【無料全文公開】トラッキングトレード入門|第11回 中長期のトレードならトラッキングトレードに勝るものはない②[斉藤学]
斉藤学さんプロフィール
サラリーマンをしつつ、独自の手法を開発したFXで短期間に爆発的な利益を獲得。その経験を基に、書籍やDVD、記事執筆、セミナー講師など、多方面でFX情報を配信中。著書に『マナブ式 FX トラッキングトレード入門』(実業之日本社)など。
公式ブログ:https://fxblog1.com/
※この記事は、FX攻略.com2017年4月号の記事を転載・再編集したものです。本文で書かれている相場情報は現在の相場とは異なりますのでご注意ください。
中長期のトレンドをチャートで分析してみよう
前回は、政策金利に注目して中長期のトレンドを予測する方法についてお話ししました。政策金利は「景気のバロメーター」で、政府は景気が良くなってくると金利を引き上げて景気を冷まそうとし、反対に景気が後退する場面では金利を引き下げて景気の失速を防ごうとします。加えて、スワップポイントも増減するため、利上げは上昇トレンド、利下げは下降トレンドになりやすい傾向があります。
今回は、チャートを用いてこのような中長期トレンドの分析を行い、注文にはトラッキングトレードを活用してみたいと思います。
平均足でトレンドを簡単チェック!
通常のチャートで使われている「ローソク足」は、単にその日の値動きを知る分には分かりやすくできているのですが、連続したローソク足を分析しようとすると、やや使い勝手が悪くなります。なぜなら、上昇トレンド中に出現した陰線や下降トレンド中に出現した陽線がトレンド転換のサインに見えたり、ローソク足とローソク足の間に窓が開いたりしてしまうからです。
そんな時は、平均足を使うと一目瞭然です。平均足は、1本前の「始値」と「終値」の平均と、期間中の「始値」、「高値」、「安値」、「終値」の平均をもとに描画されるのですが、この「値を平均する」ことがローソク足に移動平均線のような特徴を持たせることにつながっています。ローソク足と比べ、上昇しているときは陽線、下落しているときは陰線が出やすくなっているので、上昇トレンド中は陽線が連続し、下降トレンド中は陰線が連続する傾向があり、一目見ただけでローソク足よりも簡単にトレンドの方向性が把握できるのです。
トレンドラインを引いて中・長期のトレンドを検証
この平均足チャートを見ていれば、トレンドはなんとなく分かりますが、さらにラインを引くと中長期のトレンドがより分かりやすくなります。トレンドラインの引き方は、上昇トレンドであれば安値同士を、下降トレンドであれば高値同士を結びます。1本線を引くだけで、だいぶトレンドが分かりやすくなりましたね。戦略としては、上昇トレンドの時にレートがトレンドラインへ近づいたら押し目買い、下降トレンドであれば戻り売りを行うという戦略が一般的です。
トレンドラインは、見ているチャートの時間枠が短ければそれだけ信頼性が下がります。つまり、日足チャートに比べると、5分足チャートの方がラインをブレイクする回数が多いです。そのため、まずは日足にトレンドラインを引いて分析することをお勧めします。
なお、このトレンドラインを上か下に抜けてしまった場合は、トレンドが転換してしまう可能性があるため注意してください。
トラッキングトレードは利食い追従してくれる
トレンドが分かればあとは注文を出すだけですが、トラッキングトレードの優れた機能に、想定変動幅や注文数を自動計算してくれるという特徴があります。リピート注文は、効果的に仕掛けるためには価格変動幅を検証しなければなりません。なぜなら、3円幅のボックス相場で動いている場合と5円幅で動いている場合では、リピート注文を仕掛ける範囲が異なってくるからです。この変動幅は参考にした期間によって異なりますし、通貨ペアによってもだいぶ変わります。
しかし、トラッキングトレードであれば、「通貨ペア」と「ボラティリティ参考期間」の設定で自動計算された過去の変動幅を確認することができるため、迷うことはありません。自動計算された変動幅をそのまま使っても良いですし、その数値をもとに任意の変動幅を設定することも可能です。
また、通常のリピート注文ですと、当初の設定範囲を超えると機能しなくなってしまうのですが、トラッキングトレードは相場の変動に合わせて設定範囲が自動的に移動するので、リピート注文が継続されます。つまり、予想通りの方向に為替レートが変動した場合には、利益を確定しながら値動きを追いかけつつ仕掛けるレンジも変更するため、利食い追従する仕組みになっているのです。
ここが通常のリピート注文と大きく異なる仕組みで、利益を最大限に伸ばしてくれるところがトラッキングトレードの強みといえます。
さらに、トラッキングトレードにはランキングもありますので、上位ランキングの中から上昇または下降トレンドに従ったシステムを選んでみても、面白いでしょう。
よろしいですか?