あなたの知らないテクニカル指標の世界|第2回 ディレクショナル・ムーブメント[山中康司]
移動平均線やRSIなど、多くの市場参加者が見るメジャーな指標は王道の分析ですが、必ずしも自分に合うとは限りません。ここでは本誌にあまり登場しない指標を、インジケーターの造詣に深く分析のプロフェッショナルである山中康司さんに解説していただき、奥深いテクニカル分析の視野と選択肢を広げていきましょう。
山中康司さんプロフィール
アセンダント社取締役。1982年にバンク・オブ・アメリカ入行、1989年バイスプレジデント、1993年プロプライエタリ―・マネージャー。1999年日興シティ信託銀行為替資金部次長。2002年アセンダント社設立。
公式ブログ:アセンダント/山中康司が提供する為替情報配信サイト
Twitter:https://twitter.com/yasujiy
※この記事は、FX攻略.com2021年3月号の記事を転載・再編集したものです。本文で書かれている相場情報は現在の相場とは異なりますのでご注意ください。
ワイルダーを魅了したテクニカル指標
「ディレクショナル・ムーブメント(DMI)」は、トレンドが出ているのか、もみ合いなのかを判断できる指標です。第1回と同様にJ.W.ワイルダー・Jrによって“New Concepts in Technical Trading Systems”(邦題『ワイルダーのテクニカル分析入門』)の中で、「パラボリック」「ボラティリティ」に続いて三つ目に紹介されています。
二つ目のボラティリティは、TR(真のレンジ)をベースにした指標ですが、ここでTRとATRを紹介した上で、次の説明につなげている流れです。そしてDMIの説明の冒頭で、DMIがワイルダーを最も魅了した研究で、最も時間をかけたと述べています。ワイルダーにとってDMIは自身が開発したテクニカル指標の中で最も思い入れがある指標であったのかもしれません。
よろしいですか?