【無料全文公開】エリア手法の極意 実践編|第2回 ローソク足からチャートを徹底的に分析する[FXプランナー]
前号では、チャートの中から優位性の高い場所を見つけるエリア手法の概要を学びました。それでは実際、ローソク足のみのチャートでどのように分析し、どう攻略すれば良いのでしょうか。具体的に説明してもらいます。
※この記事は、FX攻略.com2017年9月号の記事を転載・再編集したものです。本文で書かれている相場情報は現在の相場とは異なりますのでご注意ください。
FXプランナーさんプロフィール
圧倒的なテクニカル分析と独自の『エリア手法』で相場から利益を上げ続けている投資家。
公式ブログ:http://fxplanner.net/
前号でエリア手法ではローソク足のみでチャートを分析するとお伝えしましたが、今号では具体的にどのように分析していくのかをお話ししたいと思います。エリア手法の最大の目的を一言で表わすと「ローソク足の動きからより精度の高いサポレジを見つけ出す」ということです。
これは何も特別なものではなく、多くのトレーダーはさまざまなインジケーターを使い手法を編み出していますが、全ては精度の高いサポレジを見つけるためです。道のりや手段は違ってもたどり着く目的はそれに尽きます。
なぜならば現在の動きがどこまで続いてどこで折り返すのか? これが100%分かればFXで負けることはありません。つまりその基準となるサポレジが100%分かれば勝率は100%ということです。
ただし現実的に100%は不可能なので、その精度がより高いものを求めていくということなのです。そしてそれをFXプランナーではローソク足の動きだけで判断していくということです。
なぜローソク足ができるのかに注目
ローソク足を分析する前にまずはなぜローソク足ができるのか、これをしっかりと理解する必要があります。あなたがトレードをする上で迫られる選択は「買うか売るか?」のたった2種類です。これは世界中どのトレーダーにも共通する選択です。そして買う側=買い手と、売る側=売り手に分かれてそれぞれが利益を出すためにトレードをすることになります。このときに買い手が強ければ上昇しますし、売り手が強ければ下降します。両者が均衡しているときにはもみ合うような動きを見せます。
当たり前のことのようですがこの買い手と売り手が見せる動きを形にしたものがローソク足であり、ローソク足には買い手と売り手の心理が詰まっています。
ポイント1 誰が相場を動かしているのか
ではあなたが仮に買ったとしたときにローソク足は動くのでしょうか。あなたが莫大な資金で買いを入れたのであれば可能性はありますが、一般的な個人投資家の資金では相場に与える影響はほぼないといっても良いのではないかと思います。
世界中の個人投資家の何千何万という買いが同じ時間に入れば相場に影響を与えますが、大きく相場を動かしているのは超富裕層やファンド、機関投資家(以下大口勢力)などになります。彼らはそれだけの資金を相場に注入しているのです。
ポイント2 全ての投資家が負けたくない
FXをトレードする人は全て負けようと思ってトレードをしません。それはあなたもファンドも同じです。負けるということは自分が買ったレートよりも下にいる状態、または自分が売ったレートよりも上にいる状態です。
そう考えると買い手も売り手もマイナスの状態にならないように自分のエントリーした場所が抜かれないように相場が動くことを狙っていると考えられます。
つまり先ほどお話しした大きな資金力で相場を動かしている大口勢力が抜かれたくないレートというのは、そこで大きな資金が相場に注入されたことを意味しているのでより強力なレートだと考えられるのではないでしょうか。
ポイント3 優位にいる立場と抜かれたくない場所
それではその大口勢力が抜かれたくないレートをどのようにして見つけていけば良いのでしょうか。このときにポイントとなるのが、前号でもお伝えしたバトルの決着点になります。図①を見ると買い手が有利な上昇局面と売り手が有利な下降局面、そして両者が均衡しているレンジ局面がありました。
バトルの決着点はこの中でレンジ局面に現れることになります。両者が均衡している状態では買い手も売り手も大きな利益を上げることができていません。どこかのタイミングでどちらかに押し切らなければ利益につながらないので、どちらかの勢力がトレンド発生を狙って仕掛けることになります。
仕掛けるということは相場を大きく動かすことになるので、まさにその場面では大口勢力によって大きな資金が注入されることになります。つまりその場所こそが大口勢力の抜かれたくないレートになるといえます。
図②は、図①の一つ目のレンジ局面を拡大したものになります。これを細かく分析すると、まず一つ目のポイントが㈵の部分になります。下降Aが起きた後にこの下降で売り手になっているトレーダーは下降が続いてほしいはずです。その戻り売りとして下降Bを起こしていますが、パワーが足りずに上昇Cで買い手に巻き返されています。その後さらに両者が均衡を始め出します。
そして次に注目するのが㈼の部分になります。今度は買い手が上昇Dを仕掛けますが、高値Hを更新できずに下降Eで全戻しされています。買い手は仕掛けて勢いを出すのであれば高値Hを更新していく動きを狙いますので、この上昇Dは失敗に終わっています。
しかし、その次に起こした上昇Fを見てください。下降Eの売り手がそのまま仕掛けるのであれば当然安値Lを更新しなければならないのですが、上昇Fで一気に高値Hを更新しています。つまりこの上昇Fこそが買い手の大きな資金が注入された場所であり、その起点となるKのポイントこそが大口勢力が抜かれたくない場所となるのです。
図②で細かく分析して見つけたKを再び大きな時間足の図③で見てみると、このレートを守って上昇していったことが見て取れます。このように大口勢力が抜かれたくないレートでもある決着点を、いかにローソク足の動きから見つけ出せるかがとても大事になってきますので、まずは相場からこのようなポイントを見つける練習をしてください。
よろしいですか?