【無料全文公開】トラッキングトレード入門|第15回 ボリンジャーバンドでトレンドの継続を見極める[斉藤学]
斉藤学さんプロフィール
サラリーマンをしつつ、独自の手法を開発したFXで短期間に爆発的な利益を獲得。その経験を基に、書籍やDVD、記事執筆、セミナー講師など、多方面でFX情報を配信中。著書に『マナブ式 FX トラッキングトレード入門』(実業之日本社)など。
公式ブログ:https://fxblog1.com/
※この記事は、FX攻略.com2017年8月号の記事を転載・再編集したものです。本文で書かれている相場情報は現在の相場とは異なりますのでご注意ください。
買い設定を継続して利益をさらに上積み
先月号では、ユーロ圏がファンダメンタルズ的に強くなったことから、私がよく利用しているMACD(日足)と移動平均線(日足)を使い、ゴールデンクロスが出たタイミングの2017年3月13日にトラッキングトレードでユーロドルの買いをスタートしたという内容をご紹介いたしました。その後、ユーロドルは現在まで図①のように順調に上昇し、3月~5月で3044.4pipsの利益を上げています。
4月23日(日)に行われたフランス大統領選挙の第1回投票では、事前に予想されていた通りマクロン氏とルペン氏が決選投票に進んだことで、ユーロは一段高となっています。しかし、4月上旬に調整が入りユーロドルが1.06ドル近辺まで下落しました。ここでいったんユーロドルの買い設定を止めるか否か検討しました。
先月号で紹介した「平均足+移動平均線+MACD」にボリンジャーバンドを併用して確認し、図①のように調整の入った局面でもボリンジャーバンドはエクスパンション(広がる)することなく、3月の安値を割ることがなかったこと、そしてMACDが買い転換を示したことから、トラッキングトレードをそのまま継続し、最終的には先月号でご紹介した1206.4pipsの利益から3044.4pips(10pips×約304回)へと、さらに利益を伸ばすことができました。
とはいえ、トレンドには必ず転換する場面が出てくるため、トラッキングトレードを利用する場合でも、その点を常に意識する必要があります。
ボリンジャーバンドでトレンド転換を先読み
トレンド転換を見極める上で、比較的分かりやすいのがボリンジャーバンドです。図②のように、ボリンジャーバンドには、もみ合い相場で収縮(スクイーズ)したバンドが、トレンド発生と共に広がっていき(エクスパンション)、トレンド方向に傾いたままバンドに沿って価格が推移する(バンドウォーク)という特徴があります。
トラッキングトレードではこの特徴を利用し、トレードを停止するかどうかの判断に役立てます。例えば次のような条件です。
ボリンジャーバンドがスクイーズした後、急激にエクスパンション。そしてMACDがデッドクロス、さらに平均足が陽線から陰線に変わり、それが少なくとも3本以上続いている。最後に移動平均線でも明確にデッドクロス
…といった場合にはトレンド転換とみなすことができます。
トラッキングトレードは長期投資が基本です。日足は少なくても過去1年間ぐらいの動きを見ると同時に、投資対象国のファンダメンタルズ(経済状況)などもチェックし、望ましくない情報がそろっていればトラッキングトレードを停止しても良いでしょう。複雑そうに聞こえるかも知れませんが、チャートチェックは慣れてしまえば5分もかかりません。ぜひ試してみてください。
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