“需給の鬼”こと井上哲男の相場の潮流〜プロの市場分析ノウハウと注目銘柄が分かる!|第4回
井上哲男さんプロフィール
いのうえ・てつお。スプリングキャピタル社代表、日本証券アナリスト協会検定会員。上智大学卒業後、国内保険会社の運用部門長を経て、(現オールド・ミューチュアルグループ)UAMジャパン・インクのチーフ・ストラテジスト兼日本株式運用部長に転身。その後、プラウド投資顧問、アジア最大級のファンド・オブ・ファンズの運用会社であるMCPグループなどで同職を務めた後、独立。“需給の鬼”と呼ばれ、日経CNBCテレビ「夜エクスプレス」「〜攻めのIR〜MarketBreakthrough」、ラジオNIKKEI「アサザイ」などのパーソナリティも務めている。
オリジナルのテクニカル分析や需給動向により、独自の視点から株式相場(株式指数)の方向性を分析する井上氏のメルマガ「相場の潮流」、井上氏とBコミさんこと坂本慎太郎氏が相場解説、ピックアップ銘柄の紹介を行う動画スクール「勝者のスクリーニング-株ハイブリッドバトル-」がGogoJungle(ゴゴジャン)から好評発売中。
メルマガ:相場の潮流
動画スクール:勝者のスクリーニング‐株ハイブリッドバトル‐
※この記事は、FX攻略.com2020年7月号の記事を転載・再編集したものです。本文で書かれている相場情報は現在の相場とは異なりますのでご注意ください。
原油安の含むインプリケーションは大きい
4月20日、WTI原油先物5月限が史上初のマイナス価格である1バレル=マイナス37.63ドルで引け、世界に大きな衝撃が走った。通常は有り得ないマイナス価格が生まれた背景には、保管・貯蔵に関する逼迫がある。
WTIの買い方がそのまま反対売買を行わないと、オクラホマ州で原油を受け取ることとなる。マイナス価格であった場合、原油を受け取り、なおかつ37.63ドルを受け取ることになるが、引き受けた原油を海に流すわけにもいかず、保管・貯蔵費が発生することとなり、これが非常に高騰しているのだ。つまり現在の原油先物価格は、想定原油価格からこのコストを引いたものなのである。
伏線は十分にあった。米エネルギー情報局(EIA)が毎週発表している週間石油在庫統計によると——
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