板情報の見方・読み方・使い方〜板読みを覚えてワンランク上の投資家を目指す!|第3回 「歩み値」の読み方と活用方法[大西洋平]
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大西洋平(おおにし・ようへい)さんプロフィール
金融ジャーナリスト。出版社勤務を経て95年に独立し、マネー誌やビジネス誌、週刊誌などに金融経済分野を中心とした記事を寄稿。市場の最前線で活躍中のアナリストやストラテジスト、さらに上場企業トップの取材も多数手掛ける。FXをはじめ、金融取引全般に精通。
※この記事は、FX攻略.com2019年3月号の記事を転載・再編集したものです。本文で書かれている相場情報は現在の相場とは異なりますのでご注意ください。
実需を表している歩み値の推移に注目
今回は、板情報と共に観察しておきたい「歩み値」の推移にスポットを当てたいと思います。これは、取引の推移を時系列で克明に記したものです。①時刻②出来高③約定値-の3項目で構成されており、何時何分何秒に何株が約定したのかが全て表示されています。
板情報に表示されているのは、あくまで買い手と売り手の希望取引価格とその注文数量であって、確定した事実ではありません。板情報の情勢を見て、指値を変更する投資家も出てくるものです。
大口の投資家の間では、他の市場参加者を誘導する意図で、特定の価格帯に大量の注文を入れておくという動きもうかがえます。誘いに乗ってくればその注文を取り消しつつ、ワナにはまった投資家と反対の売買行動を取って利益を得るわけで、いわゆる“見せ板”です。
その点、歩み値に出ているのは全てが結果であり、揺るぎない事実です。板情報を頼りに買い手と売り手が前述したような駆け引きを繰り広げた上で、結局はいくらで取引が成立して価格がどのように推移していったのかを把握できます。
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