高騰コモディティーの実相
株式
2021年4月4日(日)曇り夜は雨も
・高騰コモディティーの実相 「グリーンサイクル」が変える需給の構造
コロナ禍で苦戦しているはずの世界の鉱山会社に異変。
チリを本拠に銅や金などを生産するアントファガスタの2020年12月期の銅の販売量は前の期比4%減り、金は31%減。
売上高は3%増の51億ドル(約5600億円)を確保。銅の販売価格上昇が補う。
ニッケルやアルミも高値圏。原油や穀物といった国際商品(コモディティー)全体の価格が上昇し始めた。
コロナ禍で停滞した経済活動の再開で、資源需要が戻ってきたことが背景。
・高騰コモディティーの実相 「グリーンサイクル」が変える需給の構造
未曽有の財政・金融緩和で市場にあふれたマネーもコモディティーに流入する。
米調査会社EPFRグローバルによると、20年の商品型ファンドへの資金流入は563億ドル。
データを遡れる05年以降で最大の流入額となった。
日本取引所グループ(JPX)<8697> [終値2680.0円]、商品先物の代表銘柄の一つである金の標準取引の取引高は20年に859万枚と6年ぶりの高水準に。
・高騰コモディティーの実相 「グリーンサイクル」が変える需給の構造
国際商品の指標であるロイター・コアコモディティーCRB指数の年初からの上昇率は11%と、米S&P500種株価指数の7%を上回る。
あらゆうるコモディティーに投資マネーが集まり、価格が上昇する局面には既視感がある。
2000年代初めから原油や穀物が長期間上昇した「スーパーサイクル」と呼ばれる時期。
CRB指数は08年をピークに低下したが、昨年4ガルを底に直近1年で8割上昇するなど、反転の兆しが見える。
過去の経験則からの連想で、スーパーリサイクルが再び始まったとする節が台頭。
・高騰コモディティーの実相 脱炭素 市況揺らす
原油や銅など需給が構造的にひっ迫するとの見方が強まっている。
背景にあるのは各国の環境対策を受けて急速に広がる脱炭素化の流れ。
・高騰コモディティーの実相 脱炭素 市況揺らす
需給からひも独相場高(1)供給ショック
原油、投資抑制で生産減懸念 国際商品相場が上昇する局面ではまず需給と供給のひっ迫感が顕在化するのが過去のパターン。
そこに投資マネーが加わって上げが加速する。
今は足元で原油、金属それぞれの需給ギャップが表面化し始めた局面。
脱化石燃料の流れが、長期的な石油需要を減らすのは間違いないとしても、
その手前で予想される需給のひっ迫は解決が容易ではない構造的な問題を抱えている。
・高騰コモディティーの実相 脱炭素 市況揺らす
需給からひも独相場高(2)供給ショック
各種統計が世界の銅不足が深刻だと警鐘を鳴らし始めた。
銅の生産・消費国の政府間組織ICSG、2020年に精錬銅が約56万トン不足したと発表。
米ゴールドマン・サックスはリポートで「この10年で最も不足が厳しい状況にある」と指摘。
中国が輸入を増やしていることは、ほかの資源と同様に相場の上昇要因ではああるが、
それと並んで、クリーンエネルギー7の急拡大が銅の利用に弾みをつけることが大きな要因。
ニッケル、コバルト、リチウムなどほかの金属も程度の差はあれ、銅と似た状況にある。
コロナ対策で各国政府が出した需要喚起の政策も金属の需要を増やし、供給がそれに追いつかない状況は当面続きそう。
・高騰コモディティーの実相 緩和マネー流入 相場過熱
トウモロコシ7年ぶりの高値、銅は9年ぶり水準。
「中国が過去最大の輸入をしていることが投資マネーを呼び込む要因となっている。」 と指摘も。
もっとも、環境が変化すれば投資マネーの逃げ足は速い。
昨年夏に1トロイオンス2000ドル台を突破して過去最高値をつけた金市場fでは、足元ではマネーが流出している。
巨額の財政出動に伴う米国債の増発観測や先行きの緩和縮小の見方で、米金利が上昇したため。
・高騰コモディティーの実相 商品投資、上場投資信託(ETF)で身近に
手元資金で小額から、株譲渡損益と合算可能。
商品投資のうまみは株や債券と異なった値動きをすること。
分散投資することで運用収益の変動リスクを抑えることができる。
より手軽な投資手法は商品ETF。先物とは違い基本的に手元資金だけで投資する。
先物投資に比べて小額から投資できるのも利点。
・国内に上場している商品ETF
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