先週の米経済指標はまちまち、本番は30~31日のFOMCでの動きか[YEN蔵氏メルマガより]
GogoJungleが提供しているYEN蔵さんの投資メルマガ「リアル・トップ・トレーディング」より、今朝配信されたものから一部をご紹介。
【相場観】
方向感が定まらない中で、米国株が3市場揃って史上最高値まで上昇後調整したことで、世界的に株価が下落しましたが、週の安値の木曜日からは反発し手終了した週となりました。 株価の下落を受けてドル円は下落するなど一部のクロス円が下落しリスク回避の動きも見られました。
ただユーロは25日のECB理事会で利下げあるいは利下げ示唆の思惑から下落、ポンドは22日の英保守党選挙を控え合意なき離脱懸念から下落、一方で雇用統計でフルタイム雇用が増加した豪ドルやニュージーランドドルは上昇しました。
また南アフリカランド、トルコリラ、ロシアンルーブルなどの新興国通貨も対ドルで上昇しました。世界的に株価は6月3日、4日に安値をつけた後は反転し6月末のG20,米中首脳会談で上昇が加速しましたが、日欧はそこが高値となり揉み合い下落、米国も今週高値まで上昇しましたが小幅に下落して終了しました。
先週の米国指標もまちまちの結果になりました。ここのところ強い指標が多く、15日に発表されたニューヨーク連銀製造業景況指数が4.3と強い数字だったことに続き、18日発表のフィラデルフィア連銀製造業景況指数は21.8と前月の0.3、予想の5を大きく上回りました。小売売上高も0.4%と強い数字でしたが、住宅着工、住宅建設許可は弱い数字となりややまちまち結果となりました。
このように強い数字が出ている中で30~31日の利下げ派0.25%が100%織り込まれていますが、一部に0.5%の思惑もあります。
今週はまずECB理事会が行われます。今回は据え置き予想ですが、ここで次回利下げの流れなどハト派的な姿勢を示すのか。その場合に株式マーケットのサポート材料になるのかどうかに注目しています。
米国株が上昇してもドル円が107円台だと日経平均の戻りは弱くむしろ下落することもありました。ドル円、ユーロ円も上値が重く日経平均は金曜日は反発しましたが、21000円、107円を割るような局面があればリスク回避の動きが加速するものと思われます。
ここからECB、FOMCまでは21000円、106.50円を維持できるかどうか重要なレベルになります。
本番は30~31日のFOMCでの動きだと思います。ここでマーケットが好感すれば株高、ドル円、クロス円も反発となるでしょう。ただそれまでは株価が重くなり、上値が限定的な動きになるのではないでしょうか。
基本的には戻り売りのスタンスで、21000円、106.50円が下抜けしなければレジでの動きが継続するものと思われます。【ドル円の材料と予測】
先週のドル円は107.96オープン、107.69クローズで0.25%の下落となりました。
16日は6月米小売売上高が前月比0.4%と予想の0.2%を上回り、自動車を除くコア売上高も前月比0.4%と予想の0.1%を上回ったことで108.38と週の高値まで上昇しました。その後トランプ大統領が中国に追加関税を課すことは可能と述べたことで株価が下落、パウエルFRB議長が不確実性が高まっており適切に行動すると改めて利下げを示唆する発言をしたことでドル円は下落しました。17日は6月の米住宅着工が125.3万件と予想の126万件を下回り、住宅建設許可件数も122万件と予想の130万件を下回ったこと、IMFが短期のファンダメンタルズからドルは6~12%過大評価されていると指摘したことで108円割れに下落しました。
18日は日経平均が400円超下落したことで107.60付近まで下落しましたが、7月フィラデルフィア連銀景況指数が21.8と予想の5を上回ったことで108円台を回復しました。しかしウィリアムズNY連銀総裁が、金利とインフレが低水準にあるときは問題が表面化することを待つ必要は無いと発言したこと、クラリダFRB副議長は事態が悪化して劇的に利下げに踏みきらざるえなくなるまで待つ必要は無いと発言したことで、ドル円は107.21まで下落しました。
その後ウィリアムズ総裁の発言は学術的な問題で次会FOMCの見解を述べたものではないとの発言でドル円は107円台中盤に反発しました。日経平均も400円超の上昇と前日の下落分をほぼ取り返しドル円は107円台後半に上昇しました。
先週の米10年債利回りは2.018%がそこで2%をきることはありませんでした。2%を割れるような金利の低下は無く、そのことはドルを支えました。
しかし日本株は戻りが弱く、日経平均は米国株が上昇しても107円台を嫌気して21700~800円付近がレジスタンスになり先週は一時21000円を割れました。そのことがさらにドル円の上値を重くする悪循環です。107.76が週間ピボット、108.30が週間ピボットのレジスタンス1、107.14が週間ピボットのサポート1、このレンジが予想されます。108.30が上抜け出来れば一目均衡表の雲の下限の108.80付近、週間ピボットのレジスタンス2が108.93なのでこのレベルへの上昇の可能性があります。
今週からは日本企業の決算発表も本格化し決算次第の動きになりますが、21000円をした抜けするような局面では107円を試す可能性があります。その場合は前回安値106.75、週間ピボットのサポート2の106.59付近への下落と思われます
YEN蔵のリアルタイムメルマガ『リアル・トップ・トレーディング』(田代岳)より引用。
YEN蔵さんが述べられているように、今週はECB理事会が行われる他、主要国のPMI、米国四半期GDPの発表などがあります。FOMC前の重要経済指標なので注目しておきましょう。(編集部)
よろしいですか?