元為替ブローカーから学ぶ売買プランの作り方|第14回 三波動の考え方を取り入れたドル円相場分析⑦[浅野敏郎]
浅野敏郎さんが、自身の経験と知識に裏打ちされた売買手法や相場観構築のノウハウを余すところなく教えてくれる本企画。今回も引き続き、直近と今後のドル円相場を読み解いてもらい、その上で最適な売買プランを提示していただきます。
※この記事は、FX攻略.com2018年6月号の記事を転載・再編集したものです。本文で書かれている相場情報は現在の相場とは異なりますのでご注意ください。
浅野敏郎さんプロフィール
あさの・としろう。東短グループの外国為替売買仲介業者である、トウキョウ フォレックス株式会社、さらには、為替取引の世界シェア80%以上を誇るEBS社(現ICAP)等での勤務経験を持ち、1985年のプラザ合意、その後の超円高時代、バブル崩壊、2000年のユーロ統合などの歴史的相場を第一線で経験し、相場観を養う。その後、2社のFX取引会社の創業、プライベートFXファンドのディーラーも経験。現在、投資の学校グループの日刊ブログで執筆を担当。特技の映像編集を活かした分りやすい映像作品の支持者も多い。
もみ合い放れの前提とは異なる動き
先月号では、ドル円相場が新たな展開を見せたことに触れました。
その根拠として、2017年のほとんどを費やしたもみ合い相場の安値K(107.32円前後)を割り込んだことで、トランプラリーの高値Jから始まる下落が再開された可能性があったからでした。その後の相場は、おおむねもみ合いながらも下値を伸ばす形で徐々に水準を切り下げ、104.63円前後の安値をつけている状況です。
前号から約4週間が経過した週足直近4本の値動きは、高値107.90円から安値104.63円と3円強にとどまり、ローソク足もKを割り込んでからは陰陽を交互に繰り返すなど方向感に乏しい展開になっています。
先月の段階における売買プランでは、下値の目処を103.40円として107.20円のドルショートを維持することを選択しましたが、もしうまくいくのであれば、この約1か月間は、細かい上下動を狙った方が、トータルの値幅は取れていたかも知れませんね。もみ合いを放れた前提とは異なった値動きをしていること自体、一種の矛盾が発生していることにもなりますから、ある程度は慎重に対応する必要があることを心に留めておきたいと思います。
よろしいですか?