激動の予感!2019年第1四半期の為替相場[太田二郎]
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太田二郎さんプロフィール
おおた・じろう。FXストラテジスト。1979年にザ・ファースト・ナショナル・バンク・オブ・ボストン東京支店にてFX取引を始める。後にマニュファクチャラーズ・ハノーバー・トラスト銀行、BHF銀行、ナショナル・ウエストミンスター銀行、ING銀行で法人向けの為替取引に従事、その後、リテールFXに従事し、米国のGFT東京支店で営業、後にマーケット・ストラテジストを経験、現在は個人投資家として活躍。
※この記事は、FX攻略.com2019年3月号の記事を転載・再編集したものです。本文で書かれている相場情報は現在の相場とは異なりますのでご注意ください。
変わらぬ米国の対中圧力
トランプ大統領の強硬姿勢は変わらず、景気低迷を意識した米金利の上げ渋りも一時的で結果としてドル高が復活の兆しをみせています。トランプ政権は中国との貿易不均衡の是正を目指しながら、一方では中国の通信機器最大手、華為技術(ファーウェイ)の製品排除など安全保障を意識した対中政策を続けています。
米国の保護主義的で自国最優先の通商政策の弊害が世界的な成長鈍化を招くリスクが危惧されますが、仮に景気後退に陥った際の金融施策に関しては2016年12月の0.50~0.75%から2018年9月の2.00~2.25%まで計8回の利上げを実施済みの米国に分があり、他の主要国は非常に限定的としか言いようがありません。
12月1日に米中首脳会談で結ばれた米中貿易戦争の90日間停戦合意は、3月1日で終了しますが、米国は通商問題で手綱を緩めることは考え難く、米中対立など通商摩擦の激化懸念もあり、2019年リセッションのリスクもないとは言い切れません。それが米連邦準備制度理事会(FRB)の利上げ方針の変化へと結びつき、ドル相場への影響は避けられそうにありません。
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