日本株需給データから気になること
東証から発表される日本株需給データから気になること interesting
(1)裁定売り残が殆どなくなった
海外投資家が日本株先物を売ってくる⇒日本の証券会社がcounter partyになる(つまり、取引相手になって買う)⇒日本の証券会社は先物で買った分だけ、現物を売る(裁定売りをする)
なので、裁定売り残は概ね海外投資家の先物取引の売り残になる
これが殆どゼロということは、海外投資家が日本株先物売ポジションが殆どないということだ。つまり、日本株の下げに賭ける海外投資家は殆どいないということだ。これは珍しい。
(2)信託銀行は何をしているのか?
信託銀行の日本株売買動向を見ると、最近は、信託銀行は現物を売る一方、先物を買っている。合計ではほぼ買越額はゼロだ。何をやっているのだろう?
信託銀行の売買の背景にあるの(beneficiary)は、通常年金だが、年金がこういうことをするとは思えない。年金以外の妙な投資家が信託を利用して売買しているのだろうか?この奇妙な取引は過去にはほとんどなかったが、実は、この3月にもあった。真実を知りたい。
(3)直近週の売りは海外投資家、買いは?
9月24日に終わる週の日本株売りのほとんどは海外投資家(赤)、買いは証券会社の自己勘定(黒)。証券会社が投資(投機)することはないので、裏に真の発注者がいるはずだ。委託でなく、証券会社に代理でかってもらう真の買い手は誰だろう?
尤も、4週平均で見ると消えてしまうので、気にするほどのことはないだろう。
(4)海外投資家は先物で日経平均は売るものの、TOPIXは買い
(A)短期投機筋が日経平均をうって、年金など長期投資家はTOPIXを買っているのか?
(B)NT倍率低下を狙って、TOPIX買い・日経平均売りをしたのか?
どちらだろうか?
(5)需給と相場
将来の海外投資家動向が読めるなら、相場の予想はほぼできる。しかし、それが難しい。以前、どういう場合に海外投資家が日本株を買ってくるか書いたが、
それと照らしても、今は売り買い両方の要素がある。
需給と相場の関係からは、やや買われ過ぎであるが、そんなに乖離があるわけではない。次のグラフ参照
よろしいですか?