マックス岩本の「ピボット」を理解する その3[マックス岩本]
マックス岩本さんプロフィール
いわもと・けいすけ。「中卒認定テクニカルアナリスト」という異名の通り、アナリスト業界ではまれに見るノー学歴。学歴社会が色濃く残る昨今でも、そんなことがいっさい関係しないFX市場を相手に日々奮闘中。「誰もが気軽にFXを始められる今だからこそ、しっかり勝ち続けられる技術を身につけてほしい」という気持ちで、連載やセミナー講師を務めています。
※この記事は、FX攻略.com2019年2月号の記事を転載・再編集したものです。本文で書かれている相場情報は現在の相場とは異なりますのでご注意ください。
Pivotの傾きと価格の位置関係に注目
ピボットは有用なテクニカル指標ですが、ただ単にラインの突破を根拠に売買判断を行うだけで利益が積み重なっていくほど、単純なものではないことは既にお気付きのことと思います。そこで今回の最終話では、ピボットの真価を発揮し利益をものにするための実践的な活用方法について解説してまいります。
まず、ピボットで見るべきポイントは兎にも角にも前日の中心値であるPivotと価格の位置関係です。価格がPivotを上回って推移していれば買い方優勢の状態を示し、反対にPivotを下回って推移していれば売り方優勢の状態であることが分かり、売買戦略の構築に役立ちます。
Pivotの上位を価格が推移するのであれば買い場を探り、Pivotの下位を価格が推移するのであれば売り場を探ることだけに注力します。このごくごくシンプルな切り分け作業を行うことによって、トレード経験にかかわらず、誰もが簡単に相場を二分することができ、一見ランダムな相場変動を目の当たりにしても売買判断における迷いをなくすことができます(チャート①)。
続いて、注目いただきたいポイントはPivotの傾きです。チャート②はドル円の1時間足チャートで、約1週間の相場変動を示したものです。一定期間にわたって価格が水準を切り下げている場面では、Pivotも階段状に水準を切り下げているのが分かるでしょう。前日の高値と安値、終値の平均値が水準を切り下げ続けるということは即ち方向性は下向きであるということ。もちろん、移動平均線のような滑らかさはありませんが、このようにPivotを通じて数日間の価格変動を対象とした方向性を捉えることもできるのです。
なお、前述のPivotと価格の位置関係も視野に入れて分析することで、短期と中期といった二つの視点から信憑性の高い方向性を見いだすことができます。また、時にはPivotが階段状に推移せず、上下動を繰り返すことがありますが、そのような局面が訪れたときには難しいことは考えず、売り買いが拮抗していると認識し様子見とするのが得策です。
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