残高レポートはこう見る!2タイプから読み解くEAの運用
前回に続き残高グラフを見て行きます。
今回は過度に最適化タイプと心理的に辛いタイプです。
過度に最適化(カーブフィッティング)されたタイプ
大変トゲトゲしたグラフです。
EA作成時に極端な最適化を行うと、この様に残高が乱高下し方向性の見えないトゲトゲしたグラフになります。
また、後半は右肩上りなのか解りにくいグラフです。
この様なグラフは、始点と終点に直線を引くことで残高の推移が解りやすくなります。今回はペイントで線を引きましたが、普段は透明な定規を使っています。
前半は引いた線より上に残高があり好調ですが、後半は横ばいなのが見て取れます。
数量は増加していますので複利型と思われますが、真ん中から後半は増加傾向がみられない事からも、後半の残高が増えていないことが裏付けられます。
過度の最適化をされたEAは運用すると利益を生み出せません。
過去の一定の期間でいかに利益を出せるかを追求した結果であり、方向性が定まらないからです。
トゲトゲした乱高下のあるグラフは最適化を疑い別の期間のグラフを見てみましょう。
心理的に辛いタイプ
初めの残高グラフと比べると取引回数は同等ですがこちらはトゲトゲ感がありません。
途中から残高の伸びが良くなっているので複利型の様に見えますが、数量が表示されていませんのでロット数は固定のようです。
こちらも解りにくいグラフですので、先程と同じように始点と終点に線を引きました。
前半はだらだらと少しずつ残高が減っていきますが、後半は増加傾向にあるのが解ります。
残高チャートの横軸はオーダー単位ですので、時間軸と同じではありません。
途中垂直に急増している点が3か所ほどあります。垂直に上昇するラインは一回の取引で大きく稼いだことになります。ポジションを長期間持っていたのでしょうか。
よく見ると垂直の上昇はありますが、垂直に急降下しているところは見当たりません。
これはトレーリング・ストップ系のシステムを採用している可能性があります。
適切な幅のトレーリング・ストップを使う事は利大損小になやすく、この様に一回の取引で大きな利益を得ることができます。
グラフからリスクも読み解く
このEAはおそらく、単利のトレーリング・ストップ採用のタイプです。最終的に利益を出しています。そして残高グラフ後半の伸びは魅力的です。
しかし、もし運用してこのグラフと同じ動きをしたとしたらどうなるでしょうか。
前半の残高減少時期をイメージして下さい。毎日残高が減少していくことに耐えられるでしょうか。
後半増えるかどうかはこの時点ではわかりません。
私の場合三か月程度は様子を見ますが、それ以上残高が初期証拠金を下回る場合は止めてしまうでしょう。
運用開始前は、グラフを見ながら途中経過をイメージし、 どれくらいの期間資産が減少するか、どれくらいの金額の資産減少があるか、 そういった心理的なリスクの面も考えながら分析しましょう。
よろしいですか?