現役為替ディーラーが、話題のアノ人と語り尽くす Trader’s対談|ゲスト 細田哲生 前編[トレイダーズ証券みんなのFX 井口喜雄]
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細田哲生さんプロフィール
株式会社 経済変動総研 代表取締役。一目山人の意思を引き継ぎ、正しい一目均衡表の使い方を普及させることに従事。経済変動総研主催の「一目均衡表倶楽部」「メールマガジン株式レター」にて一目均衡表による相場解説、罫線講座を執筆中。「一目均衡表」確立者である一目山人(細田悟一氏)の孫にあたる。
三世一目山人 一目均衡表サロン:https://www.gogojungle.co.jp/finance/salons/19108/
Twitter:https://twitter.com/tessei_hosoda
井口喜雄さんプロフィール
いぐち・よしお。トレイダーズ証券市場部ディーリング課。認定テクニカルアナリスト。1998年より金融機関に従事し、主に貴金属や石油製品のコモディティ市場を中心としたカバーディーリング業務に携わる。2009年からみんなのFXに在籍し、「米ドル/円」や欧州主要通貨を主戦場にディーリング業務を行う。ファンダメンタルズから見た為替分析に精通している他、テクニカルを利用した短期予測にも定評がある。最近では、みんなのFXの無料オンラインセミナーにも登場し分かりやすい講義内容が好評を得ている。さらにTwitterでは、プロディーラーが相場についてリアルな意見を発信しているので要チェック。
Twitter:https://twitter.com/yoshi_igu
※この記事は、FX攻略.com2020年10月号の記事を転載・再編集したものです。本文で書かれている相場情報は現在の相場とは異なりますのでご注意ください。
長期間の研究を経て一目山人を承継した
井口 今回は私の尊敬する細田哲生さんということで、とても楽しみにしています。細田さんといえば一目均衡表で、細田さんの祖父の一目山人さんによって考案されたものです。細田さんは三世一目山人として一目均衡表の解説を行っていますが、まずは一目山人を承継するまでのご経歴と一目均衡表の概要について教えてください。
細田 一目均衡表は祖父の一目山人が昭和44年に自費出版という形で世に広めたことが始まりです。ちなみに私は昭和43年生まれなので、一目均衡表とほぼ同い年です。一目均衡表自体は昭和10年くらいには一目山人の頭の中にあったと思います。
祖父は私が中学校2年生くらいのときに亡くなりました。亡くなった後は誰も一目山人を継がず、書籍だけは兜町の千代田書店で販売されているという状態でした。祖父の死後は、さまざまな人が勝手に一目均衡表を語り始めました。
井口 確かに一目均衡表を語る人は多いですよね。
細田 祖父の目が光っていたときは適当なことをいう人はいなかったです。本来は2代目を継ぐべき父親が私が20歳のときにがんになりました。余命いくばくもないという中で、一目均衡表をどのように残すかを考え、経済変動総研という会社を設立しました。経済変動総研では書籍の出版など、一目均衡表に関する事業を行っています。1992年くらいに本の再販を始め、それから一年たたずに父が亡くなりました。当時の私は一目均衡表自体については本を読んだことはありますが、相場のことは全く分からない状態でした。それから、一目均衡表の同人会の幹事をされていた竹内先生にご協力をお願いし、私が会社を引き継いで現在に至ります。引き継いだのは22歳のときで、35歳から一目均衡表を使った相場解説を始めました。
井口 長い期間をかけて一目均衡表や相場を研究してきたのですね。
細田 10年以上勉強しました。昔はPCがなかったので、チャートは手で書くことが当たり前だったんです。
井口 私も手書きしていました。
細田 私が20歳くらいのとき、過去のデータは図書館に行って新聞の縮小版から取っていました。当時は相場を勉強するためには自分でチャートを書きながら本を読んでいくのが普通で、書きながら相場のことを考え、それを本に書いてあることと照らし合わせるという往復の作業をこなす必要がありました。特に一目均衡表の書籍は教科書的な書き方をしていないので、かじった人がさまざまなことをいうのも仕方ないのかもしれません。とにかく勉強には時間がかかりました。
井口 一目均衡表の王道的な使い方を勉強していったのですね。
細田 みじめでしたけどね。
井口 みじめとは?
細田 重要なポイントが分かってもリアルタイムで相場を判断できないんです。後から見たら確かにそうなっていると分かりますが、実際の相場を追いかけて確信を持って買ってよい、売ってよいという判断ができない時間がものすごく長かったんです。「今の相場はどうなの?」という答えにたどり着けない時間が長く、それがすごくみじめでしたね。勉強会には若いトレーダーの方も参加していましたが、その人たちの方が圧倒的に経験があり、私自身も勉強になりました。
井口 一目均衡表を極めるにはものすごい勉強が必要なのですね。
よろしいですか?