荒野浩の相場を極める相場を楽しむ|第14回[荒野浩]
荒野浩さんプロフィール
1971年日本勧業角丸証券(現みずほ証券)入社後、調査部でアナリスト業務に従事。米国勤務を挟み一貫して、日本株の情報・市場分析を行う。1996年に運用会社(現アセットマネジメントOne)に転籍、調査部長・運用部長を経て、常務取締役投信運用本部長を歴任。2012年に退職。その後はTV、ラジオ出演などで活動。日本株を中心とした市場分析の経験は半世紀に及ぶ。
メルマガ:https://www.gogojungle.co.jp/finance/salons/8812/
※この記事は、FX攻略.com2021年4月号の記事を転載・再編集したものです。本文で書かれている相場情報は現在の相場とは異なりますのでご注意ください。
※データは2021年1月末日時点までのものになります
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新たな視点と昨年から続く二極化相場を考察
今月号では新たな視点からの「株価収益率(PER)の考え方」「株式需給面から見た東京市場の構造変化」「モメンタム(勢いのある)相場」と昨年から続く「二極化相場」について、掘り下げたいと思います。
■ファンダメンタルズから乖離した株価…投資指標を1年平均で見る。転換点はいつなのか
景気の谷は2020年3~6月と推定されますが、日経平均はその時点を境に業績悪(=自己資本利益率⦅ROE⦆の低下)をPERの拡大で補う形で上昇してきました。
ファンダメンタルズから乖離した株価上昇であったわけですが、いつの時点で足下の株価水準が肯定される水準まで、業績が回復するのかが2021年の最大の注目ポイントと考えられます。
表①からはROEの低下をPERの拡大で補った株価上昇であったことは明らかです。同時に同じ歩調で、1株当たり純資産と株価が上昇、株価形成の基盤は企業経営の蓄積である1株当たり純資産であることも分かります。
実績ベースの1株当たり利益のピークは2019年4月25日の1892円で、ボトムは2020年6月15日の1246円でした。現在の利益水準のままでも5月下旬には増益に転じます。今年後半の利益の伸びが年末の株価水準を決めるといえます。
よろしいですか?