今週は各国中銀の金融政策から米国雇用統計まで、どこまでリスク選好が継続するか試す展開![YEN蔵氏メルマガより]
GogoJungleが提供しているYEN蔵さんの投資メルマガ「リアル・トップ・トレーディング」より、本日配信されたものから一部をご紹介。
【相場観】
注目されたG20サミットと米中首脳会談は無事通過したと見てよいでしょう。おまけに米朝首脳会談というおまけがついたことで週明けはリスク選好の動きでスタートと思われます。 トランプ大統領と習近平・国家主席は29日に会談を行い決裂していた貿易交渉の再開し継続することを決定しました。
首脳会談が不調に終わった場合はトランプ大統領が発動する予定だった中国からの輸入品3000億ドル分の追加関税の上乗せに関しては、しばらくの間これまでの関税は下げずに追加関税は行わないとの決定を下しました。
これに対してトランプ大統領は関税を見送る代わりに、中国はアメリカからの農産物を買うことになると述べ、大統領選を来年に控え中西部の農家の票を取りたいトランプ大統領にとっては成果をアピール内容だったののでしょう。
また習近平・国家主席も10月の中国建国70周年に向けて米国との関係を一時休戦持ち込みたいという意味ではお互いの国内に対するアピールは一応達成できたと見てよいと思います。
ただこれまで米国が問題視していた知的財産権の侵害や中国の国有企業に対する優遇措置を巡る対立は残されたままになっています。この問題が解決しない限りは米中間の貿易交渉の本格的な解決は難しいので、まだまだ道のりは長いのではないでしょうか。
一方で中国通信機器大手ファーウェイについて米国製の許可無く取引をすること禁止する措置に関しては一部の取引については緩和するとの決定があり、このことはよいサプライズとなるのではないでしょうか。
米商務省は5月にエンティティー・リストにファーウェイをくわえました。これは安全保障上の懸念があるという理由で米政府の許可無く米国企業から部品や技術の購入を禁ずる措置です。
今回は米中の和解があるのではないかとの事前観測が流れていました。香港紙のサウスチャイナ・モーニングポストは事前に今回の和解に関する観測記事を発表していました。
マーケットでは今回の結果は交渉継続としては織り込み済みですがファイウェイの件もあり、少なくとも下値はサポートされるのではないでしょか。
しかし先週はブラード・セントルイス連銀総裁は今の時点で0.5%の利下げを行う状況ではないと発現しマーケットの行き過ぎた緩和期待に水を差しました。
今週は5日に米雇用統計の発表があり、前回の弱い数字が特殊要因だったのかどうかが注目されます。米中会談というイベントを通過し、再び経済指標と米国の利下げが注目材料になります。
7月は2日にRBA理事会、25日にECB理事会、29~30日に日銀政策決定会合、30~31日にFOMCが開催されるために中央銀行の金融政策が注目されます。
週明けはリスク選好の流れが継続するものと思われます。米国雇用統計前にどこまでリスク選好の流れが継続するのか試す展開になると思われます。
YEN蔵のリアルタイムメルマガ『リアル・トップ・トレーディング』(田代岳)より引用。
先週末はG20サミットに米中首脳会談が行われ、予測されていたとはいえ、貿易交渉の再開、追加関税見送りの結果となりました。ただし、今後の見通しが難しいことには変わりないようです。今週も米雇用統計を筆頭に重要指標が多く控えています。ファンダメンタルズ分析に重きを置いたトレードが大切かもしれません。(編集部)
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