外為オンライン・佐藤正和の実戦取引術|3大通貨の未来を予測するテクノ&ファンダ分析【今月のテーマ|過去の4年サイクルから1か月先に迫った米国大統領選を読む!】
2020年11月3日に迫った第46代米国大統領選挙。2008年のリーマンショック、2012年のアベノミクス始動、2016年のトランプ相場など、選挙後には急激なトレンド転換や加速が起こりやすくなっています。今回は新型コロナウイルスのワクチン開発成功も視野に入り、バイデン氏当選なら米中の緊張緩和期待で「株高、円安、ドル安、ユーロ高」のバブルが起こる可能性もあります。
※この記事は、FX攻略.com2020年11月号の記事を転載・再編集したものです。本文で書かれている相場情報は現在の相場とは異なりますのでご注意ください。
佐藤正和さんプロフィール
さとう・まさかず。邦銀を経て、仏系パリバ銀行(現BNPパリバ銀行)入行。インターバンクチーフディーラー、資金部長、シニアマネージャー等を歴任。その後、年間取引高No.1を誇る外為オンライン・シニアアナリストに。通算20年以上、為替の世界に携わっている。ラジオNIKKEI「株式完全実況解説!株チャン↑」、ストックボイス「マーケットワイド・外国為替情報」に出演する他、Yahoo!ファイナンスに相場情報を定期配信中。
ボリンジャーバンドの収縮から見ても大統領選後は乱高下が濃厚なドル円
11月3日の米国大統領選まで1か月半を切り、トランプ大統領に振り回された為替相場は転機を迎えつつあります。振り返るまでもなく、2020年は新型コロナウイルス感染症の蔓延と、それにともなう記録的な経済の落ち込みに世界中が苦しんだ年として歴史の教科書に載るのは間違いないでしょう。
米国の2020年4-6月の国内総生産(GDP)は前期比・年率換算で「-32.9%」という、四半期ベースの公表を開始した1947年以降で最も急激な落ち込みになりました。米国GDPの7割を占める個人消費の落ち込みが34.6%(年率換算)も減少した影響が大きく、コロナによる相手国の景気悪化にともない、輸出も実に64.1%減となり、GDPを大きく押し下げる一因になりました。
しかし、ここまで落ち込むと、7月以降も米国で増加し続けるコロナ感染者数・死者数が心配ですが、次の四半期である7-9月期に関しては前期比で見た場合、力強い伸びを見せる可能性が高くなっています。
当のコロナに関しても、ワクチン開発成功のニュースがそろそろ出てきてもおかしくありません。現在、ワクチン開発に関わっている企業は世界で30社弱あるといわれており、米ファイザーが一歩リード。続いて英アストラゼネカが続いているようです。従って、今回のコロナによる混乱が終息に向かうのは「時間の問題」といえます。年内もしくは年始早々にワクチン供給が開始され、コロナに対する不安や動揺がある程度、静まる時期が近付いていると信じたいところです。
そんな希望を抱きながら、今回は米国大統領選間近ということもあり、「大統領選の4年」という節目で為替市場がどう変化したか、過去を紐解きながら次の4年間がどうなりそうか、について検証しましょう。
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