2019年06月25日 人口動態変動に弱い日本の年金制度![杉村富生氏メルマガより]
GogoJungleが提供している杉村富生さんの投資メルマガ「杉村富生投資サロン」より、今日配信されたものからほんの一部をご紹介。
金融審議会の提言(人生100年時代には公的年金だけで暮らすのは無理→リタイヤ後、30年間に2000万円が必要)が物議をかもしています。しかし、これは“常識”です。何をいまさら……といった感じでしょう。政治抗争のタネにするようなものではありません。ここは根本的な問題を議論するべきです。
だって、そうでしょう。国民の多くが「日本の年金制度は早晩、行き詰まり、対応が迫られる」と考えているはずです。日本の国民皆保険制度がスタートしたのは1961年ですが、この時点の65歳以上の人は500万人、平均寿命は67歳でした。それが現在はどうですか。
何と、65歳以上の人は3000万人を超え、人生100年時代です。女性の場合、5人に1人が100歳を超える、といわれています。日本の確定給付型年金は人口動態変動(すなわち、少子高齢化)にからきし弱いのです。それに、高度成長、人口増、インフレを前提にしてきました。現状のような経済環境を想定していません。要するに、受給する人が激増、支える人は減り続けています。それと、自営業、フリーランスの人達が加入している国民年金の月額負担は1万6000円と少ない反面、手取り額は月に6万5000円にすぎません。これでどうやって生活しろと言うのでしょうか。
国民年金は3世代同居(アニメのちびまる子ちゃんスタイル)が基本形なのです。そもそも、単身世帯は想定外なのです。しかし、実際は単身世帯が急増、標準世帯を上回っています。ともあれ、年金だけでは「尊厳ある老後」を迎えるのは困難です。サラリーマンだって、安心はできません。今後は支給金額の減額、支給年齢の繰り下げ(70歳まで働け)など、厳しい現実が待っています。
だからこそ、株式投資を軸に、「自分年金」を作れッと主張しているのです。日本人はなぜか、リスクを極端に嫌うとともに、預金が大好きです。異常と言われるほどの超低金利なのに、個人金融資産の51~52%が現・預金です。これこそが異常ではありませんか。
メガバンクの普通預金金利は0.001%です。100万円だと、1年後の手取り利息は「8円」です。これは「通帳のゴミ」のレベルです。仮りに、預金を引き出し100万円で三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306)の株式を買ったら……。2020年3月期の配当は25円(中間配当12.5円)を予定しています。100万円では2000株買えます。年間配当金は手取り「4万6000円」です。
この差は歴然としています。なにしろ、「8円」対「4万6000円」です。金融審議会が訴えたかったのはこの点ではありませんか。まあ、ここは株式投資です。ビジョナリーホールディングス(9263)は10月末に10対1、NEW ART HOLSINGS(7638)は10月末に20対1の株式併合を行ないます。時価は各38~39円、47~48円の危険な水準ですが、11月には380~390円、840~860円の普通の会社(持ち株は減少)になります。
『杉村富生投資サロン』(杉村富生)より引用。
低金利だからこそ、投資で自分年金を作り出すことが重要と杉村さん。ある程度のリスクを覚悟しつつ利益を獲っていくことが安心な老後を過ごすために重要となりそうです。(編集部)
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