米国の通商政策と米金利の行方[太田二郎]
太田二郎さんプロフィール
おおた・じろう。FXストラテジスト。1979年にザ・ファースト・ナショナル・バンク・オブ・ボストン東京支店にてFX取引を始める。後にマニュファクチャラーズ・ハノーバー・トラスト銀行、BHF銀行、ナショナル・ウエストミンスター銀行、ING銀行で法人向けの為替取引に従事、その後、リテールFXに従事し、米国のGFT東京支店で営業、後にマーケット・ストラテジストを経験、現在は個人投資家として活躍。
※この記事は、FX攻略.com2019年2月号の記事を転載・再編集したものです。本文で書かれている相場情報は現在の相場とは異なりますのでご注意ください。
最近のドル円相場は平均的な水準で推移
米中間選挙も市場の予想通りでサプライズはありませんでしたが、上院はトランプ大統領の共和党が、下院は民主党が勝利したことで、ねじれ現象を危惧する声があります。国内問題から共和党に優先権がある外交政策へと軸を移し、強硬な通商政策により焦点が当てられる可能性を意識せざるを得ません。
ドル円の1987年からの値動きを振り返ると、年末ベース過去5年間平均レートは110.87円、10年間の平均レートは109.82円で、現在の約112~113円台の為替相場は若干ですが円安に位置していることになります。ちなみに1987年から32年間の平均は112.15円で、現在のドル円相場と比較すると歴史的には大きな変化は発生していません。
また、2018年の始値(112.58円)と11月16日現在の終値(112.82円)はほぼ同水準で推移しています。これは2015年始値(120.14円)→2015年終値(120.19円)と似ていて、一年間を通じた安値→高値の値幅は10円~20円近くあるものの、年末には値を戻し大きな変化が見られないのが最近のドル円の特徴ともいえるでしょう。
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