月並みながら、次の通貨危機は?[太田二郎]
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太田二郎さんプロフィール
おおた・じろう。FXストラテジスト。1979年にザ・ファースト・ナショナル・バンク・オブ・ボストン東京支店にてFX取引を始める。後にマニュファクチャラーズ・ハノーバー・トラスト銀行、BHF銀行、ナショナル・ウエストミンスター銀行、ING銀行で法人向けの為替取引に従事、その後、リテールFXに従事し、米国のGFT東京支店で営業、後にマーケット・ストラテジストを経験、現在は個人投資家として活躍。
※この記事は、FX攻略.com2018年8月号の記事を転載・再編集したものです。本文で書かれている相場情報は現在の相場とは異なりますのでご注意ください。
予想外にドル高、米金利高相場が続く
アジア通貨危機から21年、リーマン・ショックから10年、「バーナンキ・ショック」から5年を経た今、米国経済は大型減税と歳出拡大で財政支出は拡大傾向にあり米金利の上昇は止まらず、年内あと2~3回の利上げの可能性が残っています。
米10年債利回りは節目の3.0%を4月に上抜け2011年8月の3.22%を目指し、米2年債利回りは2.5%の大台と、2008年8月のリーマン・ショック直前の水準に達しています(チャート①、チャート②を参照)。
為替相場は予想外にドル高へと動き、アルゼンチンやトルコなどの一部の新興国通貨は通貨防衛策や利上げにもかかわらず最安値を更新しています。主要通貨は個別の材料もあり、今年に入ってユーロドルは1.2555→1.1750へと805ポイント(約6.4%)下落、ポンドドルは1.4377→1.3457へと920ポイント(約6.4%)下落。豪ドル米ドルは0.8136→0.7412へと724ポイント(約8.9%)下落とドルの強さが目立っています(2018年5月18日現在)。
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