エリオット波動の数え方、インジケーターについて
欧米ではダウ理論と肩を並べてメジャーな「エリオット波動理論」ですが、
日本ではそこまで詳しく知られていないそうです。
今回は、そんなエリオット波動理論について、その基本とおススメのインジケーター、
トレードにどのように用いれば良いのかを解説していきます。
エリオット波動理論とは?
エリオット波動理論は、ラルフ・ネルソン・エリオットが1938年に発行した
著書「波動原理」で初めて紹介された、投資についてのテクニカル分析理論です。
エリオット波動理論の主な内容は
「相場は一定のサイクルがあり、その値動きには決まったリズムがある」というものです。
エリオットは、ダウ平均株価の値動きを数十年間研究しました。
その結果「値動きの中には上昇→下降(下降→上昇)の波が一定の間隔を空けて規則的に出現している」
という事実を発見しました。
これが、エリオット波動理論の基本となる「上昇5波・下降3波」です。
エリオット波動理論の基礎「上昇5波・下降3波」の数え方
ここからはエリオット波動理論の基礎について解説していきます。
まず、上昇5波と下降5波について、図にまとめましたので確認してください。
相場の値動きの特徴として、上昇の際は「上げ→下げ→上げ→下げ→上げ」という
5つの連続した波を描いているのがわかります。
また、下降の際は「下げ→上げ→下げ」の3つの波が連動しています。
これが「上昇5波・下降3波」の考え方で、エリオット波動理論とは「どの期間で相場を観測しても、
値動きはこのリズムで動いている」ということを提唱している理論だと言っても良いでしょう。
イメージとしては、上昇を「W」、下降を「N」と覚えればいいでしょう。
「どの期間で相場を観測しても」という条件がありますので次のようなことも言えます。
例えば、上の図から第1波と第2波だけを取り出してみましょう。
すると、第1波では上昇5波を、第2波では下降3波を形成していることになります。
これはつまり、1時間足の中の上昇第1波の中には5分足の上昇5波が含まれている、
という事を意味します。
もっと言えば、その5分足の上昇第1波の中には、1分足の上昇5波が含まれているという事もできます。
エリオット波動を見つけるためのインジケーター「ZigZag」と波の数え方
エリオット波動を見つけるのに便利なMT4のインジケーターを「ZigZag」紹介します。
「ZigZag」は名前の通り、相場の高値と安値とを線で結び「ジグザグ」な形を描くインジケーターです。
MT4にデフォルトで入っているため、簡単に設定して利用することが出来ます。
波の数え方も簡単で、以下の画像のように上昇第1波~第5波、下降第1波~第3波まで数えればいいです。
ZigZagより洗練された高い精度でエリオット波動を表示するインジケーター
当サイトでは、ZigZagより洗練されたエリオット波動を表示するインジケーターを開発しています。
そのインジケーターは、相場の原理原則インジケーターという名称で、
MT4のチャート上にエリオット波動を表示するだけでなく、
手仕舞いに役立つ第3波や第5波の目標値や、仕掛けに役立つフィボナッチリトレイスメントを表示するインジケーターです。
しかも特典としてリスク・リワードをリアルタイムで表示するインジケーターも無料でついてくるため、
クオリティの高いトレードの実践をサポートします。
(リスク・リワードについて詳細に書いた記事はこちら)
目標値のアウトプットのレベルについては、ドル円の値動きのシナリオやポンド円の値動きのシナリオをご確認下さい。
エリオット波動のインジケータの詳細はこちら
エリオット波動の波6パターン
以上、エリオット波動の基礎的な解説をしました。
しかし、ここまで紹介したのはあくまで「理想的な動きをした場合」のエリオット波動で、
現実のチャートにはもっと複雑な値動きをしている場合のほうが多いです。
ただ複雑な値動きをしているチャートであっても、以下の6つのパターンの波動に解析することは可能です。
それでは、それぞれの波動について解説をしていきたいと思います。
Iエリオット波動
Iエリオット波動は、上昇5波と下降1波を1本線でとらえたものです。 6パターンの基本となります。Vエリオット波動
Vエリオット波動はI波動が連なってできるパターンです。Vエリオット波動がさらに連なることにより、これから紹介する4つのパターンが形成されます。
Yエリオット波動
Yエリオット波動は別名「逆ペナント」とも呼ばれます。高値を切り上げつつ、安値を切り下げながら進行していくパターンで、
上昇・下降相場の途中の小休止でよく表れます。投資家が様子見をしている状態を指します。
Pエリオット波動
Pエリオット波動はYエリオット波動の逆で、高値を切り下げつつ安値を切り上げながら、徐々に値幅を狭めながら進行していくパターンです。
別名「ペナント」とも呼ばれるもので、これもまた小休止の状態を表します。
ただ、P波動の高値突破(安値突破)時はトレンドの再開、またはトレンド転換が起こる可能性もあるため要注意です。
Nエリオット波動
上昇相場で高値を切り上げつつ(下降相場で安値を切り下げつつ)進行していくパターンがN波動です。最終的にトレンドラインを引くことが出来る相場なので、押し目買いや戻り売りを狙うには一番良いパターンです。
Sエリオット波動
Nエリオット波動の中で、下降相場のサポートライン(上昇相場のレジスタンスライン)をブレイクする際に形成されるパターンが「Sエリオット波動」です。以上がエリオット波動の6パターンです。
エリオット波動理論の大切な法則
エリオット波動のそれぞれの波を見つけるヒントとして、いくつかの大切な法則を紹介したいと思います。① 第3波が第1、第5波より短くなることは無い
エリオット波動の上昇5波に番号を振っていって、第3波が第1と第5よりも短くなってしまった場合、それらは間違っていることを指します。
② 第1波が第2波を下回ることは無い
第1波の始値を第2波が下回った場合、その第1波は間違っていたことになります。以上、2つがエリオット波動を見つけるコツです。
間違った番号を振ってしまうとトレードすべきところでは無い時点でトレードをしてしまう
危険性もありますので気を付けましょう。
エリオット波動理論を用いてどのタイミングでトレードをすればいい?
エリオット波動の中で狙うべき波は「第3波」です。
トレンドフォローを狙うのであれば、第1波は初期すぎるため見つけるのが難しいですし
第5波はいつトレンドが終わるかがわかりません。
第3波は第1、第5よりも長いですし、利益確定が遅れて第4波に突入した場合でも
のちに第5波が来るのでチャンスがあります。
エリオット波動に関するコンテンツ動画
エリオット波動を説明してみたエリオット波動の第1波をチャートの右側でとらえる方法
エリオット波動理論・まとめ
以上、エリオット波動の基本的な解説でしたがいかがでしょうか。
エリオット波動は突き詰めれば本が1冊出来てしまうほど深いチャート分析理論です。
しかし、私たちが目指すのはチャート理論博士ではなく勝ち組トレーダーですので
難しいことまでは理解する必要はありません。
この記事の内容をしっかりと理解が出来れば、現在の相場がどのような状況か把握が出来ますし、
今後どのように進行していく可能性があるのかある程度の予測を付けることもできます。
今回紹介したことは特に大切な部分のみを厳選して抜粋していますので、しっかりと覚えましょう。
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