【無料全文公開】トラッキングトレード入門|第12回 FXで着実に利益を上げるために一番の戦略は資金管理[斉藤学]
斉藤学さんプロフィール
サラリーマンをしつつ、独自の手法を開発したFXで短期間に爆発的な利益を獲得。その経験を基に、書籍やDVD、記事執筆、セミナー講師など、多方面でFX情報を配信中。著書に『マナブ式 FX トラッキングトレード入門』(実業之日本社)など。
公式ブログ:https://fxblog1.com/
※この記事は、FX攻略.com2017年5月号の記事を転載・再編集したものです。本文で書かれている相場情報は現在の相場とは異なりますのでご注意ください。
損切りの必要性について考える
長期投資で有名な天才投資家ウォーレン・バフェットは、「投資をした後でその銘柄を売らない」ことで有名です。「理想の保有期間は“永遠”だ」という考えで、「損切りをしない」とまでいわれているバフェットですが、そんな彼もソロモン・ブラザーズ(現シティグループ証券)株やUSエアウェイズ株など過去に何度か損切りを行っています。
これはFXも同様で、どんなに取引がうまい人でも必ず勝ち負けを繰り返して資産を増やしています。FXトレーダーの中で常に勝っていて勝率100%という人は、まずいません。投資では、資金がゼロになってトレードが終了してしまわないよう、上手に資金管理を行う必要があるのです。そのためには、一度に許容できる損失額を事前に決めておく方法が有効です。
この資金管理に関しては、人によってさまざまな方法がありますが、最初は「5%ルール」を利用するのが良いでしょう。5%ルールとは、投資額の5%の損失が発生してしまったら売買を停止する、というルールです。
例えば、50万円でトレードしていた場合ですと、2万5000円の損失が発生したところでいったん仕切り直すことになります。残った47万5000円で、戦略を立て直して冷静に再投資すれば、今度はうまくいくかもしれません。
もう少し損失を許容できるのであれば、「10%ルール」にしてみてください。この場合だと、5万円の損失が許容範囲になり、少なくとも45万円が残ることになります。
トレードを行う前から損失のことを考えると、何だか気が滅入ってしまうかもしれませんが、これはとても大切なことです。なぜなら、FXで勝つ人は全体の5〜20%程度、さらに5年続けて収支がプラスとなる投資家はほんの1%程度といわれているからです。しっかり損切りを行い、再度投資を行うための資金を残しておくことが、FXで勝ち続ける秘訣といっても過言ではないのです。
とはいえ、損切りを確実に行うためには経験やメンタル面での訓練が必要なため、一長一短には身に付きません。そこでお勧めなのが、機械的に損切りを行ってくれるトラッキングトレードです。トラッキングトレードのような自動売買であれば、FX初心者でも損切りを意識することなくトレードを続けることが可能だからです。
「想定変動幅」でリスク許容度を管理
トラッキングトレードでは、設定時に「想定変動幅(レンジ)」の数値を工夫することで、リスク度を管理することができます。
この想定変動幅は、数値が変わると売買回数が増減するのですが、幅が広いと売買回数は減り、逆に狭いと売買回数が増えるようになっています。つまり、想定変動幅が広いと、売買回数は減るものの1回に狙える利益は大きくなるためリスクは小さく、想定変動幅が狭いと小さい利益を多くの売買回数で狙う一方で損切りにかかりやすくなるというものです。
そのため、早く利益を得ようと想定変動幅を狭くしてしまうとすぐに5%ルールに引っかかってしまう可能性があるので、まずは想定変動幅を広めに設定して様子を見るのが無難です。デモ口座も準備されているので、最初はデモトレードで試してみるのも良いでしょう。
もし、この想定変動幅を自分で決めることができなければ、トラッキングトレードの自動計算にお任せすることもできます。その場合は、トラッキングトレードの設定画面の「ボラティリティ参考期間」の部分が、過去の変動幅を計算してくれます。期間は、1か月、2か月、3か月、半年、1年の中から選択でき、自動計算された変動幅をそのまま利用しても良いですし、その数値を参考に自分なりに変更してみることも可能です。
なお、トラッキングトレードはいったん動かすと後は自動で発注を続けてくれますが、手動で停止することが可能です。トラッキングトレードの「データ照会」から停止したいトラッキングトレードを選択すれば停止しますが、現在保有中のポジションは決済されないので、任意で決済を行ってください。
よろしいですか?