【無料全文公開】トラッキングトレード入門|第14回 トラッキングトレードで、ユーロの上昇を狙ってみよう[斉藤学]
斉藤学さんプロフィール
サラリーマンをしつつ、独自の手法を開発したFXで短期間に爆発的な利益を獲得。その経験を基に、書籍やDVD、記事執筆、セミナー講師など、多方面でFX情報を配信中。著書に『マナブ式 FX トラッキングトレード入門』(実業之日本社)など。
公式ブログ:https://fxblog1.com/
※この記事は、FX攻略.com2017年7月号の記事を転載・再編集したものです。本文で書かれている相場情報は現在の相場とは異なりますのでご注意ください。
今後はいよいよユーロが上昇か
先月号ではトラッキングトレードで威力を発揮するドル円のテクニカル分析をご紹介しました。その手順は先月号で詳しくご紹介しましたので、ここでは省略させていただきますが、RSIと移動平均線、そして平均足を使うものでした。その後、現在まで図①のように4251.5pipsの利益を上げています。
さて今月はドルに加えてもう一つの主要通貨であるユーロの動向を見てみましょう。
年初のユーロ圏失業率は9〜10%と、リーマンショック時の12%に比べまだ改善したとはいえないので、積極的にユーロを買う動きは出づらいかもしれません。
しかし、今後量的緩和の縮小が進むのであれば、ユーロの上昇余地は広がります。フランス大統領選挙に続き、9月にはドイツ総選挙が行われるので、結果を見極めたいと思われるかもしれませんが、ボラティリティは必然的に高くなりますので、トラッキングトレードで値幅を狙えるチャンスともいえます。
今回は、ユーロ買いの流れに乗って、やや中長期向けのテクニカル分析を行います。
まずは、前回同様ローソク足を平均足に変えます。ローソク足に比べ平均足の方がトレンドを把握しやすいので、私は平均足を使うことが多いです。そして、前回同様チャート上に移動平均線も表示してください。
MACDで中長期の分析
今回は私も中長期の予測でよく利用しているMACD(日足)をサブチャートとして使います。
MACDの売買判断ですが、MACDがシグナル線を下から上に抜けると買いのサイン、逆にMACDがシグナル線を上から下に抜けると売りのサインと判断します。
トレードの手順
では二つのチャートを組み合わせた場合はどうでしょうか。まず初めにMACDを見てシグナル線のクロスを待ちます。次に、MACDがクロスした後、やや遅れて移動平均線がクロスします。そして、移動平均線もMACDと同じ向きでクロスすればトレンド発生となりますので、生じたトレンド方向へトラッキングトレードを設定します。同時に平均足の連続性も見て、トレンドの継続性を確認してみてください。
このとき、移動平均線がクロスしなかった場合はMACDのダマシの可能性があるので、いったん様子見とします。また、トラッキングトレード稼働後に、クロスしていたMACDや移動平均線が再度逆方向へクロスしそうになったり、平均足の色の連続性が弱まったりした場合はトレンドがいったん終了すると判断し、トラッキングトレードを止めることも考えます。
このルールを使って、3月上旬から下旬にかけドル安が進んだときにユーロドルの買いでトラッキングトレードを動かしたところ、14営業日で1206.4pips(10pips×約120回)の獲得となりました。
チャート表示された▼(新規買い)▼(決済売り)の通りです。今年の3月は、ファンダメンタルズ的にユーロがかなり強く、上昇トレンドのダマシは発生しづらい環境でしたので、余裕があればファンダメンタルズ分析と合わせて使ってみてください。このように、単独のテクニカル分析ではなく複数のテクニカル分析を用いて、うまくダマシを回避しながら、トラッキングトレードに役立てていただければと思います。
マナブ式MACDの利用方法
1.売買サイン
●「MACD」が「シグナル」を下から上に抜けたら買い(ゴールデンクロス)
●「MACD」が「シグナル」を上から下に抜けたら売り(デッドクロス)
2.トレンド判断
●基準点の「0=ゼロ」より下(マイナス域)で、「MACD」が「シグナル」を下から上に抜け、その後、2本の線がゼロを上抜ければ、強い上昇トレンド
●基準点の「0=ゼロ」より上(プラス域)で、「MACD」が「シグナル」を上から下に抜け、その後、2本の線がゼロを下抜ければ、強い下降トレンド
3.正確性判断
●交差する角度が浅いと弱いサイン。ダマシの可能性も
●交差する角度が深ければ、明確なトレンドが発生する可能性が高い
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