欧州ファンダメンタルズ入門|第12回 移行期間延長を断った英国政府[松崎美子]
松崎美子さんプロフィール
まつざき・よしこ。スイス銀行東京支店でトレーダー人生をスタート。1988年渡英、1989年よりバークレイズ銀行ロンドン本店Dealing Roomに就職。1991年に出産。1997年に同じくロンドン・シティにある米メリルリンチ投資銀行に転職。その後2000年に退職。現在はFX取引に加え、日本の個人投資家向けにブログやセミナー、YouTubeを通じて欧州直送の情報を発信。著書に『松崎美子のロンドンFX』『ずっと稼げるロンドンFX』(共に自由国民社)。2018年より「ファンダメンタルズ・カレッジ」を運営。DMMで「FXの流儀」のオンラインサロンも始めた。
ブログ:http://londonfx.blog102.fc2.com/
ファンダメンタルズ・カレッジ:https://fundamentals-college.com/
オンラインサロン:https://lounge.dmm.com/detail/1215/
※この記事は、FX攻略.com2020年9月号の記事を転載・再編集したものです。本文で書かれている相場情報は現在の相場とは異なりますのでご注意ください。
ブレグジット関連の要人発言に注目!
今回は、年末に期限が迫ってきた英国の移行期間について書こうと思います。
2020年6月12日、ブレグジットに向けたジョイント委員会が開催されました。欧州連合(EU)からは欧州委員会のシェフチョビッチ副委員長とバルニエ首席交渉官、英国からはゴーブ内閣府担当相が出席したそうです。移行期間の延長期限が6月末に迫っておりましたが、ジョイント委員会が延長要請の受付機関であり、実質的には6月12日の会合で延長要請をしなければいけなかったそうです。
会合終了後、シェフチョビッチ副委員長が「交渉期間延長に関する英国の立ち位置を確認した。EUは延長については柔軟に対応するが、英国の決断は決定的なものとして受け取った。EU・英国共に、ここからの共同作業を手早く終わらそうということで意見が一致した」と語りました。
これとほぼ同じタイミングで、ゴーブ内閣府担当相は自身のツイッターで以下の発言をしています(画像①)。「英国は6月末の期限を待たず、移行期間の延長をしないことを、正式に公言する。2021年1月1日から、英国は政治的、経済的な独立を手にし、国家主権を自分たちの手に取り戻すことになる」。
よろしいですか?