初めてのEA選び!EAの推奨証拠金の計算方法
◆はじめてのMT4 EA 目次◆
1. はじめてのEA選び~EAの推奨証拠金の計算方法と初心者に優しいEAはコレ!←ココ!
2. スプレッド・スワップ・約定力で比較するMT4口座
3.FX自動売買サービスの種類とMT4EAとの違い
FX自動売買を使ってみたいんだけど、沢山ありすぎてどれがいいのか迷うなあ…
MT4EAのことなら、僕に任せて!EA運用について色々質問にこたえるよ。
たとえば、毎月2~3万お小遣いが欲しいんだけど、
そういうのって可能なの?
うーん…月2万円を稼ぐには、1万通貨運用の場合だと200pips勝たないといけないよ ね。
不可能ではないけれど、それなりの資金が必要になってくるよ。
もし、100万円の資金があったなら、10万通貨で月20Pips 勝てばいいんだから、より現実的になるね。
いきなり100万円を用意するのはちょっと…。
30万円くらいからでも始められるものってある?
もちろんあるよ。たとえばドル円0.1ロットを保有するのに必要な証拠金は大体 4.5万円だから、あとは損失の許容金額をどれくらいにするかによって初期口座資金が変わってくるよ。
最大保有1ポジション のEAであれば、10万円くらいから運用できるEAがあるよ。
ただ10万円からだと、月2~3万を稼ぐのはリスクが高いかもしれないから、まずは推奨証拠金の考え方と、その資金でどれくらいのリターンが見込めるのかっていうのを予測できるようになるといいね。
推奨証拠金の考え方は、EAの場合はバックテストで最大ドローダウン(過去の期間のシミュレーションにおいて、口座資金から最大でどれだけの損失が出たかというもの。金額と%で出る。)というのがわかるから、そこから
<必要証拠金>+<最大ドローダウン金額>+アルファ
の 口座資金を準備する必要があるよ。
Point!
EAの運用資金(推奨証拠金)は、保有する通貨ペアの証拠金+最大ドローダウン×2程度が必要。
そういえば、ゴゴジャンのEA販売ページには「推奨証拠金」
が載っているけど、これは先ほどの計算式から求めたものなの?
そうそう。ゴゴジャンの推奨証拠金は
(必要証拠金)+(最大ドローダ ウン×2)
で算出されているよ。ただ、販売ページ上の推奨証拠金額は、Totalの運用ロット 数や最大ドローダウンに大きく左右されるから、何 ポジションのEAなのか、そして何ロットで運用しているのか、概要で確認するといいよ。
注意したいのは、複利運用のEAだね。複利運用は口座資金量に合わせて保有ロットを 変えるEAだから、資金が大きくなるにつれて保有 ロットも大きくなり、その結果推奨証拠金も大きくなるからね。
じゃあ、推奨証拠金はあんまり当てにならないんだな…
ロットを変えたり、レバレッジが違う口座で運用する場合は
どうやって計算したらいいの?
そうだね。EA運用をする前に気になるのが「このEAを安全に運用するには、一体いくら必要なのか?」だよね。必要な要素を押さえれば、結構簡単にわかるようになるからよ~く注意して聞いてね!
てっとり早く儲けたいと思ったけど、そう簡単にはいかないか・・・
大丈夫!ますは簡単にEAの成績の見方と、推奨証拠金の計算方法を教えるね。
EAのフォワード成績の見方や、バックテストの見方は詳しくはココにあるからチェックしておいてね。
EAの成績の見方と用語解説
※最低限、成績の見方や単語は理解しておこう!
名称 | 説明 |
---|---|
収益 | 期間中の合計損益 |
収益率(全期間) | 収益÷推奨証拠金 |
推奨証拠金 | (建玉に必要な証拠金)+(期間中最大ドローダウン×2)※1 |
プロフィットファクター | 総利益÷総損失 ※2 |
最大保有ポジション数 | 期間中の最大保有ポジション数 ※3 |
リスクリターン率 | 期間中損益の合計÷最大ドローダウン |
最大ドローダウン(%) | 期間中の最大含み損÷口座資金 ※4 |
平均利益 | 1回の取引における平均勝ち金額 |
最大利益 | 期間中の1回の取引における最大勝ち金額 |
平均損失 | 1回の取引における平均負け金額 |
最大損失 | 期間中の1回の取引における最大負け金額 |
口座残高 | 現在の口座残高 |
初期額 | 運用開始時の初期口座残高 |
含み収益 | 現在保有中の含み損益 |
通貨 | 運用口座の通貨 (円建てまたはドル建て) |
※1 推奨証拠金について
GogoJungleの推奨証拠金の計算は、最大DDが余剰資金の50%程度になることを想定して算出されています。
推奨証拠金額は保有ポジション数やロット数によって変わるため、フォワード運用のロットやポジション数を確認ください。
また、推奨証拠金はナンピンEA(複数ポジションを取るEA)、マーチンEA(1ポジション目よりも2ポジション目のほうが枚数を多くとるEA)は、運用期間が短い場合は推奨証拠金が少なく見えますが、運用期間が長くなり保有ポジション数や保有ロットが増えていくと推奨証拠金も増えていきます。
※2 プロフィットファクター(PF)について
一般的にはPFが2以上(利益:損失=2:1)あると優れていると言われています。1を割ると、取引を行うごとに損失が膨らんでいきます。
PFが高いほど安定した利益の獲得が見込めますが、高ければ良いというわけでもなく、高頻度取引を行うEAなどの場合はPFが1.2程度でも回数で利益を積み上げていくので、EAの取引頻度や勝率によってPFを参照するとよいでしょう。
また、プロフィットファクターが0(ー)の場合、勝率が100%であるか、まだ損切にあっていないナンピン系EAであることがあります。
※3 リスク・リターン率について
リスク・リターン率が高いほど、少ないリスクで大きな利益を得ることが出来ます。
リスク・リターン率が高くなるEAの特徴としては、ストップが小さい、ポジション数が少ないということがいえます。
目安としてはリスク・リターン率が1.0を下回ると「期間中の運用利益よりも最大ドローダウンのほうが大きい」ことになるので、大きなリスクを抱えながら運用することになります。
※4 最大ドローダウンについて
運用期間中の最大含み損のことをいい、SL(ストップロス)の大きいEAや同時保有ポジション数の多いEAほど最大ドローダウンも大きくなります。
単利運用でStop Loss(損切)のあるEAの場合は保有ポジション数×ストップロスPips×ロット数で最大ドローダウンが予測できますが、損切をしないナンピンマーチン系のEAはフォワード期間によって最大ドローダウンも変動することに注意してください。
もっと詳しく!EAの推奨証拠金の計算方法
推奨証拠金の計算に必要な要素は、以下の通りです。
1)運用する通貨ペアの0.1ロットあたりの必要証拠金
2)EAの最大保有ポジション数
3)参照する期間のバックテストにおける最大ドローダウン(額)
その他、運用上の要確認事項
1)運用するFX会社のMT4は両建て可能か、その場合の必要証拠金は片側分のみになるか、それとも両方に証拠金がかかるか。
2)ストップレベルの有無
推奨証拠金の計算式(0.1ロットあたり)
(通貨ペアの必要証拠金×最大保有ポジション数)+(0.1ロットあたりの最大ドローダウン額×2※)
※余剰証拠金の50%までは含み損があっても大丈夫、という場合。これは人によりますが、25%、30%とする場合もあります。
0.1ロットでバックテストがされているEAが多いため、0.1ロットでの運用に必要な推奨証拠金の計算をまずはしてみましょう。
1)必要証拠金の計算方法
必要証拠金とは、例えばドル円を1万通貨(0.1ロット)注文する場合に必要な担保金のことです。通貨ペアごとに証拠金額は変わりますので注意してください。
ドル円・クロス円の場合
約定レート × 取引数量 ÷ レバレッジ = 必要証拠金
例えば、レバレッジ25倍の口座で、ドル円を105円のときに、1万通貨保有したい場合。
105×10000÷25=42000円
これが、レバレッジ100倍であればその4/1の10500円になります。
対円以外の通貨ペアの場合はEURUSDであればEURJPYのレートを「約定レート」に入れる必要があります。
参考URL:外為ファイネスト 証拠金シミュレーター
2)EAの最大保有ポジション数の調べ方
GogoJungleの販売ページでは、「ストラテジーについて」でEAの概要がわかります。
▲「Pips_Miner_EA」の例。ここで通貨ペアがGBPUSD、最大保有ポジション数が3であることがわかる。
3)バックテストにおける最大ドローダウン(額)の調べ方
Gogojungleの販売ページでは、商品説明の下部、「フォワードテスト」と同じ列に「バックテスト」のタブが並んでいます。
バックテストページには、開発者さんがアップロードしたものと、GogoJungleがTDSというツールを使って長期バックテストした2種類のデータがあります。
ダウンロードもできますが、簡単に最大ドローダウンがわかりますので必要な項目だけチェックしてみてください。
▲バックテストデータでは、パラメーターの「Lot」と最大ドローダウンを要チェック
注意点としては、その最大ドローダウンが何ロット設定でバックテストした場合の最大ドローダウンなのか、をチェックすることです。
まれに1.0ロットでバックテストされているものもあるので、「パラメーター」の部分の「Lot=○○」の部分を確認してください。
また、そのバックテストがいつからいつまでの期間を行ったかは、「期間」でわかります。
1年や2年など、あまりに短いものは最大DDの参考値としてはデータ期間が少なすぎるので、最低5年以上のデータがあるものを選びましょう。
その他、運用上の要確認事項としては、
1)運用するFX会社のMT4は両建て可能か、その場合の必要証拠金は片側分のみになるか、それとも両方に証拠金がかかるか。
があります。これを調べるには、実際に同一通貨ペアで売りと買いを同時に保有してみるのがてっとり早いです。
▲ドル円1万通貨を買ってみたところ、必要証拠金は42,447円でした。
▲ドル円1万通貨をさらに売りで注文を入れてみたところ、必要証拠金は2倍になはならずに42,447円でした。
このように、同じ通貨ペアで両建てした場合に、片方(ロット数が多い方)だけの必要証拠金で済む方式を、両建てMAX方式といいます。
FX会社によっては、両建てした際に売り・買いそれぞれに証拠金が必要な場合もあるので、FX会社の仕様を確認してみてください。
2)ストップレベルの有無
ストップレベルとは、現在価格より何ポイント以上(10ポイント=1Pips)離れていないと指値注文を入れることができない、という仕様です。
ストップレベルの調べ方は、「気配値表示」上右クリック>「仕様」をクリックすると、ストップレベルがわかります。
ストップレベルが「0」であれば問題ないですが、これが「40」などとなっていると、4pips以上現在価格から離れていないと新規の注文が入らないということになります。
指値を使うタイプのEAや、決済にトレーリングを使うタイプのEAは成績が不利になる、注文が入らないなどが起きる要因となります。
タイプ別!EAの推奨証拠金の計算方法
1)複数通貨ペアで運用するEAの場合
{(運用する通貨ペアの証拠金)×(最大保有ポジション数)×通貨ペア数}+(ポートフォリオの最大DD×2)
例えば、以下のRECOBA Triple Swing M5の推奨証拠金を計算してみます。
GBPJPY、EURJPY、AUDJPYの3通貨ペアで、それぞれ最大1ポジション持つEAになります。
複数通貨ペア運用のEAの場合は、だいたい販売ページにそれぞれの通貨ペアのバックテストデータをポートフォリオ化した場合のバックテスト結果が載っています。
複数通貨ペア運用であっても、単純に最大ドローダウンが合算されるわけでは有りません。
同時保有するタイミングや、損益が相殺されあって、最大ドローダウンが少なくなるケースもあります。
RECOBAの場合は、バックテストデータに3通貨ペアのバックテストデータをジェネレートしたものがありましたので、そのまま最大ドローダウン値を推奨証拠金の計算に使うことができます。
▲3通貨ペア同時運用した場合の最大ドローダウンは115,160円でした。
ポジションを持つときに、GBPJPYが137円、EURJPYが125円、AUDJPYが77円だったとします。
レバレッジ25倍の場合、それぞれ1万通貨を保有するのに必要な証拠金は、
{(54800円)+(50000円)+(30800円)}+(115160円×2)=36.5万円
となりました。レバレッジが異なる場合は、最大DDはそのままで、証拠金だけが少なくなります。
2)複利運用のEAの場合
パラメーターに「MM=True」とあるものは、複利運用ができるタイプのEAになります。
ただし、ロット数を決めるのに、口座資金の◯%をロット保有に当てる、というものや、
一回のトレードにおける許容損失額が口座資金の◯%になるようにロットを保有する、とするものなど、ロット計算の計算方法が色々あるため、必ず販売ページで確認してみてください。また、複利運用の場合、バックテストで見るのは最大ドローダウン(額)ではなく、相対ドローダウン(%)を見てください。そのMMの%の値で、相対ドローダウンが何%になるのかを見て、適切なMMの値を調整してみてください。
相対ドローダウンが30%程度までなら、安全に運用できるでしょう。
▼複利MMの考え方や相対ドローダウンに関してはこちらも参照ください
4年のフォワード実績あり!低リスク運用から高リターン運用まで可能な「Black Panther USDJPY」
どうだった?なんとなく推奨証拠金の計算方法がわかったかな?
1ポジションのEAの場合は、比較的簡単に推奨証拠金がわかるけど、
ロット数が増えていくようなEAの場合はどうすればいいんだ
いわゆるナンピンマーチン型のEAだね。
それは、「TOTALロット数」がわかればクリアーできるね。
例えば最大保有4ポジションで、最初のロットを0.1にした場合に、
2つ目が0.2、3つ目が0.4、4つ目が0.8と増えていくという場合は、
0.1+0.2+0.4+0.8=1.5ロット
で、15万通貨分の必要証拠金がかかることになるよ。あとは最大DDは
バックテストから求めれば大丈夫。
なるほど! でも、証拠金をたくさん必要とするということは、
それなりにリターンがないとやってられないよな・・・
100万円使って年間3万円とかの利益だとちょっとやる気が出ない。
ははは。確かにね。見かけ上、年間の収益額が50万円あったとしても、推奨証拠金が500万円必要です、となると年間リターンは10%ということになるしね。
そういう点では、1ポジのスキャルピングなんかは推奨証拠金が少なくすむから、始めやすいという点と、利益率が高くなりやすいから特に人気があるんだよ。
どんなタイプのEAが利益率が高くなりやすいのか、というのはまた次の機会に話すね。
よろしいですか?