天然ゴム復活なるか[佐藤りゅうじ]
佐藤りゅうじさんプロフィール
さとう・りゅうじ。1968年生まれ。1993年米大卒業後、マーケティング会社を経て、金融・投資全般の情報ベンダー、株式会社ゼネックス(後の株式会社オーバルネクスト)入社。マクロ経済分析をはじめ、為替、商品、株式市場のアナリストリポートの執筆、トレードに携わる。2010年より「エイチスクエア株式会社」を起業、アナリストレポート等を執筆、「FOREX NOTE 為替手帳」等の企画・出版を行う傍ら、投資関係のラジオ番組キャスターを務める。個人トレーダー。国際テクニカルアナリスト連盟・認定テクニカルアナリスト。ラジオ日経「ザ・マネー オノサトの相場予測」(月曜15:00〜)メインキャスター。
公式サイト:佐藤りゅうじブログ
※この記事は、FX攻略.com2020年8月号の記事を転載・再編集したものです。本文で書かれている相場情報は現在の相場とは異なりますのでご注意ください。
12年ぶりの安値をつける
今年の2月号で天然ゴム相場について書かせていただいたとき、東京ゴム先限はキロあたり200円以上、需給関係に変化の兆しがあり、一段高の可能性もあるとしました。しかし、新型コロナウイルスの影響から相場は一変しました。一時、2009年3月以来の安値まで急落、その後、やや水準を引き上げていますが、戻りは鈍いです。今回は、急落したゴム相場の今後を考えてみます。
まず、今年のゴム相場を東京ゴム先限(呼び値1キログラム)のチャートを見ながら簡単に振り返りましょう(チャート①参照)。昨年10月からの米連邦準備制度理事会(FRB)のストレス緩和に呼応し株式市場が上昇を始めると、天然ゴム価格も上昇を開始し、今年1月17日には208.7円まで水準を引き上げました。ただ、1月の上昇場面では出来高を伴っていない上、当先の順ザヤが32円超まで拡大(現物価格は上昇が鈍い)していました。まさに天井圏の動きでした。
そして、このタイミングで新型コロナウイルスの災禍が中国の武漢を中心に広まっていきました。ゴム相場は急落を開始し、1月21日に大節の200円を下抜くと、同月27日には170.0円まで水準を引き下げました。わずか6営業日で18.5%もの下落です。さらに2月4日には165.6円をつけ、2月21日には190.4円まで戻しますが、新型コロナウイルスの災禍が全世界に拡散すると、その後はほぼ一方的な下げ相場となり、4月2日には2009年3月17日以来、約12年ぶりの安値となる138.3円まで下落しました。2か月半で33.7%の下落です。4月中旬以降は、150円を中心に上下5円前後でのもみ合いとなっています。
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