荒野浩の相場を極める相場を楽しむ|第10回[荒野浩]
荒野浩さんプロフィール
1971年日本勧業角丸証券(現みずほ証券)入社後、調査部でアナリスト業務に従事。米国勤務を挟み一貫して、日本株の情報・市場分析を行う。1996年に運用会社(現アセットマネジメントOne)に転籍、調査部長・運用部長を経て、常務取締役投信運用本部長を歴任。2012年に退職。その後はTV、ラジオ出演などで活動。日本株を中心とした市場分析の経験は半世紀に及ぶ。
メルマガ:https://www.gogojungle.co.jp/finance/salons/8812/
※この記事は、FX攻略.com2020年12月号の記事を転載・再編集したものです。本文で書かれている相場情報は現在の相場とは異なりますのでご注意ください。
※データは2020年9月末日時点までのものになります
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今月号では「米国株の傘の下にある日本株」「ほとんど成長しない日本株の投資指標としては株価収益率(PER)より株価純資産倍率(PBR)?」「コロナ下落とその後の復元力」という三つのテーマを中心に展開したいと思います。
米国株の傘の下にある日本株
「低成長で、物価が上がらず、賃金も上がらない」。わが国の株価の自力での上昇力は決して強くはなく、2018年以降で日経平均が2万3000円台に乗せたのは4回ありますが、それらは全て米国株の最高値更新時に限られます。結果として、日本株の上昇パターンは米国株の最高値更新が続くうちに、出遅れ感を感じた海外投資家が継続して日本株を買い越すことで起こります。情けない話ですが、米国株の傘の下にある日本株という表現が当たっているのかもしれません。
2018年以降、日経平均が2万3000円台を連続して維持した期間は2018年1・2月、2018年9・10月、2019年11月~2020年2月、2020年8~9月の4回あります。前3回は2万4000円台に乗せるとあたかもゴールであったかのように上値追いは止まっていましたが、足下は2万4000円に届いていませんし、米国株の最高値更新がいったん止まったと推定されることから、今回の波動での2万4000円乗せは遠のいたのかもしれません。
よろしいですか?