銀主導で貴金属全面高 金は史上最高値更新[佐藤りゅうじ]
佐藤りゅうじさんプロフィール
さとう・りゅうじ。1968年生まれ。1993年米大卒業後、マーケティング会社を経て、金融・投資全般の情報ベンダー、株式会社ゼネックス(後の株式会社オーバルネクスト)入社。マクロ経済分析をはじめ、為替、商品、株式市場のアナリストリポートの執筆、トレードに携わる。2010年より「エイチスクエア株式会社」を起業、アナリストレポート等を執筆、「FOREX NOTE 為替手帳」等の企画・出版を行う傍ら、投資関係のラジオ番組キャスターを務める。個人トレーダー。国際テクニカルアナリスト連盟・認定テクニカルアナリスト。ラジオ日経「ザ・マネー オノサトの相場予測」(月曜15:00〜)メインキャスター。
公式サイト:佐藤りゅうじブログ
※この記事は、FX攻略.com2020年10月号の記事を転載・再編集したものです。本文で書かれている相場情報は現在の相場とは異なりますのでご注意ください。
銀は11年ぶりの安値からの反騰
前号で金(ゴールド)が上値追いの展開となっていると述べましたが、買いの触手はゴールドだけではなく銀(シルバー)、そしてプラチナ、パラジウムへも伸び、貴金属市場は全面高となっています。ゴールドは過去最高を更新しました。そして、その引き金はシルバーの急騰でした。
今回は、貴金属の中でも暴騰し、5年ぶりの高値をつけたシルバーを中心に、貴金属市場を見ていきたいと思います。
7月27日、ゴールドは1940ドルまで上昇し、2011年9月につけた高値1920ドルを上抜き過去最高を更新しました。7月21日時点では、ゴールドは1820ドル付近で上値を押さえられていましたので、わずか5営業日で120ドル超の上昇です。この急騰のきっかけを作ったのが、シルバーの急伸でした。
今年に入ってからのシルバーの値動きを見ると、年初から2月くらいまでは17~18ドル前後の狭いレンジ取引となっていました。3月に入ると、新型コロナウイルスの影響から金融市場が全面安となると、シルバーも3月18日には11.62ドルと2009年1月以来、11年ぶりの安値をつけました。
よろしいですか?