野中ななみと一人前のトレーダーを目指す!ななみんと学ぶFX 第4回
FX女優である野中ななみさんがトレード成績向上を目指してFXのスペシャリスト山中康司さんからFXで利益を出すために必要な全てを皆さんと共に学んでいきます。今回もファンダメンタルズ分析の基礎について教えていただきます。
※この記事は、FX攻略.com2019年9月号の記事を転載・再編集したものです。本文で書かれている相場情報は現在の相場とは異なりますのでご注意ください。
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【もくじ】陽和ななみと一人前のトレーダーを目指す!ななみんと学ぶFX
山中康司さんプロフィール
やまなか・やすじ。1982年アメリカ銀行入行、1989年バイスプレジデント、1993年プロプライエタリー・マネージャー。1997年日興証券入社、1999年日興シティ信託銀行為替資金部次長。2002年アセンダント社設立・取締役。
公式ブログ:アセンダント/山中康司が提供する為替情報配信サイト
ツイッター:https://twitter.com/yasujiy
野中ななみさんプロフィール
のなか・ななみ。1997年3月17日生まれ。福岡県出身。映画や舞台、CMに出演する傍らラジオNIKKEIではレギュラー番組を持つなどFX女優として活躍中。ブログでは毎日のトレードの様子を更新中です。
公式ブログ:FX女優参上!新進女優ななみんの真剣リアルトレード日記
ツイッター:https://twitter.com/himnas03
金利市場と景気循環の関係
野中 今回も山中先生にFXのファンダメンタルズについて教えていただきます。今回のテーマは「金利」です。よろしくお願いします。
山中 為替市場に最も影響力が大きく重要なものが、金利市場になります。金利は大きく分けて二つあります。一つは短期金利で、もう一つが長期金利です(画像①)。一般的に短期金利は一年まで、一年以上を長期金利と言います。
短期金利の中で最も代表的なものが政策金利です。日本ではずっとマイナス金利が続いていますし、米国などは一時期と比較して政策金利が引き締められています。いわゆる市場の金利をどの程度誘導するかの目標値として政策金利が注目されています。
短期金利は政策金利以外にも1か月や3か月、6か月物の金利もあります。他にはスワップ金利があります。
野中 スワップ金利は、FXでもおなじみですね。
山中 それと重要なのが、短期金利から長期金利までの金利の変化です。例えば、期間が1年、3年、5年、10年それぞれの金利を線で結んだものが「イールドカーブ」と呼ばれています。通常、景気が良いときや正常な状態だと短期金利よりも長期金利の方が高くなります。
野中 どうして景気が良いと長期金利の方が高くなるのですか?
山中 景気循環と金利の関係になりますが、好況期には金利を上昇させて引き締めます(画像②)。要は、金利を上げて銀行からお金を借りにくくします。逆に不況期は緩和します。景気が良いときの中央銀行は景気が過熱するインフレーションを懸念します。ハイパーインフレーションと呼ばれるものもあり、最近ではジンバブエで起こりました。
野中 パンを買うのにも大量の紙幣を持っていかないと買えないと聞いたことがあります。
山中 そのような状況にならないように景気が良くなると金利を上げて、簡単には資金を借りられなくします。反対に金利を低くすると、安いうちにお金を借りて、より利回りが良いものを買おうとする人が増えます。典型的なものが土地です。
野中 投資活動を活性化させるんですね。
山中 そうです。例えば、金利1%で資金を安く借りられるなら、土地の価格が上がるかもしれないと思って買う人が増えていきます。今、豪州や中国では、住宅や土地の価格が高騰しているのですが、そうなると本来は金利を引き締めていきます。
一方で現在の欧州には景気減速懸念があります。本当は2019年の夏以降に利上げをするかもしれないと言っていましたが、直近の欧州中央銀行(ECB)理事会では年内の利上げを断念し、2020年以降に先送りという状況です。
ここで気をつけなければならないのはインフレで、物価がどんどん値上がりすると何が起こるのかです。例えば、金利が5%のときにインフレ率が2%だとするならば、実質的な金利は3%になります。
野中 物価が上がっている分を差し引いているわけですね。
山中 逆に不況期の場合は名目金利が0.1%でインフレ率が-0.5%なら、実質金利は-0.4%という考え方をします。日本は過去デフレの状態がずっと続いていて物価が下がっています。
よろしいですか?