外為オンライン・佐藤正和の実戦取引術|3大通貨の未来を予測するテクノ&ファンダ分析【今月のテーマ|2021年の為替相場展望。トランプ退場でトレンド相場に期待】
トランプ氏退場で為替市場は、現状の膠着相場から少しはトレンドのある取引しやすいノーマルな相場に移行するのでしょうか? その鍵を握るのはやはりコロナ禍からの完全脱却と、米長期金利に代表される通貨間の金利差の復活といえるでしょう。私が愛用するテクニカル・三種の神器で、2021年の為替相場を予測してみます。
※この記事は、FX攻略.com2021年2月号の記事を転載・再編集したものです。本文で書かれている相場情報は現在の相場とは異なりますのでご注意ください。
佐藤正和さんプロフィール
さとう・まさかず。邦銀を経て、仏系パリバ銀行(現BNPパリバ銀行)入行。インターバンクチーフディーラー、資金部長、シニアマネージャー等を歴任。その後、年間取引高No.1を誇る外為オンライン・シニアアナリストに。通算20年以上、為替の世界に携わっている。ラジオNIKKEI「株式完全実況解説!株チャン↑」、ストックボイス「マーケットワイド・外国為替情報」に出演する他、Yahoo!ファイナンスに相場情報を定期配信中。
MACDを使って相場の転換点をとらえる手法なら膠着レンジ相場でも利益が出せる
米国の大統領選はバイデン氏勝利で終わり、ワクチン開発報道もあって11月上旬には急速な株高が進みました。しかし、ドル円をはじめ外国為替市場には、2016年のトランプ相場のような、大きなボラティリティは生まれませんでした。2021年は、トランプ大統領という「大きな不確定要素」が舞台から去ることになり、FXの世界はさらに小動きになるかもしれません。逆に、トランプ氏退場で、為替市場に自律的なトレンドが生まれ、膠着相場が転換する可能性も多いに考えられるところでしょう。
今回は私の最新著『これだけ!FXチャート分析 三種の神器』(クロスメディア・パブリッシング)で紹介したテクニカル分析を使って、2021年の主要通貨ペアの行方を展望してみましょう。私がテクニカルの「三種の神器」として活用しているのは、移動平均線、MACD、一目均衡表の三つです。この三つのテクニカルは、私がフランスの銀行でチーフディーラーを務めていたとき、実際のトレードに頻繁に利用してきた指標でもあります。
私は外為オンラインで何百回にもわたってセミナーを行い、FXで数千万円以上の利益を上げた個人投資家の方とも知り合いになりました。彼らにトレード手法について聞くと、一目均衡表で流れを読みながら、MACDとその移動平均線であるシグナルのゴールデンクロス、デッドクロスで売買している人がとても多いことがわかりました。多くの人は、日足チャートで大きなトレンドを確認しつつ、1時間足チャートにMACDを表示して売買していました。MACDを1時間足チャートで使えば、数日間程度の値動きの天井と大底をかなり的確にとらえられます。
よろしいですか?