元為替ブローカーから学ぶ売買プランの作り方|第22回 三波動の考え方を取り入れたドル円相場分析⑮[浅野敏郎]
浅野敏郎さんプロフィール
あさの・としろう。東短グループの外国為替売買仲介業者である、トウキョウ フォレックス株式会社、さらには、為替取引の世界シェア80%以上を誇るEBS社(現ICAP)等での勤務経験を持ち、1985年のプラザ合意、その後の超円高時代、バブル崩壊、2000年のユーロ統合などの歴史的相場を第一線で経験し、相場観を養う。その後、2社のFX取引会社の創業、プライベートFXファンドのディーラーも経験。現在、投資の学校グループの日刊ブログで執筆を担当。特技の映像編集を活かした分りやすい映像作品の支持者も多い。
浅野敏郎さんが、自身の経験と知識に裏打ちされた売買手法や相場観構築のノウハウを余すところなく教えてくれる本企画。今回も引き続き、直近と今後のドル円相場を読み解いてもらい、その上で最適な売買プランを提示していただきます。
※この記事は、FX攻略.com2019年2月号の記事を転載・再編集したものです。本文で書かれている相場情報は現在の相場とは異なりますのでご注意ください。
週足は自立上昇転換の地合いが整いつつある
まずは週足から見ていきましょう(チャート①)。
前月号の時点で既にR-Sの押し目が出来上がっていた週足は、以降4週間を経ても高値Rと安値Sをどちらにも抜けられず、転換線の対象安値が受動的に切り上がって112.963円へ上昇後は水平に推移していることからも揉み合いだったことは明白です。次週の対象高値はRから翌週高値に移るため、112.805円へと一時的に下落しますが、再び自立上昇へ転じる地合いは徐々に整いつつあります。
一方の基準線は、対象安値がQに移るまでは今後も段階的に受動上昇し、112.139円のQ-Rmidに達することになります。112.432円前後のH-Imid水準は上に転換線、下に基準線を携えて以前より強固で重要なサポート帯域になりそうです。
三波動を追いかける場合、今後はMが起点のM-P-Q-X、M-R-S-X(Xは最大時間)に加え、Oが起点のO-P-Q-X、O-R-S-X、Qが起点のQ-R-S-Xなどを見ていく状況です。O-P-Q-Xは高値R以降の2番天井を付けた陰線週で時間切れとなりましたが、大きく崩れないまま直近週は転換線の上に乗せ返すなど順調に上昇波動を継続しているように見えます。
いずれにしても、M起点の三波動とO-R-S-Xの波動限界時間は少し先ですから、まずはQ-R-S-Xから注目されるタイミングは、翌週と4週後になります。
よろしいですか?