TANSTAAFL(タンスターフル)[森晃]
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森晃さんプロフィール
エコノミスト。シンクタンク(アメリカ合衆国)に所属。専門分野は、為替政策、金融政策、マクロ経済政策、金融規制。市場関係者、金融当局者、政策当局者と交流し、多方面から為替の動向について分析を行っている。
年初めから、学会のためサンディエゴに出かけた。とても気候が良く、すがすがしくて爽やかなので、カリフォルニアは大好きである。たくさんのヨットが停泊しているのを眺め、太平洋に思いをはせるのも一考である(画像①)。
さて、読者の皆さまは「ノー・フリーランチ定理」をご存じであろうか。おそらく、この言葉を一度は耳にしたことがあるであろう。まず、この言葉の由来を簡単に説明しよう。昔、米国のある酒場で「飲みに来たら、昼食は無料で振る舞う」という宣伝が行われ、その宣伝を見た客は昼食が無料なのは良いということで足しげく通った。しかしながら、実際は昼食代が酒代に上乗せされており、客は何も知らずに昼食代を支払っていたという話である。「無料の昼食などない(There Ain’t No Such Thing As A Free Lunch)」の頭文字を取って、“TANSTAAFL”(タンスターフル)という略語として米国では知られている。
この「そんなうまい話はない」という格言は、1966年にロバート・A・ハインラインのSF小説『月は無慈悲な夜の女王(The Moon is a Harsh Mistress)』の中で取り上げられてから、世間で広く知られるようになり、投資家やビジネスマンはこの格言を好んで使う。
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