欧州ファンダメンタルズ入門|第10回 英国の首相不在時の対応策[松崎美子]
松崎美子さんプロフィール
まつざき・よしこ。スイス銀行東京支店でトレーダー人生をスタート。1988年渡英、1989年よりバークレイズ銀行ロンドン本店Dealing Roomに就職。1991年に出産。1997年に同じくロンドン・シティにある米メリルリンチ投資銀行に転職。その後2000年に退職。現在はFX取引に加え、日本の個人投資家向けにブログやセミナー、YouTubeを通じて欧州直送の情報を発信。著書に『松崎美子のロンドンFX』『ずっと稼げるロンドンFX』(共に自由国民社)。2018年より「ファンダメンタルズ・カレッジ」を運営。DMMで「FXの流儀」のオンラインサロンも始めた。
ブログ:http://londonfx.blog102.fc2.com/
ファンダメンタルズ・カレッジ:https://fundamentals-college.com/
オンラインサロン:https://lounge.dmm.com/detail/1215/
※この記事は、FX攻略.com2020年7月号の記事を転載・再編集したものです。本文で書かれている相場情報は現在の相場とは異なりますのでご注意ください。
首相就任直後に代理首相を任命
英国の法律では、「副首相」は存在しません。そのため、首相は就任直後に「代理首相」を選びます。公用などで国をあけるときは、毎週水曜日に議会で行われる首相への質問コーナーPMQ(Prime Minister's Question Time)で代理首相が議会に登場します。それ以外でも、首相の執務継続が難しくなれば代理首相の出番となります。
英国の首相は辞任や死亡、あるいは国王が首相を辞めるよう言い渡したときに不在となります。英国法では、首相は国王に対し最もシニアなアドバイザーという役割を兼任しています。また閣僚間にも「位」があり、閣僚会議で座る位置で示されます。
一般的に、英国では首相の次に位が高いのが「筆頭国務大臣(First Secretary of State)」であり、現内閣ではドミニク・ラーブ外務大臣が兼任しています。ただし、筆頭国務大臣だからといって自動的に代理首相にはなれません。首相が正式に「代理」を任命する必要があるのです。
もし首相が不在となった場合、そのときの内閣(与党)が過半数以上の議席を持っていれば与党内で新首相を選び、国王に報告して承認されると晴れて新首相誕生となります。人選については、候補者の健康状態、経済や財政に対する考え方など、あらゆる面について全員が納得できる人物を厳格なコンセンサス方式を取って選びます。
場合によっては党首選が実施され、数週間の遅延が生じることもありますが、その場合は「仮のリーダー」を選出し、暫定首相とします。
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