





博打の強力な戦略としてマーチンゲイル法があります。負けたら掛け金を倍にするというやり方で一連のトレードの収支を必ずプラスにするという一種の必勝法です。多数のマーチンゲイル系 EA は驚くべき安定した利益曲線でとても魅力的です。もちろん落とし穴があって負けが続くと損失が指数関数的に増えるために資金不足になる可能性があり、資金不足は破綻、破産をもたらします。資金不足を避けるために最初の掛け金を小さくしたり、回数制限をすると利益が小さくなって資金効率が低下したり、大損失が確定したりします。
TMea はマーチンゲイル法を、負けたらポジション保有時間を二倍にするという形で応用した時間決裁型の EA で裁量トレードの損切、途転を補助します。
任意のトレード法で一定時間後 (初期設定では 3 分後) に上昇あるいは下降する確率が高いと判断した時点で TMea に買い、あるいは売りの指令を出すと即座にエントリーし、一定時間後 (3 分後) に決済します。利益が出ている場合はそこでトレードが終了しますが損失の場合は反転したと判断して反対方向のエントリー (途転) を行います。最初のトレードの二倍の時間が経過した時点 (6 分後) で決済し、利益が出ている場合はそこでトレードが終了しますが損失の場合は最初のトレンド判断がやはり正かったのだと判断して再度の途転売買を行い最初のトレードの四倍の時間が経過した時点 (12 分後) で決済します。
ブレイクアウトして上がると思ってエントリーしたらそこが高値でずるずると下がり、損切をためらっていたらそのまま反対側にブレイクアウトして止む無く損切ということはよくあることです。また、「騙し上げだ」 とばかりに売りを入れると再度反転して N 字パターンを形成して力強く大きく跳ね上がるということも無きにしもあらずで、そのような鉄板パターンが出現するまで 「待つのがトレードだ」 と主張する人たちもいます。しかし、「言うは易く行うは難し」 です。最初の判断が正しく、そのまま上がるという場合もたまにはあります。騙し上げでの逆張りで勝てることもあるでしょう。多くの人は「上がりそうだと思って買うと必ずと言っていいほど負けてしまう、あそこは売りかも、でも逆張りは推奨されていないし、実際やってみるとうまくいかない、どうしたらいいのだ」 と実感しているはずです。環境認識などで最初のトレンド判断の精度を高めるべく精進してトレードを究めるよりも、それらの負けに対応したトレードを TMea で自動的に行う方が簡単で現実的なのではないでしょうか。N 字パターン確認後の三回目のトレードでも勝率は 60 % 程度でしょう、負けトレードとなる場合はもちろんあります。そのような場合は方向性が定まらないボラティリティの高い相場ですので更なる途転トレードは控えます。要は 3 回目の (確率的) 必勝パターンが控えているから安心して 1 回目、2 回目のトレードができて負けられるし、安定して勝てるであろうというトレード法です。
「勝率は低くても良い、損小利大が FX で勝ち続けための秘訣である」 はよく言われることです。でも難しいのです。驚くべきことに時間マーチンゲイル法だと自動的に損小利大になってしまうのです。1 回目、2 回目の小さい負けで 「損小」 を稼ぎ、2 回目の 3 回目の勝ちで 「利大」 を確保します。当然、勝率は低いのですが極めて合理的なトレード法なのです。
TMea はシンプルですが必要かつ十分な機能を盛り込んだスキャルピング EA です。まずはストラテジーテスターでの動作確認、次いでデモ口座でのバーチャルトレードをお勧めします。ストラテジーテスターでトレードの練習をすることも出来ます。
3 つのスクリプト Buy_order_TM, Sell_ order_TM, Exit_ order_TM で EA をコントロールします。
ストラテジーテスターのビジュアルモードで TMea の使い方を説明します。下図は注文が出ていない通常の画面で pending, TMea と左上に表示されています。サブウィンドウにはおまけとして付けました MADind (移動平均乖離のインディケータ) が表示されています。MADind についての詳しい説明は別売しておりますインディケータ 「MADind MACD より早くて使いやすい (アラーム付き) 」の商品概要をご覧ください。
下方ブレイクしたところで Sell_ order_TM スクリプトをチャートにドロップしますとグローバル変数を介して指令が EA に送られ、即座に売り注文が実行されます。左上の表示は SELLING, TMea に変わります (下図)。
一定時間後 (3 分後) に決済が行われます。利益が出ているとそこでトレードが終了しますがこの場合のように損失の場合は反転したと判断して反対方向のエントリー (途転) を行い左上に BUYING, TMea と表示されます (下図)。
更に二倍の時間経過後 (6 分後) に決済します。利益が出ているとそこでトレードが終了しますがこの場合のように損失の場合は反転したと判断して反対方向のエントリー (途転) を行い左上に SELLING, TM と表示されます (下図)。
更に二倍の時間経過後 (12 分後) に最後の決済をします。この場合、損失か出ていたとしても途転のエントリーは行なわれず左上の表示は pending, TMea に変わります (下図)。
この一連のトレードで設定時間経過後の決済を待たずに Exit_ order_TM で利益確定あるいは損切りすることも出来ます。その場合、損失確定でも途転売買は行われません。一方、一回目あるいは二回目のトレードの途中で手動決済しますと損益にかかわらず途転売買が開始されます。上図のトレードでは三回目のトレードの途中まで順行しています。結果論ではありますが MADind のシグナルクロスを根拠にExit_ order_TM で利確決済するのがよさそうです。
TMea で安定的に勝てるのかどうかが問題ですが TMea 自体には状況を判断する機能は全くありません。どのようなトレード法と組み合わせるかによって結果は異なってくるでしょうし相場環境にも依存しています。一つはっきりしているのは強いトレンドがある時にトレードすべきだということです。エントリーのタイミングには神経質になる必要はなさそうです。そもそも決済のタイミングが状況無視の時間決裁で負けることを前提にしています。驚くべきことにエントリーの方向にも神経質になる必要がありません。最初のトレード方向をうっかり逆にしても強いトレンドでさえあれば 2 回目のトレードで挽回してトータルでは勝ってしまいます。
強いトレンドのインディケータとしてはいろいろ考えられますがここでは私が御提案している 3 つのインディケータ VWAPind_market, CSind, BBWind でのごく簡単な小規模手動バックテストでの結果をお示しします。VWAPind_market, CSind, BBWind についての詳しい説明は別売しておりますインディケータ 「VWAPind_ market 日欧米各市場開始からの VWAP を表示」、「CSind 通貨の強さ」 、「BBWind トレンド検出、監視 (アラーム付き)」の商品概要をご覧ください。
どのような場合にエントリーするかを下のチャートでお示しします。
メインウィンドウには上から欧州市場、アジア市場、北米市場開始時刻起点の VWAP (出来高加重平均) が並んでいます。ローソク足はその上にあり、いわゆるパーフェクトオーダーとなっています。丸印で示したようなところでエントリーします。上のサブウィンドウは主要な 7 通貨の強さ (CSind) を示しています。USD (水色) が最強、JPY (赤) が最弱になり USDJPY が最強の通貨ペアとなった丸印で示したようなところでエントリーします。下のサブウィンドウはボリンジャーバンドの幅 (赤) とその平滑化シグナル (水色) を示していてボリンジャーバンドの幅が拡がり始めた丸印で示したようなところでエントリーします。
MT4 のストラテジーテスターによるバックテストはビジュアルモードのチャートとは別のチャートにインディケータを表示させてそれをスクロールしながら行います (下図参照)。
左はストラテジーテスターの 1 分足チャート、右はテクニカル分析の 5 足チャートです。ストラテジーテスターを灰色点線のところで停止して右のチャートの灰色点線より先にあるエントリーポイントを探します。この場合は VWAP, ローソク足がパーフェクトオーダー、USDJPY が最弱通貨ペアになり BBWind が上昇を開始するタイミング (丸印) を売りのエントリーポイントとすることにします。バックテスト用のスクリプトSell_time_TM をそこにドロップしますと赤の破線が出て一回目の売買の時刻と方向を指定することができます (買いの場合はスクリプト Buy_time_TM をドロップ、緑の破線となります)。その後、ストラテジーテスターの停止を解除します。下図のようにトレードが終わったら再度停止して次のエントリーポイントを指定するということを繰り返します。
先の値動きが見えているインチキ臭いバックテストですが CSind は MT4 のストラテジーテスターでは正常に表示されませんのでやむをえません。ほかのインディケーターも同じ条件でのバックテストとしてあります。気になるようでしたらローソク足を F12 キーを使って一本ずつスクロールしながら先をできるだけ見ないようにしてバックテストを行ってください。
プロトタイプの TMea で実際、上記のバックテストをやってみますとストラテジーテスターは非常に扱いづらいものです。下に速度調節のスライドスイッチがあるのですが、あるところから急に速くなってしまいストップボタンを押して止めた時には何日も先まで行っているということがしばしば起こります。ゆっくり作動させて待つのも大変です。そこで現在は改良型の TMea をご提供しています。改良型 TMea では Sell_time_TM あるいは Buy_time_TM による時間指定のトレード指令が実行されるとアイドルループが回り始めてストラテジーテスターにブレーキがかかります。つまりトレードが始まると急にゆっくりと進行するようになりますので停止するのが容易になり効率的にバックテストが実行できます。
改良型 TMea によるバックテストの結果をまとめますと
(1) VWAPind_market のパーフェクトオーダー
USDJPY 8/1/2024-8/23/2024 lot_size 0.01
pf = 1.47 勝率 57 % 30 トレード 平均利益 0.16 ドル
(2) CSind の最強通貨ペアへの変化
USDJPY 8/1/2024-8/13/2024 lot_size 0.01
pf = 2.53 勝率 72 % 32 トレード 平均利益 0.31 ドル
(3) ボリンジャーバンドの幅の拡大 (BBWind の上昇)
USDJPY 8/1/2024-8/14/2024 lot_size 0.01
pf = 0.70 勝率 38 % 34 トレード 平均利益 -0.11 ドル
(2), (3) はローソク足チャートが見えないようにして行いました。
印象としてはVWAPind_market のパーフェクトオーダーはチャンスが少ないし、その割には簡単に負けてしまいます。CSind の最強通貨ペアへの変化が一番安定しているようです。ボリンジャーバンドの幅の拡大は BBWind の上昇と MADind による方向性の確認だけでトレードしためでしょうか負けが多くなりましたがローソク足チャートや他のインディケータも見ながらトレードすれば勝てる可能性があると考えています。様々なトレード法と組み合わせてポジション保持時間を最適化すればパフォーマンスが向上すると期待できますので是非、ご検討ください。
蛇足ながら回数制限なしの 「時間マーチンゲイル法」 は必勝ではありません。ポジション保持時間と平均損益の関係性に問題があります。強いトレンド状態では保持時間 6 分の平均損益は保持時間 3 分の平均損益の約 2 倍、保持時間 12 分の平均損益は保持時間 3 分の平均損益の約 4 倍と期待できますが保持時間 3000 分 (約 2 日) の平均損益が保持時間 3 分の平均損益の 1000 倍になるとは期待できないからです。つまり連敗して途転回数が増えるに従って連敗の損失の挽回が困難になります。
TMea は裁量取引補助のための EA ですが売買指令を出すインディケータと組み合わせると自動売買が可能になります。いくつかそのようなインディケータを作成して検討中ですが安心して自動売買できるように変更を加えました。
FX 市場の恐ろしいところは突然とんでもない値動きをすることがあることです。たった 3 分でも大損失となることがあります。このような場合はレートの更新が止まってトレードができなくなったりスプレッドが拡がったりします。これらの事態には EA でも対処できませんが何らかのストップロス機能で定刻前の決裁、少なくともそれを試みる機能の存在が望ましいです。そこで TMea に ATR を目安にロスカットする機能を付与しました。ロスカットした後は少なくとも当該市場でのトレードはリスクが大きいので行わないというのは合理的判断だと思われます。また、二回の途転の後の三回目のトレードでも負けることがあります。このような場合もトレード法が相場環境に不適合と判断しそれ以降当該市場でのトレードは行わないというのは合理的判断だと思われます。このため ATR でのロスカットあるいは三連敗の後でのロット数を reduced_lot_size で 0 に指定できるようにしました。市場が変わると相場状況も変わりますので元のロット数 (normal_lot_size) に復帰します。なお初期設定では reduced_lot_size = normal_lot_size = 0.01 としてありますので実質的には以前と変わりありません。
時間マーチンゲイル法のポジション保持時間は最適化が必要です。しかしその前に市場で活発に取引が行われている時とそうでない時で同じポジション保持時間でよいのかという疑問が湧きます。Bob Volman は “Forex Price Action Scalping: an in-depth look into the field of professional scalping” (邦訳「FXスキャルピング」) でティック足でのトレードを紹介していますがティックボリュームを使用した出来高マーチンゲイル法とでもいうべきものの方が合理的なような気もします。そこで「VMea 出来高マーチンゲイルスキャル EA」 を作成し、おまけとしてつけました。VMea は TMea と全く同じようにして使えますのでこちらもご検討、ご活用ください。
その他に 「損益マーチンゲイル法」というのも考えられます。「PMea 損益マーチンゲイルスキャル EA」 は負ける途転して損益が二倍の指値、逆指値トレードを行います。こちらには途転なしの PMea を SPMea, SCLea という名前でおまけとしてつけて別売する予定です。
TMea, VMea, PMea, SCLea の売買パラメータを変化させて USDJPY (0.01 ロット) で行った約 2 ヶ月間 (2024 年 8 月 1 日から 9 月27日) のバックテストの結果を表にします。なお売買指令には 「MADsigAT 売買シグナル」 (別売) を使用しました。
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EA 売買バラメータ 総利益 平均利益 トレード数 勝率 pf
(US$) (US$/トレード) (%)
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TMea 120 秒 3.1 0.04 76 54.0 1.28
TMea 140 秒 6.8 0.09 79 53.2 1.68
TMea 150 秒 7.4 0.10 77 52.0 1.66
TMea 160 秒 7.6 0.10 76 51.3 1.62
TMea 180 秒 3.2 0.04 70 50.0 1.22
VMea 320 ticks 7.9 0.12 68 54.1 1.57
VMea 340 ticks 9.0 0.13 68 52.9 1.62
VMea 360 ticks 6.9 0.10 67 49.3 1.46
PMea 3.0 pips 0.9 0.01 69 59.4 1.09
PMea 4.0 pips 4.7 0.07 67 61.2 1.46
PMea 5.0 pips 2.4 0.03 70 52.9 1.16
SCLea 20 pips 10.4 0.21 49 36.7 1.75
SCLea 25 pips 11.5 0.23 49 36.7 1.82
SCLea 30 pips 14.9 0.31 48 37.5 2.05
SCLea 35 pips 9.5 0.20 48 35.4 1.66
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一般に長期間のバックテストあるいはフォワードテストで pf が 1.25 - 1.5 であれば優秀な EA とされているようです。pf が 2 以上の優位性はあり得ない、いずれ化けの皮がはがれるそうですが上記の結果は極めて有望であると考えています。
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