天然ゴム、年初来高値更新を目指す[佐藤りゅうじ]
佐藤りゅうじさんプロフィール
さとう・りゅうじ。1968年生まれ。1993年米大卒業後、マーケティング会社を経て、金融・投資全般の情報ベンダー、株式会社ゼネックス(後の株式会社オーバルネクスト)入社。マクロ経済分析をはじめ、為替、商品、株式市場のアナリストリポートの執筆、トレードに携わる。2010年より「エイチスクエア株式会社」を起業、アナリストレポート等を執筆、「FOREX NOTE 為替手帳」等の企画・出版を行う傍ら、投資関係のラジオ番組キャスターを務める。個人トレーダー。国際テクニカルアナリスト連盟・認定テクニカルアナリスト。ラジオ日経「ザ・マネー ドイサトの相場予測」(月曜15:00〜)メインキャスター。
公式サイト:佐藤りゅうじブログ
※この記事は、FX攻略.com2020年1月号の記事を転載・再編集したものです。本文で書かれている相場情報は現在の相場とは異なりますのでご注意ください。
年初来高値を越える210円を目指すか?
2019年12月号で、当先のサヤ関係が上昇を示唆していると述べた天然ゴム相場ですが、その後に23%超も上昇しています。需給関係にも変化の兆しがあり、ここから一段高の可能性もありそうです。今号では、年初来高値を試す勢いをもって上昇しているゴム相場の今後を占っていきたいと思います。
まず、2019年の天然ゴム相場の大きな流れを東京ゴム先限の日足チャート(呼び値1キログラム)を見ながら簡単に振り返りましょう(チャート①参照)。一見して分かることは、3月4日の209.5円(年初来高値)と6月7日の高値207.9円でダブルトップが形成されていることです。3月4日までの上昇の背景には、天然ゴムの価格低迷対策として昨年11月に生産国の輸出削減が決定されたことがあります。実際に輸出削減が始まったのは今年4月からですが、このときには既に織り込まれ下落していました。その後、エルニーニョ現象による減産の懸念から6月に再度地合いを引き締めましたが、その後は生産が回復したことからジリジリと値を削りました。また、米中貿易摩擦の影響から自動車タイヤを筆頭に天然ゴム需要が減速するとの見方も広がり、10月3日には昨年11月以来の安値となる154.3円まで下落しました。
そして、ここから反騰が始まり11月26日には192.5円まで上昇しました。8週間弱で約40円もの急騰です。その間、押しらしい押しもなく一本調子で上昇し、週足では11月22日時点で7週連続高となっています。このまま上昇を続けると、上記した年初来高値209.5円を試す可能性もありそうです。
よろしいですか?