【特集 MT4・TradingView徹底攻略①】YEN蔵×山中康司対談|プロが語る!相場分析法の変遷と2大チャートツール
【特集】MT4・TradingView徹底攻略
① YEN蔵×山中康司対談|プロが語る!相場分析法の変遷と2大チャートツール ←この記事はここ
⑨ 愛猫家トレーダーコウスケさんのMT4活用法
⑩ 神藤将男さんのTradingView活用法
(11) ユーちぇるさんのTradingView活用法
(12) 岡ちゃんマンさんのTradingView活用法
※この記事は、FX攻略.com2020年11月号の記事を転載・再編集したものです。本文で書かれている相場情報は現在の相場とは異なりますのでご注意ください。
YEN蔵さんプロフィール
米系のシティバンク、英系のスタンダード・チャータード銀行と外資系銀行にて、20年以上、外国為替ディーラーとして活躍。現在はトッププロトレーダーとして為替、日経平均、日経オプション、個別株の取引を行う。投資情報配信を主業務とする株式会社ADVANCE代表取締役。ドル、ユーロなどメジャー通貨のみならず、アジア通貨を始めとするエマージング通貨でのディーリングについても造詣が深い。また海外のトレーダー、ファンド関係者との親交も深い。
メルマガ:YEN蔵のリアルタイムメルマガ『リアル・トップ・トレーディング』
ブログ:http://blog.livedoor.jp/slalom2007/
ツイッター:https://twitter.com/YENZOU
山中康司さんプロフィール
1982年バンク・オブ・アメリカ入行、1989年バイスプレジデント、1993年プロプライエタリー・マネージャー。1997年日興証券入社、1999年日興シティ信託銀行為替資金部次長。2002年アセンダント社設立・取締役。
公式ブログ:アセンダント/山中康司が提供する為替情報配信サイト
ツイッター:https://twitter.com/yasujiy
ディーラー時代と現在のチャートツール
■編集部 まずは現在までのチャート分析ツールについてのお話を伺いたいと思います。
■山中 もともと個人投資家向けのチャートツールは高額で、ソフトウェアだけで2000ドルくらいするものもありました。さらにそこにレートを流し込んで利用するのですが、そのデータも購入する必要があり、年間30〜40万円はかかっていたと思います。大きく変わり始めたのはMT4が日本でも認知され始めた2009〜2010年ころですね。MT4は登場したときから既にツールとしての完成度が高くて、当時のチャートツールの中では抜群に使いやすかったです。さらにMT4は複数のFX会社でも取引ツールとして提供され始めました。レートも無料で入手できるとあって、これが爆発的な普及につながったのだと思います。
■編集部 最近ではTradingViewの人気もすごいですよね。
■山中 TradingViewについては、3年前ごろからHTML5が一般化してくると共に普及していきました。MT4がパソコンにインストールするスタンドアローン型に対して、TradingViewはWEB上で使えるので環境を選ばずに利用できることと、データも為替に限らず何でも見ることができます。FXトレーダーが日経平均や金など他のプロダクトを見たいときに、通貨と同時にチャートを表示できるのが一番大きなメリットだと思います。分析ツールも全て揃っており、資料を作る際にも便利です。
■YEN蔵 2008年まで銀行にいたのでそれ以降の印象になりますが、私が個人投資家になったときには既にMT4は一般的に利用されていました。銀行ではロイターやブルームバーグなどからいろいろなデータを引っ張ってきて見ていましたが、MT4の無料で見られる為替のデータだけでも、十分実用に耐えられるものだと感じました。MT4とTradingViewはどちらも自由度が高いという印象が強かったですね。
■編集部 お二人がディーラー時代に使っていたチャートツールはどういったモノだったんですか?
■山中 そもそも80年代半ばくらいまではインターバンクでさえチャートツールはなかったです。ブラウン管に緑の文字だけが表示される時代が長かったんですよ。チャートが表示されるようになったのは80年代後半から90年代になってからです。
■YEN蔵 それくらいですよね。1989年にロイターのディーリングシステムが導入された辺りからチャートが見られるようになりました。それまではブローカーさんの声を聞きながら手書きで〇と×のポイント&フィギュアチャートをつけていましたよ。銀行でもチャートをフルに使いだすようになったのは90年代前半を過ぎてからだと思います。
■山中 私がニューヨークにいたときも、移動平均線やRSIを出したチャートを見るようになったのはプラザ合意のころですからね。東京よりも技術が進んでいたニューヨークのインターバンクでさえ導入まで進むのは遅かったですよ。コンピュータの性能が急激に上がったことでチャートツールが大きく進歩したのは比較的最近ですし、そうこうしているうちに個人用が追いつき追い越した感じがします。
■編集部 イメージ的にはモニターをたくさん表示させて、コンピュータをバリバリ稼働させている中で取引しているものかと思っていました。
■YEN蔵 そういった環境になるのは90年代後半か2000年代に入ってからですね。最初にディーリングシステムなどの取引システムが電子化されていき、その際に自動的にレートが分かるようになったものがチャートにも反映されてきたという流れです。
よろしいですか?