株高の主たる要因は円安と海外勢の大幅な買い越し
4/14安値を起点に株価は連休を挟んで、1年
5か月ぶりの水準にまで上昇しました。売り込
まれた直後の1か月は株価が上昇しやすい時間
帯にあることや、ほぼ終盤を迎えた3月期決算
で想定を上回るような上方修正があったことな
ども株価を支える役割を果たしたと思われます。
円安効果
株価上昇には諸々の要因が重なっていること
は当然ですが、突き詰めれば、今回の上昇も
「円安」と「海外勢の大幅買い越し」によると
ころが大きいと思われます。
ドル・円相場は日経平均がザラバ安値を付け
た4/17に円の高値(108.13円)を付け、ザラバ
高値を付けた5/11に円の安値(114.37円)を記
録しています。この間の円の振れ幅は6.24円で
す。
昨年から1か月程度の期間でドル・円が5円
以上円安になった5回では株価は大幅に上昇
しています。今回もそのデータに沿った動きと
いうことになります。
更なる株高には一段の円安が望ましいですが、
仮に1ドル=112~3円を維持できるなら、株価
へのネガティブな反応は限られると想定されま
す。
海外勢の大幅な買い越し
4月以降の海外勢の現物と先物の週間ベース
の売買差額を記しました。
(海外勢の売買差額、億円)
現物 先物 合計
~4/07 + 908 ▲2,997 ▲2,089
~4/14 +1,027 ▲ 558 + 468
~4/21 +2,770 ▲3,531 ▲ 760
~4/28 +2,849 +5,786 +8,636
~5/02 +1,583 +1,739 +3,322
経済紙等は海外勢の現物勘定が5週連続買い
越しといかにも4月に入ってからは買い越しに
転じたと報道していますが、実は先物勘定は4
月第3週まで7週連続で売り越しており、この
間の累計の売り越し幅は1兆5,835億円で現物
の買い越し額を大きく上回っていました。
大幅な買い越しに転じたのは4月第4週で、
この2週間では7営業日で累計で1兆1,958億
円(1日平均1,708億円)買い越しています。
週間ベースで5,000億円(1日平均1,000億
円)を超える買い越しを記録した週は昨年1年
間で9週ありますが、いずれも株価は大きく上
昇しています。
4月第4週の買い越し額8,636億円は米国大
統領選の翌週の1兆1,618億円に次ぐ大幅な買
い越しです。
株価がさらに一段高を記録するには海外勢の
買い越しの継続は必要条件です。2万円乗せの
カギは海外勢が握っています。
よろしいですか?