これからの外国為替場の行方 第95回[田嶋智太郎]
田嶋智太郎(たじま・ともたろう)さんプロフィール
経済アナリスト。アルフィナンツ代表取締役。1964年東京都生まれ。慶応義塾大学卒業後、現三菱UFJ証券勤務を経て転身。主に金融・経済全般から戦略的な企業経営、ひいては個人の資産形成、資金運用まで幅広い範囲を分析・研究する。民間企業や金融機関、新聞社、自治体、各種商工団体等の主催する講演会、セミナー、研修等の講師を務め、年間の講演回数はおよそ150回前後。週刊現代「ネットトレードの掟」、イグザミナ「マネーマエストロ養成講座」など、活字メディアの連載執筆、コメント掲載多数。また、数多のWEBサイトで株式、外国為替等のコラム執筆を担当し、株式・外為ストラテジストとしても高い評価を得ている。自由国民社「現代用語の基礎知識」のホームエコノミー欄も執筆担当。テレビ(テレビ朝日「やじうまプラス」、BS朝日「サンデーオンライン」)やラジオ(毎日放送「鋭ちゃんのあさいちラジオ」)などのレギュラー出演を経て、現在は日経CNBC「マーケットラップ」、ダイワ・証券情報TV「エコノミ☆マルシェ」などのレギュラーコメンテータを務める。主なDVDは「超わかりやすい。田嶋智太郎のFX入門」「超わかりやすい。田嶋智太郎のFX実践テクニカル分析編」。主な著書は『財産見直しマニュアル』(ぱる出版)、『FXチャート「儲け」の方程式』(アルケミックス)、『なぜFXで資産リッチになれるのか?』(テクスト)など多数。最新刊は『上昇する米国経済に乗って儲ける法』(自由国民社)。
2018年のドル円は少々大きく動く可能性?
あらためて振り返ると、2017年のドル円は実に狭い値幅レンジ内での値動きに終始し、いわゆる「市場関係者・参加者泣かせ」の展開を続けた。
前回更新分の本欄でも述べたように、3月下旬あたりから形成していた「フラット型の保ち合いレンジ」は、大よそ108—114円の値幅で、少なくとも年末まで9か月続けて展開された。そのレンジの「中心」にあたる111円処というのが、前回執筆時のドル円が位置していたところであり、故に筆者は「ここ(レンジの中心)が一つの瀬戸際、正念場と理解する必要」「無用にまとまったポジションを構えないようにすることが肝心」などと述べたわけである。
そして案の定、ドル円は11月下旬につけた111円処(110.84円)で一旦底入れ&反発し、一時的にも113円台後半の水準まで戻りを試す展開となった。つまり、11月6日高値からの調整が再びレンジ下辺水準にまで辿り着くことはなかったわけである。繰り返すも、ここで大事なことはレンジの「中心」などという大事な節目の水準にあるときには、そこで一旦立ち止まってじっくり考え、決して軽々に売買の判断をしないことが肝心であるということだ。
よろしいですか?