[和訳]イーサリアムを基盤としたヘッジファンド、Numerai
AIによるヘッジファンド。2年前には考えもしなかったですが、数年後にはそれが運用選択肢に普通になってるかもしれないとか思い出しました。
「10年後に消える職業」ってのがありましたが、投資アナリストや為替ディーラーってのも含まれてきそうです。しかし、仮想通貨/暗号通貨が絡むとトークンを所有することで、そんなAIヘッジファンドの株主やオーナー的な立場に簡単になれる(法的なアレは別として)のも魅力的な世界だなーと思います。
今回は、Numerai(ニューメライ?)というイーサリアムベースのヘッジファンドに関する英文記事を和訳してみました。「データ科学者」という言葉が随所に出てきますが、これは「トレードの売買ロジック設計者」のようなものだと思っていいでしょう。
投資アナリストや為替ディーラーな人、MT4のEAやトレードボットの開発者な人、それらに興味がある人は特にご一読を。
Numeraiによる、イーサリアムを基盤としたヘッジファンド
Numeraiとはデータ科学と機械学習のモデルを活用する、AIを基盤としたヘッジファンドです。Numeraiのアルゴリズムによる取引で使われているモデルは、ユーザー(データ科学者)がプラットフォーム上で提出したもので、そのプラットフォームでは、ユーザーは素晴らしいモデルに対して、“Numeraire”トークンで報酬を受け取ることができます。Numeraireはそれ自体は通貨ではなく、データ科学者が自分の機械学習のモデルと、それらが実際の市場・取引においてどのような結果を残すかに「賭ける」ために使われます。そのような形式の「賭け」を行うことにより、科学者たちは成功をおさめたモデルに対する配当金のようなものを受け取ることが可能になります。Numeraireが大きな成功をおさめていけば、データ科学者に支払われる報酬も高額になっていきます。
このプロジェクトは、私がイーサリアムのパブリックチェーンを活用することで実現します。私たちは、イーサリアムが画期的なコンセプトであり、願わくば他のハードサイエンスでも採用されてほしいと考えています。ぜひ一度お試しして、オープンな心でご判断ください。
Numerai上で人工知能を調和させるための新しい暗号通貨
人工知能によるヘッジファンドの開発を促すために、12,000人のデータ科学者に100万の暗号通貨トークンが発行されました。以下に理由を述べていきます。ブローカーの慈善事業
市場がスムーズに動くのは、誰かがそうしようとしているからではありません。市場で取引をしている人間は、誰も市場を効率的にしようは考えていません。効率性というのは、お金を稼ぎ、それをさらに増やしてやろうという利己的な行動に価値を見出す、市場の参加者たちの副産物にすぎません。株式ブローカーは、利益を得るために、永久に効率性が維持される世界を望むでしょう。ヘッジファンドは、他人が持っていないデータによって情報料が得られるような、情報の不均衡が永久に続くことを願うでしょう。株式市場においては、誰も市場が効率的であって欲しいとは考えていません。
ここでの問題は、全力でより多くの利益をあげようと取引を行っている利己的な市場参加者は、一つの目標に向かって協調しているわけではないということです。彼らは敵対し合っています。彼らには、市場をより良くするために、協力し、知識やデータ、コードを共有する動機がありません。経済は反協力的な仕組みで、それが第一線の設立を妨げています。
問題は利己的な市場参加者にあると考えるかもしれません。解決策は、利己心を抑制し規制することであると。しかし、利己心を規制することは、道徳的に見て忌むべきものです。問題は利己心にあるのではなく、お金それ自体にあるのです。
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