市場は米国の利下げに敏感に。米国株の調整が始まるとドル円の下落圧力が強まる!
GogoJungleが提供している江守哲さんの投資メルマガ「江守哲のリアルトレーディング・ストラテジー」より、今朝配信されたものからほんの一部をご紹介。
〔CURRENCY MARKET〕
ドル円は大幅下落。米利下げ観測の強まりを背景にドルを売る動きが加速し、107円台前半に下落した。NY連銀のウィリアムズ総裁は講演で、政策金利をこれ以上引き下げられなくなる「ゼロ金利制約(ZLB)」の問題に対処するためには「より迅速に金融緩和に踏み切る必要がある」と発言。クラリダFRB副議長もテレビインタビューで、「事態が相当悪化して、劇的な形で利下げに踏み切らざるを得ない時点まで待つ必要はない」とし、早期利下げの必要性を示唆した。FOMCで投票権を持つ高官2人のハト派的な発言を受けて、市場では7 月末のFOMCで0.50%の大幅利下げが行われるとの見方が拡大した。これを受けて、米金利低下で投資妙味の薄れるドルを売って円を買う動きが加速した。また、米海軍の強襲揚陸艦がホルムズ海峡でイランの無人機を撃墜したとの報道も地政学的リスクを意識させる結果となり、安全資産である円買いにつながった。ユーロドルは1.12ドル台後半に上昇した。この日のドルは幅広い通貨に対して下落した。ポンドドルも上昇し、1.25ドル台を回復し、豪ドルやNZドルも対ドルで上昇した。 一方、韓国やインドネシア、南アフリカなどの中央銀行が、18日に相次いで政策金利を引き下げた。米中貿易摩擦の影響などで世界経済に先行き不透明感が強まっていることが背景にある。月末の米国の利下げが確実視される中、新興国は急激な自国通貨高を抑制するために先手を打つ狙いがあるとみられる。韓国の中銀は、主要政策金利を0.25%引き下げ1.5%とした。インドネシアも0.25%下げ、5.75%とした。南アは0.25%、ウクライナは0.5%、それぞれ金利を引き下げた。
【通貨トレード戦略】 ドル円はロングを解消します。結局は下げました。株安が原因です。いずれこうなることがわかっていましたが、その事実を確認するまでポジションを維持する方針でしたので、これはこれでよいでしょう。再現性のあるトレードを行うことは肝要です。これで下げ基調に向かい始めました。ただし、106.80円前後を割り込むまでは、もう少し様子を見ます。今日は日本株に買い戻しが入る可能性があります。その場合には、いったん戻す可能性もあるでしょう。とはいえ、それはあくまで時間稼ぎの動きにしかならないでしょう。最終的には円高方向でしょうから、そのトレンドがより明確になるまで慌てずに機会を待つことにします。 FRB関係者の発言で、7月末のFOMCでの利下げ確率が100%を維持しています。さらに、0.50%の利下げの確率も49.3%にまで上昇しています。現実的には0.25%の利下げにとどまるでしょうが、市場はかなり敏感になっているように見えます。しかし、期待先行となれば、やはりそれは行き過ぎとの判断になるでしょう。今後、米国株が本格的に調整し始めると、ドル円はさらに下落圧力が強まるでしょう。そのタイミングもきわめて重要ですので、注意深く見ていきたいと考えます。 これまでのきわめて低いボラティリティの状況は、8月に入ると急激に高まりそうです。その前哨戦的な動きがいま見られている可能性があります。繰り返すように、今年8月が第2の鬼門になるとみています。来週以降の市場動向にはこれまで以上に注意が必要と考えています。リスクオフになった場合、ドル円の下落は不可避ですので、リスク資産の売却の動きに注意しておきたいところです。円高基調が鮮明になった場合には、年末まで最大で96円までの下げの可能性があるとみています。
投資戦略対象の通貨ペアを変更します。新興国通貨は変動が激しいので外します。 主要通貨のペアを主体的に行うようにいたします。 対象は円、ユーロ、ポンド、豪ドル、NZドル、カナダドルとします。 いまはカナダドルやNZドルが最強通貨になっています。
ドル円:なし
ユーロドル:なし
ポンドドル:ショート
豪ドル/米ドル:新規でロング
NZドル/米ドル:ロング
米ドル/カナダドル:ショートユーロ円:新規でショート
ポンド円:ショート
豪ドル円:ロング
NZドル円:ロング
カナダドル円:手仕舞い売りユーロポンド:ロング
ユーロ豪ドル:ショート
ポンド豪ドル:ショートユーロNZドル:ショート
ポンドNZドル:ショートユーロカナダドル:ショート
ポンドカナダドル:ショート
豪ドルカナダドル:ショートを解消し、新規でロング
NZドルカナダドル:新規でロング
『江守哲のリアルトレーディング・ストラテジー』(江守哲)より引用。
新興国ではすでに利下げが行われるなど、予想以上に世界経済の不安感が高まっているようです。米国でも利下げが確実視されているだけでなく、イランとの政治的リスクが表面化しました。円高を警戒したおいた方が良さそうです(編集部)
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