“マーケットの語り部”こと雨夜恒一郎の基礎からわかるファンダメンタルズ講座|第3回 相場の息吹を理解して為替の動きをつかむ
FXでは相場分析にテクニカルを活用する人は多いですが、相場を正確に分析・判断するためにはファンダメンタルズも必要不可欠です。ここでは雨夜恒一郎さんにファンダメンタルズの奥深さと活用方法について解説してもらうので、順張りいっちゃんと共にしっかり学習していきましょう。
講師・雨夜恒一郎
あまや・こういちろう。20年以上にわたって、スイス銀行、JPモルガン、BNPパリバなど、大手外銀の外国為替業務要職を歴任。金融専門誌「ユーロマネー」における東京外国為替市場人気ディーラーランキングに上位ランクインの経歴を持つ。2006年にフリーランスの金融アナリストに転身し、独自の鋭い視点で為替相場の情報をFX会社やポータルサイトに提供中。
受講者・順張りいっちゃん
じゅんばりいっちゃん。双子子育て主婦ケッティーの愛弟子。順張りをこよなく愛し、順張りの素晴らしさを伝えるために活動中。でもたまに逆張りもします。
公式サイト:順張りいっちゃんFX〜リアルトレード大公開〜
※この記事は、FX攻略.com2019年8月号の記事を転載・再編集したものです。本文で書かれている相場情報は現在の相場とは異なりますのでご注意ください。
指標の結果が良くても想定の逆に動くことも
いっちゃん 前回はファンダメンタルズ分析の目的について学ぶことができました。今回はファンダメンタルズを学ぶ意味について教えてもらいたいと思います。まず前回の最後に触れた「相場の息吹をつかむ」についてですが、相場の息吹とはどのようなものですか?
雨夜 相場の息吹とは、重要な材料に対して相場が想定と異なる動きを見せることで、それを重要なポイントと考えます。投資に関わる我々の世代はみんな持っている感覚ですね。為替相場において、ファンダメンタルズが良い通貨がいつも上昇しているとは限らず、また悪い通貨がいつも下落しているとは限らないということです。
いっちゃん 確かに経済指標の結果が良くてもあまり動かないときがあります。
雨夜 それはつまり材料が織り込まれているからです。その他にも、「市場の関心が変わってゲームのルールも変わった」「理由は分からないがヘッジファンドなどの、いわゆるスマートマネーが作戦を変えた」ということが起きたときに、あるニュースで売りの材料が出ても本来ほど売られない、反対に売られるはずの材料が出ているのに上昇してしまう現象が起こります。それがいわゆる「変化の胎動」であって、相場の息吹と呼ばれるものです。これを理解していると、相場が非常によく見えてきます。
いっちゃん 相場の息吹をつかむことで単なるファンダメンタルズだけでは見えない部分を把握できるということですね。
よろしいですか?