【マーケット解説】暗号資産は修正局面が継続中
5月14日(金)の米国市場は木曜からの自律反発により更に上値を乗せて続伸した。ダウは前日比1.06%のプラス、ナスダック100、S&P500はそれぞれ前日比2.17%、1.49%と堅調だった。フィラデルフィア半導体指数は木曜1.50%の反発から金曜は3.02%の上昇と上げ幅を広げている。ダウはちょうど一週間前に最高値をつけた5月10日の終値34,742.83、高値35,091.56を試すかどうかが今週のポイントとなるだろう。それぞれ1.05%、2.06%の上昇で達成する見込みとなる。恐怖指数といわれるVIX指数は20を割って18.81で先週末の取引を終えている。
【ソース】Trading View ダウ指数日足
日経平均も28,000円回復から米国時間の先物やCFDにおいて28,300円近辺まで上昇した。現在は28,000円近辺で推移している。5月13日(木)のマーケット解説でファンドストラット社著名アナリストのトム・リー氏が「VIXの急騰は逆に今後の株式の強気のシグナルである」とのコメントを紹介したが、奇しくもその予想が今のところ的中している。欧州株も主要な指数は全て1%超えとリスクオンモードにスイッチが入っている状況に見える。米国の10年債利回りは低下し1.62%。ゴールドは金利の低下により前日に引き続き堅調な展開となり1,820ドル半ばから1,850ドル超えまで値を伸ばした。
ドル安が進んだ形でドル指数は0.3~0.5%弱減少しており、ドルの価格を分母にするEURUSDはしっかりした値動きとなっている。ドルストレートの範囲では豪ドル、NZドル、カナダドル、ポンドも好調である。特にポンド円は154円台で直近の高値圏をうかがう展開である。3年ぶりの高値圏で、既に2018年4月の高値は超えている。貴金属はゴールドの堅調さに追随して上げ幅を重ねているが、穀物の価格推移は特にコーンの下落が激しい。インフレ懸念は市場になおくすぶり、それに関連して今週水曜(19日)に発表される米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨が注目されている。
暗号資産は全体的に修正局面が継続中。ビットコインは44,000ドル台に落ち込み、イーサは3,400ドル割れと他の主要な暗号資産と比べて比較的下げ圧力が強い。ビットコイン・キャッシュはアップグレードを無事に終えたが、この暗号資産も下落率が激しく1,080ドルを割った。ビットコインの占有率を示すドミナンスレートは41%と徐々にではあるが安値を刻んでいる。暗号資産全体の時価総額は2兆ドルを割れて、下落基調が激しい状態が続いている。暗号資産の投資銀行を目指すギャラクシー・デジタルは先週、「ビットコインのエネルギー消費について」と題したレポートを発表した。これは先日、テスラCEOがビットコインは環境にやさしくないとコメントしたことについての反論記事となる。
【ソース】ギャラクシー・デジタル エネルギー消費の比較
【トレード妙味のある銘柄】
ダウ
ポンド円
コーン
イーサ
【マーケット解説の注意事項】
以下のポイントを考慮しながらお読みください。
①それが一過性のものなのか
②継続するものなのか
トレーダーとしての心構え
・「物事が起こってからの解説」はただ単に読むだけでよい。予測の力量やトレードの成績には影響しない。
・「今」のマーケットの動きは説明できない。
・方向性がわからなくても儲けることは可能。
・アナリストやストラテジストが「上がる」と説明しているマーケットに対して、戻りや調整局面に対して利益を出すことができる。
トレーダーは市場原理を知らなくても勝てる人は勝てる。トレードに直結しないマーケット解説や市場分析のみの人と、そうでない私のような考えの人が書いたレポートとでは少しスタンスが異なるはずです。が、やはり私が書いても表面的には「一般的な市況と変わらない」のはやむなしと捉えて下さい。
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