1. 概要
投資の王道である、「トレンドフォロー」に徹したインジケータで、全時間足に対応しています。特筆すべきは、「トレードをしない」、「売る」、「買う」が、インジケータのカラーで明示的に表示される点です。(赤なら売り、青なら買い、ピンクなら待機です。)
全時間足対応なので、1分足の短期足から、週足、月足までの長期足のどの時間足にも適合するので、トレーダーのトレードスタイルに合致した運用が可能です。
相場を波動とみなして、収束と乖離の波動を捉え、トレード方向が収束から乖離に向かう時だけトレードする事に徹します。それ以外の時間はトレードしないことにより、無駄な負けトレードを排除することができます。ポジポジ病よ、「さようなら」です。
トレンドフォロー型トレードの、強力なサポートツールとして活躍することが期待できます。(名前の由来の「とれとれ」は、トレンドフォローの「とれ」とトレードの「とれ」の2文字を組み合わせたものです。)
2. 本インジケータの特徴
(ア)
「トレードをしない」、「売る」、「買う」が明示的にカラーで表示されます。赤なら売り、青なら買い、ピンクなら待機です。
(イ)
収束と乖離の波動を、グラフとして表示します。
(ウ)
使い方は、グラフの色と、動きを見るだけでよく、誰でも直感的に理解することができます。
(エ)
相場の本質に基づいたインジケータなので、どの時間足でも機能する汎用性のあるインジケータです。
3. 本インジケータの基本的考え方
「万物は流転する」は、哲学者ヘラクレイトス(古代ギリシャ)の言葉ですが、この世のあらゆるものは、それぞれ固有の波動を有した振動状態にあります。宇宙から素粒子まで、森羅万象に波動があり、為替相場も例外ではありません。この波動を捉え、波動の収束、拡散を味方にすることで、物事の本質に則った、本質に逆らわないトレードが可能になります。
収束、拡散を捉えるのに使用するのは、ローソク足、短期移動平均線、長期移動平均線です。3本のグラフが収束してくるのを待ち、収束から拡散に向かう時のみ、ポジションを建てます。それ以外の時間は、エントリーしないことに徹します。拡散が終わってきたら決済します。
これをインジケータにしたものが、トレンドフォロートレードインジケータの「とれとれインジケータ」です。
4. パラメータの設定
[項目] [内容] [デフォルト設定値]
AFTER_CONFIRMATION 確定後アラート true
ALERT_ON アラートの有無 false
MAIL_ON メール送信の有無 false
MORE_ARROWS 矢印多数表示 false
MA_P1 短期移動平均期間 20
短期移動平均線の計算期間
MA_P3 長期移動平均期間 200
長期移動平均線の計算期間
AVG_P1 移動平均期間1 9
グラフ2の移動平均期間
AVG_P2 移動平均期間2 14
グラフ3の移動平均期間
TH 収束検出閾値 5
これ以下になれば、収束したと判定します
WIDTH 反転上昇検出幅 1
THよりもこの幅以上になれば、反転上昇したと判定します
DF 矢印表示位置 0.2
値を増やすと、矢印の位置がグラフから離れて表示されます
win_wd グラフ表示範囲(window幅の倍数) 4
MT4の動作が重くなるのを避けるため、直近範囲だけグラフを描画します。数字を増やすと、過去に遡ってグラフを描画するようになります。
色の設定
ユーザーが任意の色に変更できます。
#0,#3,#4がメイン線の色で、線の幅は2に指定しています。
#0:トレードしない期間 Pink
#3:買いトレード期間 DeepSkyBlue
#4:売りトレード期間 Red
#1:9期間移動平均線 Yellow
#2:14期間移動平均線 Lime
5. 使い方
<インジケータの導入>
任意の通貨ペアのチャートにインジケータを導入します。
全般タブの「DLLの使用を許可する」にチェックを入れてください。
(チェックが入っていないとエラーが表示されます。)
インジケータは、サブウィンドウに表示されます。
<説明図>
上の図は、AUDUSDの1時間足チャートです。
サブウィンドウに表示されるインジケータは、3本のグラフで構成されています。1本目の少し太い線で描かれたグラフ(メインのグラフ)は、状況によって、赤色、桃色、青色の3色に変わります。赤色なら「売り」、桃色なら「待機」、青色なら「買い」です。2本目と3本目のグラフは、1本目のグラフの移動平均線(それぞれ9期間と14期間)になります。
収束を待つため、3本のグラフが底に近づくまで待ちます。メインのグラフが2本目、3本目の移動平均線を上抜けして、色が、赤か青に変わったポイントがエントリーポイントになります。赤なら売り、青なら買いでエントリーします。
メインのグラフの色が桃色に変わり、2本の移動平均線を大きく割り込んできたら決済します。
6. 矢印表示
Ver2.00から、矢印表示、アラート、メール送信ができるようになりました。
確定後アラート動作
AFTER_CONFIRMATION(true)の場合
アラートの矢印は、終値Close[0]の値から計算します。相場はリアルタイムで変動していますので、Close[0]の値も、ローソク足が確定するまでは、刻一刻と変化します。Time[0]の位置に、矢印が出たり消えたり点滅する、リペイント動作を繰り返すことになります。矢印が点滅する度にアラートを出すか、矢印が確定してからアラートを出すかの違いを、このパラメータをtrue/falseにすることで、選ぶことができます。通常は、trueにしてあります。矢印が確定してからアラートを出すという設定です。
AFTER_CONFIRMATION(false)の場合
確定前でも、矢印が点灯した時点でアラートを出します。矢印が点灯する度に繰り返しアラートが出るようになります。メールも同時に送信されるので、多数のメールが次々届くようになります。メールの送信は止めておいて、アラートだけ早く出すという使い方もできます。
矢印表示は、2方式を選択できます。
MORE_ARROWS(false)の場合
インジケータメイン線の値が、一旦閾値以下になってから、反転上昇したタイミングで矢印を表示します。
閾値以下にならないと、矢印を表示しません。この結果、上昇トレンドの途中の押し目の位置であっても、矢印が表示されないことがあります。
閾値に関係なく、メイン線の色が青になったら上向き矢印、赤になったら下向き矢印を表示します。結果として、多数の矢印が表示されるようになります。
✘印は、決済の目安にするマークです。
矢印位置でポジションを建てたと仮定し、インジケータの2つの移動平均線がデッドクロスした所に表示されます。
矢印が出現した時点で、アラートおよびメール送信がtrueになっていると、 アラート表示、メール送信が行われます。
※注意事項※
ユーザー様からのご要望により、Ver2から、アラートや矢印表示が出るようになりましたが、「矢印が出たら、即買いだ!」という使い方は、そもそも想定していません。このインジケータは、あくまでも、ゼロライン近くまで引き付けて、そこからの大きな反発を狙うという意図で作成しています。トレードに必要な「待つ」ことができるインジケータなので、くれぐれも誤解されませんように。
「矢印の通り買ったのに、負けてしまった。どうしてくれるのだ!」と言われても、制作者は責任を取りません。
このインジケータの制作意図が分かるようなチャートをお示しします。
GBPJPYの4時間足チャートです。
このインジケータが狙うのは、上の図の白の楕円で囲んだ3箇所だけです。さらに加えるのであれば、上昇トレンド途中の押し目買い、下降トレンド途中の戻り売りのポイントで、黄色の破線楕円で囲んだ4箇所です。それ以外の場所は、トレードをしません。トレードするのは、レートが急角度で上昇/下降している場所だけなります。これこそが、本インジケータの狙い目になります。なんとなくご理解して頂けましたでしょうか。
7. 各時間足の例
GBPJPYの月足チャートです。
収束状態から拡散状態になるメイン線の色が、青に変わったら買います。2950pipsの利益が得られました。
<週足>
AUDJPYの週足チャートです。
グラフが充分に収束してくるのを待ってから、メイン線が青色になったら買います。
1360pipsの利益が得られました。
<日足>
USDJPYの日足チャートです。
この例では、押し目買いの2回を含めて、3回の買い合計で、
<4時間足>
USDCHFの4時間足チャートです。
グラフが底を打って、上昇してきた所が狙い目です。メイン線が赤色なので、売ります。390pipsの利益が得られました。
<1時間足>
AUDUSDの1時間足チャートです。
収束してくるのを待って、赤色に変わったら売ります。再び収束してくるのを待ち、今度は青色なので、買います。売りと買いの合計で、150pipsの利益が得られました。
NZDUSDの15分足チャートです。
直近安値割れから下落してくる所で、メイン線が桃色から赤色に変わっているので、売ります。48pipsの利益が得られました。
<5分足>
GBPUSDの5分足チャートです。
直近安値割れと、インジケータのグラフが赤色に変わったので、売ります。50pipsの利益が得られました。
<1分足>
EURAUDの1分足チャートです。
1分足などの短期時間足でも、有効に機能していることが確認できます。この例では、1分足で40pipsの利益が得られています。
1分足でも有効なので、スキャルピングやデイトレードにも応用ができます。バイナリーオプションのトレーダーの方にも、利用できるインジケータになっています。
8. 活用事例(NK225への利用)
日経225先物(NK225)は、日経平均株価指数を対象としてトレードするものです。NK225の利点は、取引単位がラージ、ミニ、マイクロとあり、少額の資金でも取引が行えることです。マイクロに対応している証券会社は、松井証券、楽天証券などがあります。
マイクロですと、1枚取引を行うのに必要な証拠金が2万円強程度です。従って、数万円の資金からでも、NK225の取引が開始できます。マイクロ1枚の買いポジションを建てた場合、日経225指数が100円上がると、利益としては10倍の1000円が得られます。取引手数料として片道11円程が必要になりますが、総資金に対する利益率を考えると、かなり効率の良いトレードができることになります。
上半分は、NK225のチャートに「天底225インジケータ」を導入したもの、下半分は、本インジケータでグラフを表示したものです。
上昇トレンドが終わり、トレンド転換して下落が始まったタイミングです。本インジケータのグラフ(メイン線)は、ずっと青色または桃色でしたが、グラフが収束して底を打ってから反転、色が赤に変わってきました。ここが、売りの絶好のポイントです。無理なく100円の値幅を獲ることができました。(ただし、1分足トレードなので、利益になったら即利確というのが原則です。)
本インジケータは、トレーダーの「強力なサポートツール」となることでしょう。
9. 活用事例(上昇トレンドの継続/終了を予測する)
上昇トレンド途中の押し目の位置では、インジケータのグラフがV字の谷を描きます。この谷の位置に注目することで、トレンドがまだ継続するのが、そろそろ終わるのかを予測することができます。
上の図は、AUDJPYの1時間足チャートです。
グラフが底に近づいてから、反転上昇、カラーも赤から青に変わったところが、買いのポイントです。その後、AUDJPYは、綺麗な上昇トレンドを継続しています。上昇途中の押し目の位置に対応して、インジケータのグラフがV字を描いています。このV字の位置に着目します。V字の位置を白丸で囲って、番号1~4を付けました。強い上昇トレンドが続いている時は、押し目になっているV字の位置が、下まで下がってきません。白丸1より白丸2、白丸3の方が高い位置になっています。白丸4は、白丸1よりも下なので、そろそろ上昇トレンドの力が弱くなってきていることが示唆されます。
ローソク足の方向と、インジケータの方向が逆になるダイバージェンスも発生しています。
次にインジケータのカラーが青からピンクに変わった時点で決済すれば、トレンドが終わる絶妙のタイミングで利確することができます。このインジケータを上手く使えば、トレンドの初動から、終了までの全幅を獲ることも可能になります。
10. 活用事例(バイナリー1分足)
USDJPYの1分足です。
使い方は、インジケータのメイン線が2本の移動平均線より上に位置している時に限り、青なら買いで、赤なら売りでトレードをするだけです。1分後に判定という超短期のトレードになりますが、18勝7敗で、勝率は72%になりました。(よくあるバイナリーの勝率表示にすれば、1マーチンなら勝率92%です。(笑))たまたまこうなっただけかもしれません、長期のバックテストは行っていません。しかし、1分足などの短期時間足でも、本インジケータが十分機能するという一事例としてご提示させていただきました。
11. Ver2.00での変更点について(補足)
Ver2.00では、矢印表示およびアラート、メール送信の機能が追加されました。
※メールの設定について
MT4の ツール → オプション → E-メール
これは、Yahoo mailの例です。
まず、一番上にあるチェックボックスの有効にするにチェックを入れてください。
SMTPサーバー名は、Yahoo mail なら、 smtp.mail.yahoo.co.jp:465 と入力してください。Yahoo mail 以外の場合は、お使いのプロバイダーの送信メール設定条件に従ってください。
SMTPログインIDは、Yahoo mailのID(@OOOOO.co.jpの前の部分)をそのまま入力してください。
SMTPパスワードは、mailのパスワードを入力してください。
発信元と送信元は同じアドレスでも構いません。(例えば、my_address@yahoo.co.jpと入力します。) 入力が完了したら、一番下のテストボタンを押してみてください。ご自分のメールアドレスに件名:Test message、本文:This is a test message.のメールが届いていたらOKです。
※閾値ラインの表示
閾値を点線の水平線で表示するようにしました。
TH + WIDTH の位置に、水平線が描かれます。THは、デフォルトで5、WIDHTはデフォルトとで1なので、6の位置に水平線が描画されます。この値は、インジケータの過去数値の最大値に対する%に相当するものと考えてください。
インジケータの数値が、閾値ライン割って、ゼロラインに近づいてから、反転上昇する所に、矢印を表示します。閾値が小さいほど、矢印の出現数は減ります。逆に閾値を大きくすると、矢印の出現数は増大します。
デフォルトでは、THが最大値の5%になっているので、かなり厳しい設定になっています。必要に応じて、10,20などに変更して頂いて構いません。THを変更すると、それに応じて水平線の位置も変更されます。
TH=5の例、上向き矢印が出ていません。
ゆっくり上がる上昇トレンド部分ではトレードせず、急落する下降トレンド部分のみでトレードを行って、大きなpipsを得るというトレードスタイルになります。
TH=10の例、上向き矢印が出現
TH=10ですと、上昇トレンドの後半の、やや急角度に上昇する部分からも利益を得るというトレードスタイルになります。
TH = 20の例、さらに多くの上向き矢印がでます。上昇トレンドの押し目買いをするのなら、こちらの方が良いかもしれません。
相場状況とトレードスタイルに応じて、適宜THの値を変えてみてください。デフォルトでは、厳選したポイントだけ矢印が出るような設定になっています。
本インジケータは、トレーダーの皆様の「強力なサポートツール」となることでしょう。
12. バージョンアップ履歴
<Ver1.00> 2024/03/17
初期開発バージョン
<Ver2.00> 2024/08/30
矢印の表示とアラート、メール送信機能を追加しました。
<Ver3.00> 2024/09/02
移動平均線が描画されないというバグを修正しました。
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