【無料全文公開】エリア手法の極意 実践編|第5回 設定した許容範囲をエリア手法で使う方法[FXプランナー]
今回は、前号で解説していただいた許容範囲をエリア手法でどのように使っていくのかレクチャーしてもらいます。これを覚えておけば、リスクを限定したトレードを繰り返すことができるようになります。また、トータルで利益を上げていくというFXで非常に重要な考え方も身に付きますので、ここでしっかりとマスターしておきましょう。
※この記事は、FX攻略.com2017年12月号の記事を転載・再編集したものです。本文で書かれている相場情報は現在の相場とは異なりますのでご注意ください。
FXプランナーさんプロフィール
圧倒的なテクニカル分析と独自の『エリア手法』で相場から利益を上げ続けている投資家。
公式ブログ http://fxplanner.net/
時間足によるエリアの値幅
これまでに説明した通り、エリア手法で登場するロングエリアやショートエリアは、サポートやレジスタンスをレート幅で表したものです。当然それらのエリアからエントリーを狙っていくことになりますが、ここで一つ考えなければならないことがあります。それが「エリアの値幅」です。エリア手法では全ての時間足関係なく同じようにチャートを分析することができますが、そこで設定するエリアの値幅は時間足によって大きく変わってきます。
例えば図①のAとBのようにロングエリアを設定した場合、見た目だけならエリアの幅は同じように見えますが、実際にはAのロングエリアは5分足チャートでエリアの値幅は15pips、それに対してBのロングエリアは4時間足チャートでエリアの値幅は100pipsあります。
このように時間足によって値幅は変わり、その値幅に対して許容範囲が大きく関わってくることになります。許容範囲によって狙う時間足や波のサイズが変わってくるということです。
エリアの値幅と許容範囲
エリアはどの時間足でも設定できるといいましたが、多くのFX会社でチャートに表示される最小の時間足は1分足になります。つまり1分足より小さなエリアは設定ができないということです。そしてどの時間足のエリアであっても押し目買いや戻り売りを狙いますので、どこかのタイミングで腹をくくってバチンとエントリーしなければなりません。
では一体どこで腹をくくるのかということですが、それが許容範囲になります。図②を見るとチャート上にロングエリアが描かれていますが、この値幅が50pipsだとします。このとき、許容範囲がそれぞれ50pipsのXさんと20pipsのYさんがいた場合、2人のエリアに対するアプローチは違ってきます。
図②のロングエリアの値幅ならば、Xさんの許容範囲であればエリアの上限Jからエントリーして下限Kの下抜けでロスカットといったエントリーができます。しかし、Yさんは許容範囲がXさんに比べて小さいので、同じようにエントリーすることができません。では一体この場合、Yさんはどのように考えれば良いのでしょうか。
ロスカットラインからエントリーにつなげる
先ほど出てきたエリアの値幅に対して、Yさんの許容範囲は20pipsでした。このときYさんには二つのエントリーに対する方法が考えられます。
許容範囲を考えるときに一番大切なことは、ロスカットラインからの値幅です。ロスカットラインはそこを下に抜けると自分の中で諦めがつく場所であり、以前お話しした大口勢力が抜かれたくないレートを基準にしなければなりません。
一つ目の方法はエリアの値幅が許容範囲内になっている場合ですが、これであればエリアのどこでエントリーしてもしっかりとロスカットラインで決済になるので問題ありません。しかし、先ほどの図②のようにエリアの値幅が許容範囲よりも大きい場合は同じようにエントリーすることはできません。
図③のⅠやⅡのようなロスカットは確かに許容範囲の20pipsですが、これでは意味のあるトレードとはいえませんし、ロスカットの後に反転すれば後悔することになります。自分の許容範囲でエントリーするのであれば、Ⅲのようにロスカットラインから許容範囲を考えて、そこまで引きつけなければならないということです。これが二つ目の方法になります。
これをしっかりと徹底するのであれば、エリアの値幅が許容範囲よりも大きい場合でもエントリーが可能になります。ただし、引きつける前にチャートが上昇してしまえば結果的にエントリーすることはできません。この場合はきっぱり諦めなければならない重要なルールとなります。
二つの方法をお伝えしましたが、できることならエリアは自分の許容範囲に収まってくれていた方がエントリーもしやすいですし、腹もくくりやすくなります。なぜなら二つ目の方法で引きつける間の短期的なチャートの動きで決心が揺らいだり、焦って許容範囲手前でエントリーしたりしてしまうといった感情の邪魔が入りやすくなるからです。
それでは、エリアを自分の許容範囲内に収めるにはどうすれば良いのかということを次号で説明していきたいと思います。
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