VWAPind_ market は日欧米各市場開始からの VWAP (出来高加重平均) を表示します。
株式トレードにおける VWAP の重要性はよく知られていますが FX 市場でのVWAP は注目されていません。
正確な値は把握不可能ですが売買量をティックボリュームで代用して VWAP を計算することができます。計算の起点は週初あるいは各市場の開始時刻に取るのが妥当だと思われます。
各市場開始時刻を起点としたティックボリューム VWAP を表示する VWAPind_ market はトレンドの反転予測などに有用ですので是非あなたのトレードに役立てて下さい。
いくつか実際のチャートを下に示します。
このチャートには1日分の5分足が圧縮されて表示されています。TIME_Zone が市場足を示しています。暗褐色がアジア市場、暗灰色が欧州市場、暗青色が北米市場時間になります。ピンクの曲線がアジア市場開始時間を起点とした VWAP, 灰色の曲線が欧州市場開始時間を起点とした VWAP, 水色の曲線が北米市場開始時間を起点とした VWAP となっています。丸印で示すように前市場や前々市場開始時刻を起点とする VWAP で反転することがあることにご注目ください。VWAP はピボット (代表値) を精密化したものと考えられ、その付近で反転したり、振動したりします。そういう意味では移動平均線とも似ています。トレードへの応用も移動平均線やピボットとほとんど同じようにできます。出来高を考慮しているため、より精密で有意性が高いと考えられます。
このような当該市場開始時刻から のVWAP に下支えされながらの上昇はしばしば観察されます。
前市場の開始時刻からの VWAP での反転もしばしば観察されます。
都合の良いチャートを見つけ出して示しているだけだと思われるかもしれませんが私には的確に反転点を示しているよう感じられます。
おまけとして付けた MADind (移動平均乖離のインディケータ) を含めたトレードへの応用を二つ例示します。
応用例1 (当該市場 VWAP での反発)
①で当該市場 VWAP での反発が観察されます。しかし直ちに買いエントリーはその前のボラティリティーの高い値動きから見て危険です。MADind の買いシグナル②で買い、売りシグナル③で決済するようなトレードが考えられます。
応用例2 (前市場 VWAP での反落、当該市場 VWAP からの乖離)
このチャートでは左側 1/3 ほどで上昇トレンドかと勘違いしそうですがきれいに反転してしまいます(①)。しかし当該市場 VWAP で再反転(②)、さらには前市場 VWAP で再々反転と VWAP の有意性が分かるものの、それだけでトレードすることが出来ないことも確かです。VWAP で反転した場合、その後、いわゆる N 字パターン (この場合は逆 N 字) パターンを確認してからのエントリーを推奨します。➃ の MADind 売りシグナルでの売りエントリーが妥当です。⑤の MADind 買いシグナルが一つの決済目安となります。
当該市場 VWAP からの乖離はトレンドの存在を意味します。⑥のような下方乖離したところでのMADind 売りシグナルはトレードチャンスと言えますがこの場合は 3 段目の下げであり、損切りが出尽くして急反発の可能性が高いので早めの利確あるいは損切りが無難です。
おまけとして付けました MADind についての詳しい説明は別売しておりますインディケータ「MADind MACD より早くて使いやすい (アラーム付き) 」の商品概要をご覧ください。
トレンドがない状態では VWAP の上下を通貨レートは等幅で振動します。というか等幅で振動しなくなればそれはトレンドの発生を意味します。非等幅の振動でオーバーシュートの場合には調和のとれた非等幅ともいうべきものがあります。しばしばフィボナッチ比になることが何故か非常に多いのです。フィボナッチ・リトレースメントを使用してもいいのですが価格が表示されると便利です。そこでフィボナッチ比で反転点を予測するツール FSRind を作成しましたのでよかったらご利用ください。
インディケータ FSRind をチャートにドロップすると下図のように 4 つの価格表示タグが現れます。小さな横棒の基点を左ダブルクリックしますと小さな四角い印が出て価格表示タグが可動状態になりますので緑 (V) を高値、白 (A) を基準値、この場合は交叉する箇所の VWAP に合わせてください。赤 (F) とピンク (W) は価格レベルとその値を表示するだけのものですから邪魔にならない見やすい場所に移します。
そうしますと下図のようになって V に対応するフィボナッチ比の F の付近で反転しているのが観察されます。W は等幅の下振れの場合の価格位置でトレンドがない場合はそのあたりで止まります。
似たような例をいくつか下に示します。
市場が始まった直後は売買量は多いのですがポジションの蓄積が少ないので市場 VWAP の有意性は小さくオーバーシュートも大きくなります。市場の後半で等幅の振幅を超えた場合はその方向へのトレンドがあると判断することができます。
他方、下図のように等幅の振幅に届かず反転する場合はトレンドの予兆と考えてよさそうです。
なおチャートを展開した時に離れたところから FSRind の価格表示タグを一つずつドラッグするのは面倒です。そういう時のためにスクリプト move_FSR が用意されています。基準値の白の価格表示タグを移したいところにドロップしてください。他の 3 つの価格表示タグも相対的位置関係を保って移動しますので手間が省けます。
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