2019年06月17日 08時21分:通貨トレード戦略[江守哲氏メルマガより]
GogoJungleが提供している江守哲さんの投資メルマガ「江守哲のリアルトレーディング・ストラテジー」より、今朝配信されたものからほんの一部をご紹介。今回は、ドル円のトレード戦略をご覧ください。
〔CURRENCY MARKET〕 ドル円は上昇。堅調な米小売売上高を受けて円売り・ドル買いが優勢となり、108円台半ばに上昇した。5月の米小売売上高は全体では市場予想を小幅に下回ったものの、変動の激しい自動車・同部品ディーラーを除いた売上高は予想を上回り、4月実績も大幅に上方改定された。これを受けて、米景気に対する過度の先行き不安が後退し、円売り・ドル買いが先行した。また、5月の米鉱工業生産指数が昨年11月以来の大きな伸びを示したこともドル買いを支援した。ただし、FOMCを控える中、政策 決定を見極めたいとの思惑が広がり、その後は狭いレンジ内で小動きとなった。ユーロドルは1.12ドル台前半で推移。18・19日開催のFOMCでは利下げに踏み切らないとの見方が大勢だが、7月の次回会合での利下げの可能性を示唆するかどうかに市場は注目している。また、28・29日に大阪で開催されるG20首脳会議(サミット)で米中が通商交渉を再開できるかにも注目が集まっている。11日現在の投機筋のCME円先物建玉の売り越しは4万5165枚となり、前週の4万4389枚から増加した。ロングポジションは前週比6651枚減の2万0786枚、ショートポジションは5875枚減の6万5951枚だった。再び円売りが強まっている。ユーロは759枚の買いで、8万6792枚の売り越し。ポンドは2961枚の買いで、4万4801枚の売り越しとなっている。
【通貨トレード戦略】 ドル円は見送りします。横ばいでの推移が続いています。この2週間のイベントで大きく動くことになると考えています。その初動をうまくとらえたいところです。108円台半ばでは動きようがないというのが本音です。ただし、テクニカルポイントが徐々に低下してきています。108.90円を超えると上昇に勢いがつきやすくなっています。この点に注目しておきます。FOMCでパウエル議長が7月利下げを示唆できるかどうかが当面のポイントになります。それがなければ、市場の失望は相当なものになるでしょう。短期金利に対して高すぎる FFレートを調整するとの一言があれば、それで十分でしょう。今後は日本の政局やG20サミットが重要な材料になります。特に米中首脳会談でのディールの可能性を見ておくことが肝要です。表面上の電撃的な暫定合意があるかもしれません。そうなると、株高・円安が急速に進むことも十分に考えられます。いまはそのような期待が全くないだけに、想定外の出来事になる可能性もあるでしょう。国内の政局も19日の党首討論が今通常国会のクライマックスのように思われていますが、そこに衆院解散・衆参ダブル選挙が加われば、これは大変なことになります。外交と国内情勢。この2週間はこれらの材料から目が離せません。歴史的な動きになりそうです。これが最大級の楽観的なシナリオです。しかし、そうなった場合でも、賞味期限は7月いっぱいでしょう。今年は8月が鬼門になるとみています。IMM通貨先物市場におけるドルの対G10通貨のロングは金額ベースで321.14億ドルに減少しましたが、なお高水準です。つまり、ドル売りの余地が非常に大きい状況は変わっていません。一方で、ドルは対新興国通貨では32.69億ドルのショートで、これも少し減りましたが、まだまだドルの対新興国通貨ではショートです。この買い戻しが今後は入ってくるでしょう。そうなると、新興国からの資金流出のリスクを考えておく必要があります。これはリスクオフにつながります。結局はクロス円が下げやすい、つまり円高になりやすいといえます。ドル金利の低下観測が強まり、ドルロングの解消が進めば円高につながりやすい状況は今後ますます強まるでしょう。株高基調が続いているうちは、この動きは出づらいといえますが、8月を境に円高の勢いがきわめて強くなるのではないかと考えています。
ドル円の長期トレンドは110.35円です。
ユーロ円は新規でショートとします。長期トレンドは126.10円です。
ユーロドルは新規でショートとします。長期トレンドは1.1430ドルです。
ユーロポンドは見送りとします。長期トレンドは0.8760です。ポンド円は新規でショートとします。長期トレンドは143.90円です。
ポンドドルは新規でショートとします。長期トレンドは1.3045ドルです。豪ドル円はショートを維持します。長期トレンドは82.90円です。
豪ドル/米ドルはショートを維持します。長期トレンドは0.7540ドルです。南アランド/円はロングを維持します。長期トレンドは8.2080円です。
米ドル/南アランドはロングを維持します。長期トレンドは13.4685ランドです。トルコリラ/円は新規でショートとします。長期トレンドは27.44円です。
米ドル/トルコリラはロングを維持します。長期トレンドは4.1975リラです。NZドル/米ドルはショートを維持します。長期トレンドは0.7015ドルです。
米ドル/カナダドルは新規でロングとします。長期トレンドは1.3045カナダドルです。
米ドル/メキシコペソはショートを維持します。長期トレンドは19.1115ペソです。新興国通貨は変動が激しいので、ポジション量は主要通貨の4分の1以下にしましょう。また、無理にポジションを取る必要もないと思います。
『江守哲のリアルトレーディング・ストラテジー』(江守哲)より引用。
今週から月末にかけてFOMCやG20サミットなど重要なイベントが控えています。予想外の材料が出てくる可能性もあるので、注意する必要がありそうです。(編集部)
独自の「グローバルマクロ戦略」分析をお届け
「江守哲のリアルトレーディング・ストラテジー」メルマガ入手方法はこちら!
よろしいですか?