(買い)でポジションを持った後に、下落すれば含み損を抱えます。
しかしその後、的確に損切りをし、ドテンすることも可能です。
また、一時的な下落の後に、結果的に上昇すれば、その買いポジションは利益となります。
一方、競馬などのギャンブルは「予想が外れたら即終了」です。その後の展開について二重三重で対処するなんてことはできません。
もっと分かりやすく言いましょう。
しっかり分析した上で「買った」とします。ここまでは、競馬もFXも株も変わりありません。その後、リーマンショックのようなことが起こるとします。
競馬では、他の馬と接触して馬が転んだと仮定しましょう。
リーマンショックのようなことが起こったのならば、即損切りし、売りに流れるといった次の戦略を考えることができます。
一方、競馬の場合、馬が転んでしまったあとはどうすることもできません。他の馬もがすべて転ぶことを祈ることぐらいしかできないでしょう。
(有事の際に自分で対処することができず完全に他力本願となってしまうとも言えます)
以上のことから、FXはギャンブルとは言えません。
期待値やゲーム理論などの経済学の側面から見ても、有事の際に対処できるかどうかなどの物理的な側面から見ても、「ギャンブル」とは言えません。
投機は確かに運による要素もありますが、明らかにその点が違います。
(麻雀は実力次第ですし、有事の際に対処できる術もあるかもしれませんが、運が8割、実力が2割なんて言われているほど、運の要素も強いので、言及しません)
また、ギャンブルは全体的にゲーム性が高いものが多いので「稼ぐ」に加えて「楽しむ」という目的でやる人も多いでしょう。
5、「投資」も「投機」も「ギャンブル」になることもある!投資も投機もギャンブルではありませんが、ギャンブルと化すこともあります。
それは、ろくに分析もせず「なんとなく一か八か」で勝負した場合です。
てきとうに売買している人は、損切りの技術も無く、ルールもありません。
こうなると、もはやギャンブルです。
ルールを持っていたとしても、ルールを守れずなんとなくで売買したらそれもまたギャンブルです。
こうなったら、しっかり分析した上で競馬をしたほうがまだギャンブルではない気がします。
6、まとめ株式がメインの人でFXをギャンブルだと馬鹿にする人もいます。
それは、その人がFXで稼ぐことができていない又は稼いだことがないためだと考えています。
安定して稼ぐことができているのならば、ギャンブルとは思えないはずです。
「投資」か「投機」かなんて話は言葉の綾です。厳密に言えば違いますが、投機的に売買を繰り返している株式トレーダーが言う話ではありません。
また、ゼロサムかプラスサムかについても、ネットで見かける多くの意見が綺麗事に聞こえてしまいます。
確かに、皆がプラスで幸せになれるに越したことはありません。
ただし、現実は「まずは自分」と思うのが普通です。
(期待値などの話はおいといても、そのような話よりも精神論を訴えている方を多く見かけるので)
そして、投機とギャンブルは根本的に違います。言葉の綾などではありません。
同じと思っている方は、投機で勝った経験がない又は証券口座すら持ったことがない方です。
とはいえ、
僕は、どれを否定することもしません。
宝くじやカジノのように「マイナスサム」だとしても、一回大きく当選すれば、
二度とギャンブルをする必要もありませんし、試行回数が少なくて済むので、
期待値云々という話でもありません。
「プラスサム」だとしても、若干のプラスで終始しており、その分アルバイトをしていたほうが稼げていたかもしれません。
何に出資するにせよ、目的は「稼ぐ」ことです。それは同じです。
「イメージ」の違いやちょっとした違いのみで短絡的に否定することはしません。
僕は、株もFXもやりますし、パチンコや麻雀もたまにはやります。
どれに出資するかは人それぞれです。
ただ、FXは投機とは言えますが、ギャンブルでは無いということは断言させて頂きます。
しっかり分析して、損失を限定して、ルールを守って勝率も損益率を高めていきましょう!