FXと人|Vol.2 愛猫家トレーダーコウスケさん
ファンダメンタルズやテクニカルといった各種分析や、自動売買、システムトレードといった運用方法に目を奪われがちですが、FXの本質は人間と人間の関わり合いで生まれる価格推移です。分析や運用方法が相場を動かすことは決してありません。どんな相場も、動かすのは無数の人です。この企画では、徹底してFXにおける「人」にクローズアップします。第2回ゲストは、国内外のFX大会、ロビンスカップで好成績を収めているコウスケさん。ミュージシャンからトレーダーへ転身した経緯なども語ってもらいました。
コウスケさんプロフィール
ロビンスカップ日本大会で3位、米国の大会で2位入賞の実績を持つ裁量トレーダー。テクニカル分析主体で、短期トレードを得意とする。元ミュージシャンで、バンド時代にはギタリストとして活動。
Twitter:https://twitter.com/KOUSUKE_TRADER
●聞き手:鹿内武蔵(FXライター)
※この記事は、FX攻略.com2020年10月号の記事を転載・再編集したものです。本文で書かれている相場情報は現在の相場とは異なりますのでご注意ください。
メインは音楽活動。副業として投資信託
——コウスケさんが投資を始めたきっかけについて教えてください。
私の場合、最初からFXに手を出したわけではなく、投資信託からスタートしました。当時2008年のリーマンショック直後だったこともあり、なるべく安定している金融商品として選んだのが投資信託です。
そのころの私はバンド活動中心の生活をしていましたが、音楽業界全体に元気がなくなっていくのを肌で感じていたので、不安を払拭するための副業として投資信託に取り組むことにしました。
——投資信託はプラスになったんですか?
REITを買い続けていたのですが、タイミングがリーマンショック直後だったこともあり、4〜5年たったころに大きな利益が出たんです。この体験を機に「もっと儲けたい」という欲が出てきて、投資信託より良い方法がないか調べている中でFXと出会い、やってみることにしました。
——FXを始めたころはどういったスタイルでトレードしていたんでしょうか。
FXについて調べていくうちに、外貨預金よりも手数料が安いことが分かり、とりあえずドル円が下がったら買うを繰り返して、資金を突っ込んでいました。
あとは、ネットの記事に書いてあることをうのみにして取引していました。ちょうど消費税が8%に上がる時期だったんですよね。「消費税増税後は円安になる」という記事を読んでいたので、とにかくドル円を買い込んでいました。
——アノマリー的なものを信じて買い込んだわけですね。その結果どうなりました?
結構儲かったんですよ(笑)。2014年ごろからドル円がガンガン上昇していって、一時期120円くらいまで上がったんです。そこからさらに欲が出ましたね。スワップ目的で、豪ドル円、NZドル円、南アフリカランド円をガンガン買っていました。
このまま順調にいけば良かったんですが、翌年のチャイナショック(2015年8月に起きた中国株の大暴落)で大ダメージを受けてしまい、それまでに得ていた収益の半分をがっつり持っていかれました。
——順調に見えましたが、チャイナショックで大きな負けを経験してしまったんですね。
今までは何となく得た情報を信じてやってきていたけれど、ちゃんと勉強しなければこうなるんだな、と分かりました。あれが私にとっての転機でしたね。
よろしいですか?